ヤマハ発動機本社潜入! 【1】 KT100カート用2ストエンジン分解組立体験
2015.10.22いつもブロガーとしてお世話になっているヤマハ発動機さん。昨年くらいからずっと「工場みたい、工場みたい!」と叫んでいたところ、ついに実現。本社工場の二輪生産ラインを見学できることになったので、そのレポートです。
エンジン分解組立体験
工場見学をする前に、まずは自分自身でエンジンの分解組立を体験させてもらえるとのこと。これは普段、親子で行う体験コースで工具の使い方からエンジンの構造まで総合的に理解できる人気イベント。これを今回ブロガー2名一組でやることになりました。
エンジンはカートでお馴染み、KT100。100cc、2ストロークエンジンです。2ストロークエンジンは構造がシンプル、パーツ数も少ないのでこの講座にはピッタリ。
2ストロークエンジン KT100の構造
4ストエンジンはバルブ回りが複雑なので、いまも新興国では2ストエンジンが人気。しかし日本では排気ガス規制、環境対策で2ストエンジンは50ccの原付用も含めてほとんどなくなってしまったという背景もあります。
カートはクローズドコース用のため、法規制の制限はなく今もシンプル、値段が安い、2ストエンジンは人気。設計は昔のまま、現在もほぼ同じものが販売されているロングラン製品です。
シリンダーには穴(ポート)が2つあいており、それぞれ吸気と排気用。
キャブレーターで気化したガソリンを空気とまぜてシリンダー内に送り込むと同時にピストンが上がって圧縮。
イグニッションコイルで発電した電気をつかいスパークプラグで点火。爆発。
爆発力でピストンは押し下げられ、排気ポートから排気ガスがマフラーへと出ていくという仕組み・・・です。工程でいえば
1)圧縮爆発工程
2)吸気排気工程
の2工程、1回転で1回の爆発です。
4ストロークはバルブを使ってポートを開け閉めすることでそれぞれを分離。
1)吸気工程
2)圧縮工程
3)爆発工程
4)排気工程
と4工程、2回転で1回の爆発としたものです。
排気と吸気が混ざることがなく、より理想的にガソリンが燃えるため、排気がクリーンかつ効率面で上です。
潤滑の面でいえば、2ストロークは構造上吸気側から回転するクランクを通るため、予め燃料にオイルを混ぜておきます。これが混合燃料にしなければならない由縁。
オイルも一緒に燃やしてしまいますが、これで真っ白い煙を吹く、燃え切らなかったオイルが黒い粒となって後ろの車両に降り注ぐ、とツーリングの時に先行されると嫌われる理由。乗っている人は気持ちいいのですが、肩身は狭いですね。
分解・組立タイムラプス動画
分解、組立は動画でどうぞ。
無事組み上がりました。部品点数も少なく、これならば自分でもOHできるかも? いやいや、実際には圧入しているベアリングを交換、シリンダーをボーリングするなど工具が必要になるのでそれを揃えないとなかなか。でも中身を洗浄して組み上げるだけなできそうな気がします。
今度、カートを作ってみる
とはいえ、せっかくKT100エンジンの分解、組立方法を覚えたので実際のカートでやってみようと思います。え、マジで!?
マジです。
乞うご期待。
(つづく)
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