新型スカイライン・ターボ 200GT-t発表:長谷川車両開発主管直撃インタビュー #NISSANJP
2014.05.26スカイライン・ハイブリッド試乗会でもインタビューさせていただいた長谷川チーフ・ビークル・エンジニアにお話を伺いました。
新型スカイライン 350GT HYBRID Type SP 試乗レポート(4):開発者インタビュー(動画)【ワンダードライビング】
Q: 今回ダイムラー製のエンジンを載せることに対して、エンジニアとして抵抗、例えば自分たちでもっといいものが作れる、といったような議論はあったのでしょうか。
A: コストとスケジュールを考えたときに、ダイムラーのエンジンを持ってくるのは非常に合理的。特に抵抗はなかった。(社内)エンジニアは主にハイブリッド車や先端技術開発にリソースをさいている。
Q: ダイムラー製エンジンを載せるのはどうだったのでしょうか
A: 結構大変でしたよ。エンジンを「心臓」とすると、心臓移植手術のようなもので、血管や神経をつながなければならないけど、同じこと。これまでルノーエンジンを載せるなどやってきて経験はあったものの、今回も色々大変であった。
例えばセンサーや制御に関して、VDCからナビに至るまで、いまやエンジンは常に車両と通信している。その情報のやりとりについて、考え方や方法の違いがあって、それを理解して対応するのが一番大変であった。ただドイツ人は非常に理論的で、よくコミュニケーションすることで相互理解が深まり、最終的にはうまくいったと思う。
Q: アンディ・パーマー副社長にエンジンはチューニングして「スウェル(Swell)」にしたと聞いたのですが、具体的にはどういうものでしょうか。
A: (文脈は分かりませんが)より俊敏に、という意味合いだと思う。今回のスカイラインはエンジンのチューニングだけではなく、ステアリングも操作に対してより反応が早くなるようにしているので、そういったことをトータルで考えてスカイラインらしさを追求した。
Q: 体積、重量的にはハイブリッドモデルよりも小さく、軽いのですが、走りはどう変化したでしょうか。
A: 総合的に100kgくらい軽量で、しかもフロント(エンジン)もリア(バッテリー)も軽くなっているので重量配分的には50:50に近く、慣性マスが中央によったことや、もともとのシャーシの性能が高いことから車両のバランスが非常によい。ハイブリッドモデルはかなり車両制御技術(VDC)、先進技術によるところが大きいが、このダウンサイジングターボモデルはよりコンベンショナルな車両となっている。
ハイブリッドモデルがお値段が高く、ちょっと縁遠くなったかな、という感じでしたが、今回の2リッターターボ・モデルは400万円以下、価格的にも身近、愛称も「スカイライン・ターボ」ということで、古くからのファンの郷愁を呼び起こさせるもので、かなり嬉しいです。