#名車シティ再生 (27) リアドラムブレーキシュー、シリンダー交換
2016.04.20前回のブレーキOH時にリアブレーキシューの減りを発見、そしてブレーキシリンダーの固定ボルトを破損してしまい交換部品を用意していたので、今回はブレーキシュー交換と、(左)ブレーキシリンダーの交換を行いました。
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ドラムブレーキの構造と主要部品名称
5. ブレーキシューリターンスプリング
6. ブレーキスプリング
13. アジャスタープラグ
16. パーキングブレーキレバー
17. コネクティングロッド A
18. アジャスターボルト
19. コネクティングロッド B
30. シュークランプスプリング
22.28. アジャスタースプリング
リアドラムブレーキシューの取り外し
シュー固定用バネ(シュークランプスプリング)を左右取り外し、試行錯誤します。スプリングがたくさん使われているのですが、どれもこれも硬い・・・特にこれ。
このブレーキスプリングがはずれません。
最終的に細めのマイナスドライバを使い、アジャスタ(横に通っているコネクティングロッド)の端を支点にしてひっかけると外れました。
裏側からサイドブレーキワイヤーがついているパーキングブレーキレバーのCリングを外し、レバーからシューを取り外します。
外れた状態。左側のレバーがサイドブレーキ用。ワイヤーは今回外していません。
新品ブレーキシュー
今回使用したブレーキシューは BRIG 5521-M[R/S] REAR SHOE Medium です。
摩擦材の残量を比較すれば摩耗は一目瞭然です。
新品の取り付け
サイドブレーキ用レバーにシューをひとつ取り付けます。
コネクティングロッドを入れて、あとからブレーキスプリングを入れるのは至難の業。そこでブレーキスプリングを先に取り付けてから、コネクティングロッドをセットして挟むように入れると入れやすいです。実際そうなるように穴が切ってありました。
この写真では縮めていませんが、コネクティングロッドはアジャスターボルトで一番短くしておくとやりやすいです。
ブレーキシューリターン(下側)取り付け、アジャスターレバーにアジャスタースプリングを取り付けてから、シュークランプスプリング(U字クリップみたいなもの)を取り付けて固定。
とりあえずこれで完成ですが、ドラムブレーキはここから調整作業が必要です。
というのも、この状態では見事にドラムが入りません、そうコネクティングロッドのアジャスターを縮めてなかったからです。
ブレーキ調整
コネクティングロッドはつっかえ棒みたいなもので、シューの広さを決めます。シューの摩擦材が厚くなった分、縮めないといけないわけです。
まずは一番短くしてセットします。その状態であれば必ずドラムが入ります。
ところがこれだとクリアランスが大き過ぎることがあるので、アジャスターボルトを回し、ギリギリひきずらない程度のクリアランスになるよう、広げます。
サービスホール(アジャスタープラグ)が裏についているので、それをあけてやる方法もありますが、家でジャッキアップしてやる場合はできないので、
・ドラムをはめて、回転をみる
・アジャスターボルトを回す(3回くらいづつ)
・ドラムをはめて、回転をみる
・アジャスターボルトを回す(3回くらいづつ)
・ドラムをはめて、回転をみる>引きずる、回転が渋い
・アジャスターボルトを戻す(2回くらいづつ)
ということを繰り返して最終調整します。地道です。
最後にブレーキシューの表面の油分を落とすべく、ブレーキクリーナーを吹いてドラムをセット、タイヤを取り付けます。
ブレーキシリンダーの交換
お次は左側、こちらは前回問題となったブレーキシリンダー固定ボルトの折損があるため、事前に用意した新品のブレーキシリンダーと交換する作業も含みます。
ブレーキシリンダー交換
まずは右側同様、ブレーキシューを分解、取り外しました。
気になっていたダストカバーをチェック。案の定eBay.comで購入した新品シリンダー付属のものは広がっていたので、OHで利用したダストカバーを再利用することにします。
(左:OHキットの再利用、右:劣化して広がったダストカバー)
今回のシリンダー交換、一人で行うために、手早い作業が必要です。
・固定ボルト2本を緩める
・ブレーキラインをフレアナットレンチで緩める(まだ外さない)
・固定ボルト2本を外す
・ブレーキラインを外す
・すぐさま新品シリンダーを取り付ける
・ブレーキラインを取り付ける(本締めはあと)
・固定ボルト2本で固定
・ブレーキラインを本締めする
こうすればオイル漏れも最小限でおさまるはず。よーい、どん!
手早い作業で交換完了です。
油断大敵
オイル漏れも最小限、新品ブレーキシリンダーにして安心してしまったのでしょう。この次の作業としてなぜかブレーキオイルのエア抜きをはじめました。
ブレーキペダルを踏んでもらってもブリーダーボルトからブレーキオイルが出てきません。あれ?と思ったら・・・
スポーン!
勢いよくブレーキピストンが出てきました。
よく考えると当たり前、手順を完全に間違えてしまいました。エア抜きはブレーキシューを取り付け、ドラムをかぶせた状態で行わなけなければなりません。
幸い完全にピストンが抜けなかったのでギリギリ手で押さえ、ブレーキダストカバーを取り付けてリカバリー。
もれたブレーキオイルはブレーキクリーナーで洗い流しました。
ブレーキシューの取り付け&エア抜き
もともとブレーキシリンダーOHのときにピストンは抜けるものなので気にせず改めてピストンを中に入れ、ダストカバーを取り付け。
ブレーキシューを組み立てて取り付けます。
今回は右側で学習し、まずブレーキスプリングをひっかけ、つっかえ棒となるコネクティングロッドを一番短くしてから取り付けたので、簡単に入りました。この状態でパーキングブレーキレバーを取り付け、ブレーキーシューリターンスプリングをひっかけて押し込むように取り付ければ大体完了。最後にブレーキシューの固定用 シュークランプスプリングをつければ終了。
ドラムをかぶせて、軽くホイールナットで固定。この状態でエア抜きをしました。
エア抜きの手順は、2名でやる場合、以下のとおり。
・ブレーキペダルを何回か踏む(オイルを送る)
・ブレーキペダルを踏み続ける(ここで掛け声「はい!」)
・ブリーダーボルトを緩める(オイル、またはエアが抜ける)
・ブリーダーボルトを締める(ここで掛け声「はい!」)
・以下繰り返し(途中でリザーバタンクをチェックして、オイル補充)
何回かやってエアが出なくなったら完了。
最後にブリーダーボルトにキャップをかぶせて作業終了です。
ブレーキのクリアランス調整
右側と同様、アジャスターボルトを手動で調整し、ドラムが引きずらない程度までつめる(長く)していきます。引きずったら数ノッチ戻します。これでドラムがスムースに回るようであれば完了。
ブレーキシュー交換後のサイドブレーキ調整
ブレーキシューを交換するとライニングの厚みが相当変わりますので、サイドブレーキの調整が必要になりそうなものですが、実際には不要です。
というのも引きしろを自動調整する機構、アジャスターがついているため。これがサイドブレーキをひいてサイドブレーキワイヤーが引っ張られ、この時引きしろが大きいと自動的にカチカチとアジャスターボルトを回してコネクティングロッドを長くする、そうです。
なぜ伝聞かというと、あまり仕組みをよく理解していないから。とにかくサイドブレーキワイヤー(運転席側)は調整する必要はなく、この自動調整を使っていきます。
ブレーキフィールは?
これでブレーキ関係の交換、OHはすべて完了。
ブレーキパッドが強化されたのでブレーキフィール、タッチも変わるかと思いきやほとんど変わらず。相変わらずストロークは大きく、踏み応えは曖昧で、なんとも微妙です。
とはいえタイヤ交換とあいまって制動力はアップ、きっとフルブレーキしたらちゃんと効くとおもいます、いや思いたい!
参考リンク
パーキングブレーキ構造、ドラムインディスクブレーキ (pdfファイル)
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