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ヤマハFZ250 PHAZER(フェーザー)1985年式 レストア記

まるでフランス車のようなしなやかなハンドリング! 新型Audi A1 Sportback 35 TFSI S line試乗レポート

2019.12.09

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A1としては二代目となり、初めてのフルモデルチェンジ。果たしてどんな進化をとげたのでしょうか?

言うまでもなくA1はAudiの中では一番小さな末っ子的な存在。しかし価格帯は400万円前後で、試乗車はオプション装備で500万円近い価格となっており、小さな高級車。BMW MINIが切り開いたプレミアムコンパクト市場であり、その意味ではライバルは多くフルモデルチェンジするにもかなり気合を入れないといけません。

兄弟車であるVW Poloも先頃フルモデルチェンジ、こちらはベーシックカーとしての矜持をもって価格も抑えめですが、それでも今回初の3ナンバー化を含む大型化により従来のユーザーに勧めにくい、という声も聞こえます。実際にVWディーラーでは先代Poloからの買い替えで大型化を嫌ってUP!を選択したユーザーもいるとのこと。

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A1も例外ではなく全長・全幅がわずかに増え、ホイールベースは+95mmと大幅に延長。全長4045mm 全幅1740mm ホイールベース2560mmとなっています。オーバーハングは切り詰めた分よりコンパクトに見えるところや、面の作りがAudi Q2のような直線基調のエッジのたった構成となっているのもこれまでの丸っこいA1との大きな違いでしょうか。

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特にフロントマスクは伝説のアウディクワトロをオマージュしているとのことで、クワトロが当時の角型デザインだったこともエッジのたったものになるのもうなづけます。

走行性能

エンジンは気筒休止つき1.5Lターボ、150馬力(110kW)/5000-6000rpm、250Nm/1500-3500rpmとなって必要十分な性能。ライバルであるBMW MINIは同じく1.5Lターボですが3気筒、136馬力。よりパワフルで4気筒の滑らかさとエンジン音、そして気筒休止による高燃費が期待できます。

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組み合わされるミッションは定番の7速Sトロニック。乾式クラッチのため、シングルクラッチのような走り始めで多少のギクシャク感を感じたり、ちょっとした坂道では後ろに下がってしまうような動きが出ますが、一度走りだしてしまえば変速ラグのない、かっちりとしたシフトチェンジは非常に好感が持てます。

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アクセルに対する反応はノーマルはより普通に、ダイナミックはよりダイナミックで過敏とも思えるほどガバっと加速するイメージで、予想以上にスポーツを感じさせます。そう、スポーティというよりもスポーツ。試乗車がS-lineということもあり、シートもスポーティでハンドルがテレスコピックもついて最適なポジションをとれるということもあり、その気にさせてくれます。

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アクセルを踏み続ければ加速感は途切れることなく、あっというまに法定速度以上になってしまうので自制心が必要。

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ハンドルは少し切った反力が少なく、いわゆる軽いステアリング。最近のAudiは全体的にパワステが軽く、おそらくターゲットユーザーとなる高齢者や女性への配慮からそうなっているのでしょうが、個人的な好みとしてはもう少し重め、というか昔のA3くらいの重さがよいです。とはいえ多くの軽自動車や日本車のようにまったく路面状態がわからないということでもないことや、ハンドルの中立がしっかりでて安定して直進できることはやはりAudiらしいなと感心するばかり。見た目はコンパクトだし、価格帯も400万円前後なので日本車ならもっと高級そうな車が買えますが、あくまでもそれは「高級そう」なだけで、軽自動車のような浅薄なハンドリング、中立がでない、直進しないということが多々あり、車は大きさではないと思い知らされます。

最先端のインフォテインメント

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メーターはAudiバーチャルコックピット装備で、フル液晶。好みに応じてメーター主体か、地図表示主体かを変更することができ、先進的なイメージ。アダプティブオートクルーズ、レーンキープなどのドライバーアシストはもちろん、さらにCarPlayやAndroid Autoに対応、オプションですがQiワイヤレス充電にも対応しておりお手持ちのスマホを最大限活用することが可能。もちろん置き場所も確保されているので使い勝手は最高です。


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こうしてみると今ある先進装備はほぼすべて装備、またはオプション装備可能となっており、まさに小さな高級車。もっともAudiらしいAudiといってもいいかもしれません。


Q2から指向性が変わったハンドリング

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Audi Q2の試乗の時に驚いたのはそのハンドリングの素直さ、まるでフランス車のようなサスペンションストロークを活かしたセッティングですが、これは車高の高いSUVだからこそと思っていました。今回のA1はそのQ2と同じ方向性、ステアリングを切ったら切っただけ曲がってゆく、ロールに合わせてヨーが発生していきドライバーの意思通りに曲がっていきます。

(参考) 衝撃のハンドリングカー! Audi Q2 1.4TFSI 1st edition 試乗レポート【ワンダードライビング】

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これまでのAudiのイメージ、スポーツになればなるほどフラットライドでタイヤのグリップを引き出して走るのとは真逆で、本当にしなやかで素直。215/45R17サイズのブリジストン・トランザを履いているとはいえ、だからといってタイヤの性能に頼っていない、まるでフランス車かと思ったほどでした。

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そのため試乗場所がワインディングの多い箱根だったのですが、どんなコーナーであってもハンドルどおり、意のままに曲がって行くからストレスが溜まる、怖いといったことはまるでなく、むしろコーナーが来るのが楽しい、速い、楽しい、となったのです。もうね、日本車は追いつかない領域。

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こんなに山道が多い日本なのに、なんで山道を安全に速く、楽しく走れる車が作れないのかと。

この溝はもう埋まらないなあと、日本人としてはがっかりするほど差を見せつけられました。それほど素晴らしいものでした。これはシャーシ全体のバランスができているからこそ。そしてエンジン、トランスミッションも完全に内燃機関としては成熟されて、これがもうおそらく最後のガソリン車になっていいと思えるほどの出来栄えでした。

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もう、ベストバイだと思います。

4mのコンパクトな車が欲しい、そんな人に絶対的におすすめできるAudi A1でした。

試乗動画

試乗動画はこちらからどうぞ。

(公式サイト)

A1 Sportback > A1 > アウディジャパン

The all-new Audi A1 Sportback


この記事を書いたライター

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のりものブロガー

野間恒毅

スーパーカーと美女が好き。 日々RR, FR, FFと駆動方式を選ばずドライビングスキルを磨き、ドライビングプレジャーを追い求めています。リターンライダーとして大型二輪免許取得、大型バイクに乗っています。ミニ四駆、ラジコン、ドローンなどホビーも幅広くカバーしボート。個人ブログはこちら(のまのしわざ


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