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硬質なスポーツセダン:スカイライン200GT-t 市街地試乗レポート

2014.08.05

BMW 320i Sport 6MTに引き続き試乗したのは、先日箱根試乗したばかりの新型スカイライン、直噴ダウンサイジングターボを搭載する 200GT-t 7速ATです。

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前置きとお断り

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駆け抜ける歓び。BMW 320i Sport 6MT 試乗レポート【ワンダードライビング】

今回珍しく2台を同時試乗することができましたが、ワンドラでは基本的に「比較」をしません。よく比較して「どっちがいい、悪い」とか「買うならこっち」みたいな誘導記事がありますが、こういうのは大抵の場合バイアスがかかっていると思うからです。

クルマも違えば、メーカーが違うので、それぞれコンセプトや方向性をもってクルマを作っているわけで、それを同じ軸で比較するのはそもそもナンセンスではなかろうかと。レーダーチャートとか点数とか最悪、「私が買うならこの一台」とかいっといて、買ったことあるんかい! とツッコミたくなるわけです。

金品の授受、便宜の供与も受けてないワンドラとしては、1ユーザーとして、消費者目線で淡々と「このクルマは何を目指して作られたのか」を推察していきたい、と考えています。

多少長い前置きとなりましたが、予めご了承下さい。

新型スカイライン200GT-tとは

まず新型スカイライン200GT-tの詳細は下記記事からどうぞ。

新型スカイライン200GT-t Type-SP 箱根試乗レポート【動画】 #NISSANJP【ワンダードライビング】

新型スカイライン・ターボ 200GT-t発表:プチ試乗動画レポート #NISSANJP【ワンダードライビング】

新型スカイライン・ターボ 200GT-t発表:2リッターターボエンジン詳細 #NISSANJP【ワンダードライビング】

新型スカイライン・ターボ 200GT-t発表:長谷川車両開発主管直撃インタビュー #NISSANJP【ワンダードライビング】

新型スカイラインはパワフルなハイブリッドモデル 350GT HYBRIDも用意されています。外見上の違いはほとんどありません。

新型スカイライン 350GT HYBRID Type SP 試乗レポート(1):快適さと安全と心強さと【ワンダードライビング】


市街地試乗

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今回はまったくのまったいら、直線と交差点でのみ構成されたまさに人工都市の市街地での試乗です。ワインディングで好印象だったスカイライン200GT-tですが、市街地でも同様。

通常の走行でも適切なシフトを選択、アクセル開度と合わせてドライバーの意思どおりの加速をしてくれます。平坦路であればどんなエンジン、ミッションでも現代のクルマはそこそこ走るわけですが、ワインディングでしっかりと加速したエンジンとミッションの組み合わせであれば、まさに水を得た魚のよう。

車両重量は1680kgあるにもかかわらず、スポーツセダンに相応しいキビキビとした加速感を味わえます。クリス・ハリス的にいえば、「ア、ジャイル! ア、ジャイル!」、インフィニティ・パーマー副社長的にいえば、これが「スウェル」でしょうか。

新型スカイライン・ターボ 200GT-t発表:パーマー副社長直撃インタビュー #NISSANJP【ワンダードライビング】

ブレーキは市街地でもコントロール性の高い「じじいブレーキ」、安心と信頼感のあるものでした。

静粛性と乗り心地

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走りがスウェル(胸のすくような)のと引き換えに気になるのがまずそのエンジン音。最近流行りの「聞かせる」エンジン音機能を装備しているので、アクセルオンと同時にブロロロローというターボエンジンの音が車室内にも轟きます。

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(245/40RF19 DUNLOP SP SPORT MAXX)

また装着しているタイヤが Type SPの場合19インチのランフラットタイヤ、245とかなり太い上にゴムが少ないタイプ。

このタイヤ・ホイールの組み合わせで乗り心地はかなり硬質。簡単にいうと路面の凸凹を「コツコツ」と拾います。だからといってそれがピッチングになるほど足が堅いわけではありませんが、日本車っぽくない、乗り味になっています。

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こういった傾向を総合すると、後席に乗る人にというよりも、ドライバーズシートに座る人向けのセッティングであることが分かります。

スポーツセダンとしてのスカイライン

古来スカイラインとは、ドライバーズカーです。その歴史の中で連綿と受け継がれているのはスポーツ性であり、それを支える性能、最新技術でした。極端なことをいえば、後席なんて二の次なんです。

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私たちが大好きなR32スカイライン。これはライバル車マークIIと「比較」され、当時散々に言われました。

「後席が狭い。足元も、ヘッドルームもミニマム」

「トランクが狭く、ビールケースが入らない」

その結果次のモデル、R33ではどうなったか。

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3ナンバーボディとなりホイールベースが伸ばされ、後席の居住性が向上しました。しかし大きく重くなったボディはスポーツ性は不利で、俊敏さを失ったのです。そしてなにより、顧客の言うことを聞く、マーケットニーズにこたえたはずなのに逆に人気が低下してしまい、結果販売も低迷するということに。これは何を意味するのかというと。

マーケティングの敗北

です。

このエピソードは私がソニー時代に受けた係長代理試験の論文問題に出題されたほどで、プロダクトアウトとマーケットインの違いを如実に表しています。

今回の新型スカイラインも散々色々なことを言われていますが、これもR32時代の批評を思い出すと明白で、買わない人のいうことなんて真に受けちゃいけないんですよね、評論家を含めて。じゃあ自分はどうなんだというと、だから批評をしないんです。

世界のプレミアムセダン

新型スカイラインは北米インフィニティQ50です。北米市場というのはとてもドライで、性能と価格だけで勝負が決まります。[「安くて高性能、良いじゃない」と評価されます。ブランド力というのは実は2の次というのが、アメリカの自由主義経済なのです。

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世界のプレミアムセダンに真っ向勝負するインフィニティQ50が、硬質でドライバーズカーであるのは当然のことで、「安くて高性能、良いじゃない」を目指すとヨーロッパのプレミアムセダンよりも高性能である必要があるからです。

面白いと思うのは今回スカイラインは2グレード展開、ハイブリッドモデルの350GT HYBRIDとこの直噴ダウンサイジングターボ 200GT-tの2つだけ。どちらもGTグレードで2リッターは廉価版という位置づけではない点。

どちらにも Type SPが用意され、超扁平ランフラットタイヤが装着できるし、外見上の差もまったくありません。

プレミアムセダンのイメージ

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ヨーロッパのプレミアムスポーツセダンというのは実はなかなか体験しません。超高速でまっすぐ走るとか、ブレーキがしっかりしている、ハンドリングがよい、運転していて楽しい、足が堅いなどなど、イメージ先行です。そのイメージに沿っているのが実はこのスカイラインなのではないかと。

ロールさせないガチガチの足、というのはすでに一昔前のセッティングで、タイヤにしてもこれだけ扁平がきつくなるとゴムの部分が少なくなりネガティブな部分がでがち。なのでむしろ最近はロールを活かす、しなやかさが求められている傾向です。

その点で考えると、もしかしたらこのスカイラインのセッティングは我々のプレミアムセダンのイメージに合わせたもので、最新のトレンドではないのかも知れません。

ここまでくるとラーメンの麺の堅さと同じで、「バリカタ」「ハリガネ」が好きな人はやっぱり硬質なものを好むという程度で、ラーメン自体の善し悪しが麺の堅さで決定づけられるものでもないでしょうと。あくまでも味付けであり、多少気になる乗り心地の「コツコツ感」も19インチのランフラットタイヤに由来するものであれば、Type SPではない通常モデルにすれば17インチタイヤ、225/55RF17になり、緩和されると思われます。

選べる嬉しさ

最近海外にいって思うのは、日本は本当に自動車について良い環境だな、シアワセな国だなあということ。ガソリンが高い、税金が高い、渋滞している、と色々言われていますが、現実アジア諸国で国内産業を保護するために日本車を含む輸入車に関税100%から400%、つまりは2倍から5倍の値段になることを考えるとなんというリーズナブルな価格なんだと。しかもフェラーリがローンで買えたりもします。

新型スカイラインもインフィニティQ50だから半分輸入車みたいなものですから、数あるプレミアムセダンの中から好みの味を選べるという点で、日本はシアワセだなあと思うわけです。

ただ性能が高すぎて、それを発揮できる場所がないのが唯一の問題。

それでも市街地を走るだけでも十分質感の高さ、性能の高さは伝わってきますから、それはそれでいいのではないでしょうか。たまのロングドライブで、疲労度の少ない高速移動と爽快にワインディングを駆け抜ける非日常体験ができるスポーツセダンとして楽しめます。


この記事を書いたライター

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のりものブロガー

野間恒毅

スーパーカーと美女が好き。 日々RR, FR, FFと駆動方式を選ばずドライビングスキルを磨き、ドライビングプレジャーを追い求めています。リターンライダーとして大型二輪免許取得、大型バイクに乗っています。ミニ四駆、ラジコン、ドローンなどホビーも幅広くカバーしボート。個人ブログはこちら(のまのしわざ


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