うわっ、コンソールのボタン多すぎ? メカ少年の心をくすぐるコックピット:日産GT-R 2012年モデル試乗レポート(4)
2012.11.02「普段使いできるスーパースポーツ:日産GT-R 2012年モデル試乗レポート(3)」のつづき。
今回はGT-Rの内側、コンソールを見ていきます。まずはワンドラ・ガールズが座っているシートから。
Black Editionのレカロシートは本革張り、赤のラインが入ってより高級かつスポーティなイメージを演出しています。
シートは電動調整、フロント側はリフト機構もあります。シートヒーター付き。
ハンドルにインパネはボタンだらけ。うわっ、GT-Rのボタンの多すぎ! という感じでこれでもかというくらいボタンにダイアルだらけです。
どうやら基本的に1ボタン1機能というようにアサインしているらしく、選択して決定、といったインターフェースはナビゲーションシステムの方でのみ使っています。それでもなぜかタッチパネルでダイレクト操作が可能だったりと、基本は1ボタン1機能。そのせいでボタンの数が多くなって見た目的にはゴチャゴチャした印象です。
しかし実際に使い込んでみるとこの機能のボタンはここにあるはず、と指が位置を覚えていくので、200km/h巡航で操作をするといった状況でも、目線を移動することなく操作をすることができるはずです。タンジブル (tangible、触ってわかる)・インターフェースの観点からはこの設計もありでしょう。
ごちゃごちゃしているのはインパネだけでなく、このマルチインフォメーションディスプレイも同様。松本零士ばりにメーターがたくさんあると偉い、といった雰囲気のこちらの画面では各オイル温度のメーターや圧力計6つが一堂に表示されています。プリセットは1からGまでと11の中から選択可能で、自由度が高いというかやり過ぎというか。この画面デザインはゲーム、グランツーリスモでお馴染みのポリフォニーデジタルがデザインしています。
ナビの下のパネル、上半分はオーディオ、下半分はエアコン。そしてその下には走行系の操作パネルが設置されています。
走行系は4WDのモード、サスペンションの固さ、そしてDSCのON/OFFボタン。どれも「R(レーシング)モード」というのがあり、よりサーキット走行に適したモードに切り替え可能です。すべてRモードにして、ある操作をするとローンチコントロールが作動、ゼロスタートでの発進加速がものすごいことになるそうです。公道上では試す場所がないので、今回は試していないのと、普通の加速で十分以上でした。
シフトレバーはシンプルがジグザグ式。Dモードから横に倒すとA(自動変速)からM(マニュアル変速)に切り替わります。バネで戻るトグル式なので、もう一度倒すとMからAに戻ります。
この切り替えはハンドルコラムについているシフトレバーでも可能で、一度触るとモードきりかえ、次からはシフトチェンジというようになっているので、シフトダウンしたい場合は2回レバーを引く必要があります。
色々試したのですが、結果的に普段はAモードで走行、シフトダウンが必要なときにシフトレバーを操作してMモードに切り替え、その後シフトレバーを横に倒してまたAモードに戻す、という使い方になりました。MモードからAモードに自動的に戻ることはないので確実なのですが、今どちらのモードになっているのかはメーター内のインジケーターと自動変速の有無で判断するしかなく、たまに忘れてMモードのまま高回転で走ってしまうことも。その場合はアクセルレスポンスもいいのですけど、燃費が気になりますね。
後部座席はシンプルそのもの。トランスアクスルの4WDでトルクチューブ、プロペラシャフトの2本のシャフトがセンタートンネルを通り、駆動が行って帰ってくる世にも珍しい方式のためセンタートンネルは大きめ。完全に左右シートは分割され、間にはBOSEのウーハースピーカーが埋め込まれています。
頭上もそうですが、ニークリアランスはミニマム。女性や子供であればそこそこ行けますが、170cm以上の男性だと長距離は厳しいでしょうね。それでもリアシートがあるというのは助かります。
ヘッドレストはありませんが、背もたれは長いので十分頭を預けることができそうです。リアの3点式シートベルトは通常とは逆、中央から外側に向かって装着します。
ELRにも対応、チャイルドシートの装着も可能です。
次回は内装の詳細を見ていきます。
(つづく)
[試乗車:GT-R Black Edition 2012 model、試乗車提供:日産自動車]