CRF250 RALLY 北海道1000km実走インプレッション＆AX-1との比較
2021.08.21
今話題の新型CRF250L/RALLY（ラリー）。誰にきいても、どのインプレ動画をみても絶賛しているので、今回それを確かめるために北海道でレンタル、約1000kmを走破して感じた印象をお届けします。また同行した1987年式AX-1との比較もしてみます。
星取り表まとめ
CRF250 RALLY
燃費性能 ★★★★☆
航続距離 ★★★★★
パワー感 ★★★☆☆
快適性能 ★★★★☆
デザイン ★★☆☆☆
個人的好み ★★★☆☆
AX-1
燃費性能 ★★★☆☆
航続距離 ★★★☆☆
パワー感 ★★★★☆
快適性能 ★★★☆☆
デザイン ★★★★★
個人的好み ★★★★★
星とり表にすると以上のようなかんじでした。詳細は以下にて。
走行650kmの新車 CRF250 RALLY
レンタルバイク 819 新千歳空港店は普通のレンタカーと同じく、空港から無料送迎バスで営業所へと移動します。予約しないとハイシーズンでは待たされてしまうということで、バイクの予約と同時にバスも予約することをオススメされていました。
持ってきたキャンピングバッグを装着。
荷物固定の擦り傷も弁償対象、ダート走行もオススメされておらず激しい傷は弁償対象とのことで保護テープで念入りに保護。結局ダートはほぼ走らずに済んだので大丈夫でしたが。
オプションでスマホホルダーと12V・5VUSB電源もセット。これで快適ナビゲーションです。
平均燃費は37.4km/L
982km走行してトータル26.26L給油、区間最高燃費は46.4km/L、最低燃費は32.9km/L、平均燃費は37.4km/Lでした。同じくAX-1は32.64L給油、30.1km/L。タンク容量は12Lあるので理論上448.7km走行可能な計算で、実質400km走行しても問題ないでしょう。この燃費と航続距離は魅力のひとつ。
高速巡航が楽なギア比
前評判では1-5速がクロス、6速が高速巡航用ということでギア比が離れているのかと心配していましたが、前知識がなければ気づかないレベル。今回の走行はほとんど5-6速しか使わなかったのですが、違和感なく使えました。80km/h台でも6速が使えるほどトルクはあるのでほとんどギアチェンジしなくて済みます。坂道ではさすがに力不足になるので5速に落としますが、ギア比が離れすぎていて回転数が高すぎるということもありませんでした。
快適なエンジン
ギア比とも関連しますが、エンジンはアイドリングでは歯切れのいいパパパッという威勢のいい排気音がしますが、実際走り出すと全体的に静か、また振動も少なく高速巡航でも疲労感はほとんどありません。低速回転でも粘り、2000回転台でも比較的スムース。街中の低速走行でもラクにこなせます。トルクはフラットで8000回転超えまで試しましたがスムースにふけあがります。最大馬力は9000回転なので、8500回転のAX-1と比べてもさらに高回転型。レブインジケーターもついており、点滅するので余り回しませんでした。
一方のAX-1は高回転で伸び、パワーも29psとCRF250 Rallyの24psと比べてパワフルな気持ちのいいエンジンですが、低速は大の苦手。特に3000回転を切ると振動が大きく、ノッキングも出てくるので街中やダートでの低速走行はかなりクラッチワークに気を使います。
クラッチといえばCRF250 Rallyは軽く、指先でチェンジするのもラクラクです。
快適クルージングが可能な大型バイザーとカウル
大きく立っているバイザーは効果的に空気を整流し、身体にあたる風を低減しています。上方は身体だけでなくヘルメットの半分まで風を遮るし、ハンドガードも手にあたる風を減らします。
今回雨中走行があったのですが大型バイザーとカウル、ハンドガードはここでも役立ち、レインジャケットと合わせて快適な雨中クルージングができました。
高速道路での100km/hクルーズも楽々で、全体的に快適なクルージングが可能なツアラーといってもいいでしょう。
ハンドリング・乗り心地
ハンドリングの方ですが、キャンプバッグを積んだために重心が高く、その上でのインプレッションとなります。やはりこの状態では左右にフラフラしやすく、リーンが大き目になってしまうのと戻るのが遅いのでそれを考えながら走らないといけません。とはいえ実際にはこの状態で走る機会は多く、AX-1も同じような状態なので特に大きな違いはないという状況です。
違うのはやはりタイヤによるもので、ブロックがあるトレールタイヤはオンロードよりのAX-1とくらべてリーンしていったときのヨレが大きく、その分フラフラ度が大きく感じるようでコーナリング中に安定させるのは気を使います。また縦方向のグリップ力も少ないのでフルブレーキング時には多少減速Gが弱い印象です。ただどちらも微妙な差異なので特に問題になるようなレベルではありません。
サスペンションはしなやか、との前評判でしたが、実際にそんな印象です。ストローク自体はAX-1のふにゃふにゃサスと比べて少ないですが、フリクションが少なくスムースに動く印象です。乗り心地はとてもよく、どんな路面、雨でも安心感をもって走ることができました。そういう意味でもツアラー的であります。
左右非対称デザイン
オンからオフ、高速巡航までオールマイティで快適性の高いツアラーといってもいいCRF250 RALLY。ある意味私の大好きなAX-1の後継といってもいい完成度の高い車種で乗り味はとても気に入りました。特にAX-1で不満に思っていたタンク容量不足が解消されている点や、エアロバイザーの装着はAX-1、もといNX250JがモチーフとしたNXR750の再現といってもいいでしょう。
Honda | ダイナミックなスタイルの大型ツーリングバイク「ホンダアフリカツイン」を発売
CRF1100L アフリカツインはこのNXRのラインでデザインも踏襲、丸目ではありませんが左右対称の2灯ヘッドランプ。このデザインがとても好きなのですが、CRF250 RALLYは左右非対称の2灯。
CRF450 RALLY | ダカールラリー 2020 | Honda
このCRFは過去のパリダカマシンではなく、現在のダカールマシンCRF450 RALLYをモチーフとしているそうです。
ただ、くちばしと大きさの違う目からはクエックエクエ、チョコボールでおなじみのキョロちゃんか、ラピュタのロボット兵しか想起できません。個人的にはアフリカツインと同じデザインテイストにしてほしかったというのが本音。
マシンとしては本当によくバランスがとれており、場所を選ばす活躍できる250ccという印象です。重さもあまり感じませんし、むしろ大きなボリュームのタンクやシュラウドは250ccとは思えないほどの風格を持っています。
長距離ツーリングからオフロードまで、走る場所を選ばないCRF250 RALLYは前評判通りの素晴らしいマシンでした。
公式サイト）CRF250 RALLY｜Honda
