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ヤマハFZ250 PHAZER(フェーザー)1985年式 レストア記

ヤマハ発動機本社潜入! 【2】 二輪車工場見学

2015.10.23

昼食をはさみ、午後はヤマハ発動機本社の二輪車生産ラインを見学です。

ヤマハ発動機本社潜入! 【1】 KT100カート用2ストエンジン分解組立体験【ワンダードライビング】

潜入とはいえ、写真撮影は禁止。ということで、オフィシャル写真を使いながらご紹介。

(以下、写真はすべてヤマハ発動機広報提供によるもの)

グローバルに展開する二輪車

二輪車市場は世界的。ここ磐田の本社で生産される二輪車もそのほとんどは輸出向けとのこと。今回目にふれたバイクは SR400、TMAX、ナンバーなしのモトクロッサーなど。

私「あれ、これ(見なれないモトクロッサー)は日本で買えますか?」

ヤマハさん「いやあ、無理ですねえ」

という会話が。ヤマハさん、4輪バギーとか、日本で買えないもの結構多いです。

工場ライン

工場のラインは大きく分けて2つ。

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ベルトコンベアで流され、各工程ごとに担当者が決まっている大量生産ライン。混流生産で、どのバイクが流れてくるかはその時次第。オンロード、オフロード、スクーター、様々なバイクが同じライン上に流れるのは見ていて面白いです。

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もうひとつはセル生産方式、2名一組ですべての工程を担当する少量生産ラインです。

セル生産とコンベアライン

もともと私はソニーのVAIO開発部隊にいたので、VAIOの里、安曇野の工場で実習したことがあります。当時はまだVAIOを作っておらず、DELLのノートPCのOEMをやっていました。この頃はまだ「セル生産方式」という言葉はなく、手渡しで部品を渡して作る手工業的な作業に違和感を感じて質問したほどです。

するとベルトコンベア方式のラインと比較して、人間に対するストレスが少ないとのこと。人間は揺らぎがあって、調子がいいときは早く、悪い時は遅くなるから、それを吸収できるけど、ベルトコンベア方式はつねに一定時間で流れていくために吸収しにくいと。結局効率面、品質面でも手渡し(セル生産)の方がいい、という説明でした。

実際に私もラインに入って液晶パネルのフィルム配線をネジ留めする作業(実習)をやっていたわけですが、20代そこそこの女子工員の手早さに驚きました。それ以上に驚いたのは口と手が別々に動くこと。おしゃべりが凄くて、ずっと恋愛話をしているのですけど、手は動いていて、ちゃんと作業が進むという・・・しかも、次工程の人に、

「ちょっと。これずれてきているからちゃんと直して」

と指摘されるほど。いや、さっきまでおしゃべりしてたじゃないですか。

ヤマハ発動機の工場ではそんなおしゃべりはないようで、皆さん黙々とてきぱき作業を進めていました。

品質管理

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工業製品は大きくわけると「設計」と「製造」があります。工場ではこのうち「製造」を担当し、「設計」どおりに生産された部品を「設計」どおりに組み立てて「製造」します。ですので、一番大切なのはバラつきがないこと。すべてが「設計」どおりになっている必要があります。

そのためには揺らぎがあってはなりません。いわゆる「当たり」「はずれ」ですね。

同じお値段出すわけですから、誰が、いつ買っても同じ性能が発揮されるべき。それを「品質」といいます。

製造時のトルク管理は今やすべて電子化されており、トルクレンチで正確に留められるとのこと。トルクレンチはボルトに合わせて予めいくつか用意されており、場所に合わせて使い分けていました。

品質を大切にするとひとくちにいっても、実現するのは相当な苦労があるというもの。特に品質検査は入念で、エンジンかけては切って、かけては切って。何をしているのか分かりませんけど、検査官の目が光ります。

検査を経てようやく出荷へ。

出荷へ

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驚くのはその導線の短さ。検査場を出て車両をプールする置き場の向こう側にはもうトラック積みこみ場所。はやっ。

国内はそのままトラックで運びますが、海外ではそういうわけにいきません。なんとここでコンテナに積めるよう、組み上がったバイクをばらします。えっ!

ハンドルなどかさばる部品を外してコンパクトにし、専用の枠に入れて、複数台あわせてコンテナに入れるそうです。なんでも輸送費は重さではなく、体積で決まるから。

そうであれば最初から組み立てなければいいじゃない、と思いがちですが、品質を担保するために一度ちゃんと組み上げて品質検査したものではないと出荷しない、したくない、という品質に対する並々ならぬ情熱を感じました。

なお通関は工場内ででき、清水港から輸出します。こうして高品質なヤマハのバイクが世界200ケ国以上に行きわたるのでした。

感想

工場は比較的なじみがありますが、バイク工場をみるのは初めて。意外だったのはラインが短いこと。そして工程が少なく、あっという間に組み上がってしまうことでした。コンベアラインは距離にして50mほどでしょうか?

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部品は他の工場で作って持ってきているということですが、パパパパっと組み上がってしまう印象です。もともとバイクは構造がシンプルで、電装品も少ないからできる芸当とは思いますが、手早いです。

作業もしやすいように高さを調整したりと、そういった面でも効率化が進んで簡単そうに見えるのでしょうね。面倒=手間=時間=コストとに反映されてしまいますからね。

今回は私の愛車、MT-07を見ることができませんでしたけど、ヤマハのバイクに乗っている人なら一度は見ておきたいですね。これをみれば大切な命を預けられる、安心して乗れます。

(つづく)


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のりものブロガー

野間恒毅

スーパーカーと美女が好き。 日々RR, FR, FFと駆動方式を選ばずドライビングスキルを磨き、ドライビングプレジャーを追い求めています。リターンライダーとして大型二輪免許取得、大型バイクに乗っています。ミニ四駆、ラジコン、ドローンなどホビーも幅広くカバーしボート。個人ブログはこちら(のまのしわざ


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