初心者にもわかる、バッテリーと充電器の関係
2012.04.17 寄稿者: のま (元記事)今回はバッテリー(充電池)と充電器(チャージャー)のお話。RC(ラジコン)に限らず、ミニ四駆なども概念は一緒です。
バッテリーには容量があります。
単位は「ミリアンペア・アワー」と呼びます。
1000mA(ミリアンペア)=1A(アンペア)
実は電気の世界は液体と概念が似ています。電気の流れと書いて「電流」と呼び、単位はA(アンペア)や1/1000の mA(ミリアンぺア)を使いますが、これは液体の単位、L(リットル)に置き換えると分かりやすいです。
1500mL = 1.5L
充電するのは蛇口から水を注ぐのと同じで、ちょろちょろ入れると時間がかかるし、ドバーっといれると短い時間で充電できます。
たとえば蛇口が 500mAで1時間(1h)充電すると、500mAh充電したことになります。
500mA x 1h = 500mAh
ですので1500mAhのバッテリーを500mAで充電するとすると、
1500mAh / 500mA = 3h
と3時間かかることになります。
蛇口を太くすれば(例:3000mA)、充電時間が短くなります。
1500mAh / 3000mA = 0.5h
3000mA(=3A)なら30分で1500mAhのバッテリーが充電完了、となります。
じゃあもっと太くすればもっともっと早くなる! と思いきやさにあらず。
蛇口の太さは上限があり、バッテリーの性能や特性できまります。
この目安の指標が、1C, 2C, 3Cといった単位。Cはキャパシティで、1500mAhのバッテリーであれば1Cは1500mA、2Cは3000mA、3Cは4500mAとなります。このCの適正値は素材によって異なり
・NiCd(ニッカド)バッテリー、NiMH(ニッケル水素)バッテリーの場合は1〜3C、
・LiFe(リチウムフェライト)バッテリーの場合は1〜4Cまで対応、
という話です。しかしあまりに高い電流を使い続けると寿命が短くなるなど不都合があるので、初心者は1Cを目安にするのがよさそうです。
【バッテリーの種類、材質】
同じタミヤ製のバッテリーですが、3700HVがNiMH(ニッケル水素)、他はNiCd(ニッカド)バッテリーです。容量はそれぞれ、
3700mAh
2400mAh
1600mAh
1300mAh
です。
【タミヤプロポセット付属充電器&バッテリー】
【Amazon】 タミヤRCシステムシリーズ No.53 ファインスペック 2.4G 電動RCドライブセット 45053
タミヤの標準的な組み合わせ、充電器はACアダプタタイプで、360mAの電流を流します。
つまり、満充電するためには
1300mAh / 360mA = 3.6h
約3時間36分かかるということです。子供のころ8時間かかっていたことを考えれば、その半分以下なのですから、相当なものです。とはいえ、気が短い私たちはそんなに待てません。
【充電器の種類】
同じくACアダプタタイプの充電器ですが、電流値はさまざま。
DC7.7V 1.5A
DC7.2V 1.5A
DC7.2V/8.4V 2.8A
電圧値は様々ですが、ポイントは電流値。1.5Aであれば、
1300mA / 1.5A(1500mA) = 0.86h(52分)
とついに1時間を切りました。2.8Aともなれば、
1300mA / 2.8A(2800mA) = 0.46h(28分)
と30分を切ります。これは相当に速いです。
【電流値可変タイプ】
ACアダプタタイプは使うのがとてもカンタンですが、電流値は固定。つまり充電するバッテリーの容量が1300mAhであろうと、3700mAhであろうと同じなので、容量が大きくなると当然充電時間も長くなってしまいます。
そこで電流値をツマミで変えられるタイプがあります。
つまみで0.5Aから5.0Aまで変更可能です。ただし電源容量の関係から、AC電源の場合は3.5Aまで。
こちらは0.2Aから5.0Aまで変更可能、LCDを使い電圧が正確に表示されます。また「MAH」(mAh)のダイアルでは時間から充電した容量を数値として表示することも可能。現在56mAhはいっています。
こういった電流可変タイプは、例えば1300mAhでは1.3Aで、3700mAhでは3.7Aとバッテリーに合わせて充電電流を変更することができます。この場合、どちらも1時間で充電完了です。
【放電について】
バッテリーは使った後、すぐに充電しているとだんだんと充電できる容量が減ってきます。これを「メモリー効果」と呼びます。これを防ぐにはバッテリーを完全につかい切ること。しかしラジコンのモーターが動かないくらいではそこそこバッテリー内に残っていて、全部絞りだせていません。そこで放電するための「ディスチャージャー」を使うといいです。
ディスチャージャーの使い方はカンタン、電池につないでしばらく放置するだけ。
LEDがついているものは、LEDが消灯すればだいたいOKです。
構造はカンタンなものが多く、セメント抵抗のみ(+LED)というものも。こういうタイプだと放電しすぎてしまうこともあるので、必ず外すことが肝心です。そのままにしておくと電池が使えなくなることもあり、そういうのを揶揄して「デスチャージャー(死を招くディスチャージャー)」という呼び方も。
【放電して充電するタイプ】
しかしいちいち電池を気にしていられない、という向きには放電機能がついた充電器を使うと便利です。放電が終了すると自動的に充電を開始してくれます。
1.23Aで放電中。放電が終わるとしばらくトリクル充電(低電流での充電)後、急速充電をしてくれます。これは便利ですね。
ということで、ポイントは
・バッテリーの容量はさまざま
・電流値で充電時間が決まる
・放電をたまにする
となります。大きな容量のものがイイ、と思いがちですけど充電時間も伸びてしまうので、うまく小容量のバッテリーと取り混ぜて使うといいですよ。特にせっかちな子供がいる場合は、小容量のバッテリーを本数多くもっている方がなにかと使い回しがきいていいこともあります。
ご参考にどうぞ。