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S2000オーナーが S660 6MTに試乗、再レビュー(1) なかなかいいんじゃないの?

2015.07.04

S660 CVTを試乗したレビューを掲載したところ、大きな反響を呼びました。

S2000オーナーがS660に試乗して落胆した話【ワンダードライビング】

CVTモデルを30分ほどしか試乗してないことからS660の実力を正当に評価できていないのではないか、ということで今回ホンダ広報さんのご厚意により6速マニュアル(6MT)をお借りし、街中から首都高、高速道路、アップダウンの厳しい峠道を試乗、改めてレビューをお届けします。

スポーツカーとは何か

よく誤解されるのですが、S2000との比較ではありません。あくまでもSシリーズというネーミングとして、「ゆるスポ(緩いスポーツ)ではなく「ガチスポ」として、ホンダの発するメッセージ通りにS660が作られているのかどうか、の評価です。

またこのS660 6速MTレビューの前後で、オープンカー、スポーツカー、後輪駆動車、ミッドシップ車を数多く試乗、改めて「スポーツカーとは何か」を問います。

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特にS660 6MT、ビート5MT、コペン Robe S 5MTは山坂道を含む同一のコースを周回してます。

その他すべての試乗レポートはこちら 試乗レポート【ワンダードライビング】

S660 6速マニュアル試乗車仕様

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試乗車仕様

6速マニュアル
グレード:β
車体色:プレミアムミスティックナイト・パール(32,400円高)
メーカー希望小売価格 1,980,000円
広報車価格: 2,012,400(消費税込)

ディーラーオプション:フロアカーペットマット

居心地のいいコックピット

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まず滑りこむのはタイトなシート。サイドシルよりも低い座面、そしてシートバックは予想以上に柔らかく、包み込まれ、乗り心地は柔らかいです。ランバーサポートは弱いですが、サイドサポートはしっかりしており、横Gが加わっても上半身がもっていかれることはありません。

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ハンドルは形状、サイズともにタイトなコックピットにピッタリ。デザインも好みです。

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ペダル位置はハンドルとシートの真正面。狭い車にありがちな、ホイールハウスに押されて左側にオフセットしている印象もありません。多少ペダル間は窮屈気味ですが、ブレーキ踏みながらアクセル踏む「ヒール&トー」は逆にしやすいです。フットレストもしっかり装備されてます。センタートンネルがスリムなのが効いてます。

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専用の6速マニュアルはショートストロークでカチカチと決まり、シフトチェンジもしやすいです。

クラッチペダルは軽く、クラッチのミートポイントは多少曖昧なフィールですけど、軽いので操作はやりやすいです。

iPodに対応したUSBオーディオは十分な機能で、USBケーブルで接続、ハンドル上のリモコンボタンであとはすべてコントロール可能。状態はメーターパネル左側に表示されます。

フレキシブルなターボエンジン

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ダイレクトなフィールのある6速マニュアルでは低速トルクがあって出足がよく、スピードがすっと乗っていきます。この点は同じ660ccでもNAエンジンを搭載するビートとはやはり違う点ですね。

とはいえ、無限のパワーがあるわけではないので、最低で4000回転、出来れば5000回転前後をキープしたいところ。またその領域でもアクセルを開けて瞬時に回転数が上がるわけではなく、

・アクセルON
・ブーストがアップ(ブースト計)
・エンジン回転数があがる

という順番でディレイがあり、いわゆるターボラグを感じます。なので躊躇せず一気にアクセルを奥まで踏み込めば、加速感が出ます。このとき背中から押される感覚があり、ミッドシップを体感することができます。

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SELECTボタン(写真左)を押して赤にすると燃費計がブースト計表示に切り替わり、7000回転以上ではレブインジケーターとして赤丸が点滅、シフトアップポイントが分かりやすい

回転数は5000を中心に踏みこみますが、ブーストが落ちこんでくるので6000回転オーバーでシフトアップするのが良さそう。レブリミットはMT車では7700回転となっていますが、7000回転オーバーまで回す必要はありません。

この早めのシフトアップについてホンダに質問したところ、以下の回答でした。

Q:MT仕様はCVT比でレブリミットが +700rpmとなっていますが、トルク型と見受けるので早め早めのシフトアップが良さそうですが、いかがでしょうか?

ホンダ:おっしゃる通りで、早めのシフトアップがよいです


CVT比+700回転、7700回転の余裕はシフトアップを我慢したいところ、例えばジムカーナ競技でシフトアップしてすぐシフトダウンしなければならないような迷うところを、パンパンパンとレブに当てながら走ることがありますが、そういったときでもレブにあたらずに済むという利点となるでしょう。なお、最近のクルマなのでレブにあたってもパンパンパンとはならず、もっとスムースに回転が止まります。

このフレキシブルなエンジンのおかげで、街中は結構キビキビ走れます。

峠の上りも軽自動車としては相当速く、これは後輪にトラクションがかかっているためでしょう。さらに言えば峠の下りの直線はもっと速いです。

さてパワフルなエンジンとはいえ、やはり上限は軽自動車自主規制の64馬力。高速道路のハイスピードクルージングに余裕はなく、特に登坂車線のあるような上り坂では苦しいのは仕方ないところ。

安定感のあるブレーキ

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S660で特筆すべきはブレーキ。軽自動車としては珍しい4輪ディスクブレーキを装備しています。ブレーキペダルの剛性感もあり、フィール、タッチともに好み。ベンチレーテッドではないソリッドディスクですが峠をそれなりのペースで走ってもフェードはしませんでしたし、その後もエアを噛んでスポンジーということもなく、安心して走れます。

制動力も相当でて、ロック寸前のフィールも伝わってくるのでコントロール性は高い感触でした。

減速Gについて一般的なスポーツカーとしては十分な効きで、好みとしてはもう少しパッドを強く(μを高める)してもいいですが、多少ABSが早めに効く設定なのでノーマルでまずは十分でしょう。

なお急制動の時はエマージェンシーストップシグナルが作動、ハザード点灯してしまいます。街中の装備としてはいいのですけど、サーキット走行のときは各コーナーでずっと作動しっぱなしになるので、オフにできるといいんですが...峠でかなりついてました。

懸案のハンドリングテスト

S660で一番気になるのはハンドリング。今回は念願のワインディング、いつもの峠に持ち込んで走ってみました。

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アスファルトの継ぎ接ぎやスピードバンプによる凸凹など、荒れた路面が多い峠ですけど、そんな場所でも柔らかく、ロールを許すサスペンションの乗り心地は想像以上によいです。いわゆるスポーツカー的なガチガチなところはなく、角は丸いという印象。コンセプトは「ガチスポ」ですけど、乗り心地は「ゆるゆる」です。

S字コーナーなどスラロームはめちゃくちゃ速く、MAX GからMAX Gへのバンバンという切り替えは一気に荷重が外輪にかかり、アドバン・ネオバのグリップ力を引き出してぐっと踏ん張り、前へ前へと進んでいきます。これは凄い気持ちいいし、末恐ろしいほど速いです。

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同じようなに首都高C1のくねくねしたコーナー、60km〜80kmくらいのコーナリングは相当気持ちいいですね。この領域ではアンダーステアを感じることはありません、ハンドルを切っただけ曲がっていきます。

西川善司さんとS660 6MT高速試乗

NISSAN GT-Rオーナーで、S660の購入を本気で検討した西川善司さんと一緒に試乗してきました。

西川善司さんの「車雑誌には載っていないS660購入ガイド」【ワンダードライビング】

「S660なかなかいいじゃないの」と思いつつも、一方課題も明確となりました。

後編へ続く⇒ S2000オーナーが S660 6MTに試乗、再レビュー(2) 野性を取り戻せ【ワンダードライビング】



この記事を書いたライター

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のりものブロガー

野間恒毅

スーパーカーと美女が好き。 日々RR, FR, FFと駆動方式を選ばずドライビングスキルを磨き、ドライビングプレジャーを追い求めています。リターンライダーとして大型二輪免許取得、大型バイクに乗っています。ミニ四駆、ラジコン、ドローンなどホビーも幅広くカバーしボート。個人ブログはこちら(のまのしわざ


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