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連邦の白い悪魔・ガンダムなのか! 日産GT-R 2012年モデルまとめ、そして2013年モデルへ

2012.11.18

ワンドラでは550馬力の超ハイパワー、0-100km/hが3秒以下という超っぱやのGT-R 2012年モデルの試乗レポートを連載していましたが、ここでひとつ改めてまとめてみたいと思います。

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【GT-R 2012年モデル試乗レポート】

試乗ドライブtweetまとめ:日産GT-R 2012年モデル試乗レポート(1) 【ワンダードライビング】

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ドレスではなくモビルスーツ、エクステリア編:日産GT-R 2012年モデル試乗レポート(6)【ワンダードライビング】

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GT-Rとはレジェンド:日産GT-R 2012年モデル試乗レポート(8)【ワンダードライビング】

GT-Rってなに?

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日産が世界のスーパーカーを相手に互角、いやそれ以上に戦える世界トップレベルのパフォーマンスを引き出したスーパーカーの中のスーパーカー。2007年東京モーターショーでのアンベール時は日産ブースからメディアがはみでたほど世界の注目を集めたクルマです。

東京モーターショー2007: 新型GT-R・NISSAN GT-R登場 ([の] のまのしわざ)

そんなGT-Rもデビューから約5年がたち、当初480馬力からスタートしたパワーも現行2012年モデルでは550馬力に到達。円熟の域に達した2012年モデルGT-R Black editionに今回試乗しました。

デザイン

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どこからみても他の誰にも似ていない、ガツンとくるデザイン。テールはスカイライン系列の特徴である2連丸型テールライトを採用。

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フロントは冷却性能を意識し、大きな開口部を備えた合理的な設計。フロントフェンダーからサイドのエアアウトレットへの曲線、キャビン後ろ側のピラーにある折り目など、まさに日産GT-Rにしかない、オリジナリティの塊です。

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世の中的には「ガンダムっぽい」と揶揄され、実際に日産も日本発のオリジナルデザインを意識して流麗な美しい曲線を使ったヨーロッパのスポーツカーの文法にのらず、あえて直線基調の「ガンダム・デザイン」としています。その結果機械としての存在感、男性的な肉体美を表現することに成功してます。ガンダム世代の我々には受け入れやすいですね。

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日本では従来の女性的なスポーツカー・デザインとはまったく異なるので拒否反応を示す人も多いようですが、日本発のアニメが世界で受け入れられたのと同様、海外では「オー、ジャパニーズアニメ的デザイーン!」と好意的に受け入れられているそうです。

パフォーマンス

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日産はいつでもどこでも誰でも、ハイパフォーマンスを引き出せる「新次元マルチパフォーマンス・スーパーカー」としてGT-Rを開発しました。エンジンが550馬力であるとか、路面やコーナリング状態に最適化して四輪の駆動力を配分するアテーサE-TSとか、6速デュアルクラッチトランスミッション採用とか色々技術があるのですが、なにがスゴいってオートマ限定免許でものれるという点。今までスポーツカーといえばマニュアル、という図式でしたけどマニュアルの設定はナシ

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一度シフトをDレンジに入れたら、あとはもうそのへんのオートマと同じで、勝手にシフトしてくれるのですから楽チンなことこの上ありません。

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オレはもっとマニュアルシフトを楽しみたいぜ!」という向きにはハンドルコラムに設置されたパドルを用意。パドルを一度操作するか、シフトを横に倒せばマニュアルモードに切り替わり、ギアを自分で選択することもできます。この場合でもオーバーレブやエンスト防止の保護機構は働くので安心。

初心者でもすぐにパッと乗り出せて、スポーツカー好きのベテランなら積極的に性能を引き出すことができる懐の深さがあります。この点もある意味、教育型コンピュータを搭載したガンダムと共通しますね。初めてガンダムに乗ったアムロでも歴戦の勇士と互角以上に戦えましたが、GT-Rも誰が乗っても世界のスーパーカーと互角以上に戦えるはずです。

実用性

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GT-Rは速さだけではありません。後部座席があるので4人が乗れ、なおかつトランクもきちんとあって荷物もきっちり積めます。さすがに後部座席が広々とはいきませんが、小さなお子さんから女性くらいであれば、それなりに収まりますよ。

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IKEAに買い物にいってもこの後部座席に荷物を積むことだってできます。写真のは60x120cmのテーブル板 2枚を入れたところ。狭っ苦しいスポーツカーではなかなか出来ない芸当です。

エコカーとの違い

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日本が誇るエコカー、ハイブリッドカーや電気自動車も日産GT-Rと同様ある意味技術の集大成。ただその方向性はまったく異なります。ガンダム世界で例えるなら、エコカーはモビルスーツというよりもドダイ、ガンペリーといった方向。少ないコストでいかに人や荷物を運べるかという実用性に重きがおかれ、モビルスーツの中でいえばボールといったところでしょうか。もちろん戦争はガンダム1機で戦うものではなくソロモン攻略戦で量産型ボールが重要なのと同様に、マーケットにおいてエコカーが重要なのも分かります。

でも男の子が憧れるのはやっぱりガンダムはもちろん、高機動型ザク、GMカスタムとかなわけです。買える買えない、乗れる乗れないはひとまずおいといて、人を惹きつけるオーラ、華があるのはやっぱりスポーツカーであり、高性能モビルスーツです。

GT-Rの良いところ

世界のスポーツカーと互角以上に戦えること。実際にどうかは、12台のスーパーカーを一堂に集めてゼロヨン競争をした豪華な動画でどうぞ。

フェラーリ458イタリアメルセデスベンツSLSを抑え、日産GT-Rが堂々の1位です。この翌年に再度行われたゼロヨン競争では最新のランボルギーニ・アヴェンタドール、マクラーレンMP4-12Cに僅差で敗れましたが、アヴェンタドールLP-700-4のパワーは700馬力、値段は4100万円とまさにスーパーカーの中のスーパーカー。GT-Rは1000万円以下なのですから、超お買い得、いやもはや安いといってもいいかも知れませんよ。


GT-Rの残念なところ

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これだけの性能、そして安さを誇りながら問題は日本の国土の狭さにあります。GT-Rの車幅は1895mmと5ナンバー枠の制限である1700mmと比較すると約20センチも幅広。そうなると環八の一番左側車線や甲州街道、さらには世田谷の路地裏などの狭いところは大の苦手。ホイールベースも長く、小回りがききません。自動車というよりも、トラックを運転しているかのように細心の注意を払う必要があります。

そして日本の法定速度がこれまた障害に。高速道路といってもたったの100km/h制限0-100km/h加速が3秒以下のGT-Rにとって100km/hはほんの3秒先の未来。300km/h以上出せる性能をもつGT-Rにとっては低速といってもいい100km/hでゆっくり走るのみです。

最新の高速道路、新東名高速道路の当初の設計速度は140km/h、その後120km/hとして建設し制限速度引き上げが期待されました。しかし制限速度を定める警察の反対があり、結局制限速度は100km/hのまま。最初に高速道路ができた1960年代から50年が経過してクルマも道路も性能、安全性が上がったにも関わらず制限速度だけが不変です。

そのためGT-Rといえど、公道で100km/h以上出すことは違法、そして普通の自動車と同じく速度リミッターが装着され180km/hで効くようになってます。

GT-Rの高性能はムダなの?

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さて諸外国に目を向けると速度無制限区間のあるドイツのアウトバーンはもちろん、軒並み120〜130km/h前後と高い水準。

日本の自動車マーケットは軽自動車が半数を占め、高速道路も100km/h制限なのだからGT-Rのような超高性能車は無用の長物といった論調もありますけど、軽自動車規格も制限速度もまさに「ガラパゴス」。グローバルワイドのマーケットで戦うためには、世界基準に目を向けなければなりません。

その点でいえば、世界の高性能車カテゴリで対等以上に渡り合う日産GT-Rは自動車界の日本代表選手。たとえ日本の国土が狭くて、その性能をもてあまし気味としても、いるんです! 550馬力のパワーが、トランスアクスルが、カーボンで作られたエアロパーツが。1番を狙わなきゃ1番になれないんです。

そんな心意気、世界と戦うんだという気持ちが技術、デザインに現れてます。ザクにコテンパンにやられたルウム戦役、巻き返すために立てられたV作戦と開発されたモビルスーツRX-78ガンダム。日産GT-Rは日産のV字回復の集大成であると同時に日本にとってのV作戦であり、世界のスポーツカーメーカーに「日産の白い悪魔」として認知され、恐れられる存在となったといっても過言ではありません。

スカイラインGT-Rはこれまでも歴史的存在でしたが、日産GT-Rは世界のスポーツカーの歴史にその名を刻むことは間違いありません。軽自動車、コンパクト、ハイブリッドカーに占められガラパゴス化した日本市場と距離をおき、世界を舞台に勝負する日産GT-R。そんな孤高の1台を同じ日本人として応援したい気持ちで一杯です。

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たまたまですが、私の大学時代の友人や、Car Watchで活躍中の西川善司さんも2012年モデルを購入しています。やっぱりガンダム世代としては、ボールはもういい! どうせ乗るならガンダムに乗りたい! という気分でしょうか。羨ましい〜

値段も875万円からで、おいそれと買えるシロモノではありませんが、ぜひとも一度体験して欲しい1台ですね。人生最後のガソリン車として選ぶのもアリですよ。

先日最新の2013年モデルが発表され、性能に質感が向上。その2013年モデルに試乗する幸運な機会に恵まれ、さらには車両開発主管の水野さんにインタビューすることができました。GT-Rの本質、日本の道路事情、さらには米文化について様々。2013年モデル試乗レポートは近日公開、乞うご期待!

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(GT-R車両開発主管:水野和敏氏)

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[GT-Rとカフェ:Air Vif cafe 915

日産:NISSAN GT-R西川善司の「NISSAN GT-R」ライフ


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野間恒毅

スーパーカーと美女が好き。 日々RR, FR, FFと駆動方式を選ばずドライビングスキルを磨き、ドライビングプレジャーを追い求めています。リターンライダーとして大型二輪免許取得、大型バイクに乗っています。ミニ四駆、ラジコン、ドローンなどホビーも幅広くカバーしボート。個人ブログはこちら(のまのしわざ


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