#ヤマハカート 体験&ピアノ工場見学(2) 匠の技が光るピアノ工房
2015.06.07先日ヤマハ発動機さんのご招待で、掛川へと行ってきました。ヤマハリゾートつま恋でレンタルカート体験、そしてピアノ工場見学です。
前編 #ヤマハカート 体験&ピアノ工場見学(1) レンタルカートでタイムアタック【ワンダードライビング】
今回はピアノ工場見学のレポート。
グランドピアノの構造
ピアノとは弦を叩いて音を出す楽器。なんてことは知ってましたけど、実際にどんな構造になっているのかまったく知らず。チェンバロとの違いは何か?
チェンバロが弦をつまびくのに対し、ピアノはフェルトを巻いたもので弦を叩く、というのが一番の違い。ダンパーがついていて、鍵盤をたたくとダンパーが解除、弦を叩いて、力がかかり過ぎるのを防ぐ機構が働きフェルトを巻いたものが落ちてくるのと同時にダンパーも下りて弦を抑えて響きが止まる、という原理です。
ペダルを踏むとびよーん、と響きますが、これはダンパーは強制解除しているためで、この場合はすべての鍵が解除されてます。
アップライトピアノの構造
アップライト(スタンド)ピアノとグランドピアノの構造の違いは何か。グランドピアノは叩くものが重力で落ちるのに対し、スタンドピアノは重力が使えないので機構で戻すとのこと。その結果秒間16回ほど叩けるグランドピアノに対して、アップライトピアノは8回ほどしか叩けないとのこと。オレの指の動きについてこれないな~ っていうことになるのでしょうか。
バイエル黄色でピアノが終わった私としては、知らないことばかりでした。
いざ工場見学へ!
構造や作り方を多少知ったあとで、実際の工場見学へ行きます。が、ここからは写真NG。オフィシャル写真で雰囲気をどうぞ。
弦をはっているところ。それぞれ径が違うワイヤーを張り、ボルトで固定します。
ひとつひとつ鍵盤が動くように取り付けます。
鍵盤や叩くフェルトはズレがないように調整。
最終調整、調律ではフェルトに穴をあけて音を調整するんだとか・・・どこにどれくらい穴をあけるかは完全に職人技。ここに至るには10年の修行を要します。
工場というより工房
工場というイメージよりも、手作業かつ繊細な調整が必要な工程ばかりで品質を保証するものは人間の感によるものばかり。職人による手作り、hand craftといったほうがしっくりきます。
それもそのはず、木やフェルトの素材選定から、湿度によるたわみといったものまですべてを頭にいれて行う伝統的工法によるもの。ところどころ機械の助けは借りますが、グランドピアノというものの構造がこれまでも、そしてこれからも複雑な機械式を継承するかぎり、この工法は続いてくことでしょう。というか、もう進化してはいけないんですね、グランドピアノ。
進化させると一気にエレクトーン、電子ピアノ、そしてVOCALOIDまでいってしまい、それはもはやインストルメンタルとは異なる楽器の域へ。そしてそれはそれで進化しているからよいのです。
同じロットでここまで違う
そして出来上がったピアノ、引き渡し室では3台の中から好きなものを注文者が選べるといいます。
またまたー、同じロットで作られた3台のピアノが違うなんてこと、ないでしょう。あったとしても私ごときの耳で聴き分けられるほどの違いはない、と思って聞き比べをしたところ・・・
もう全然違うんです。同じ調律師が同じようにやっても、音色は異なるとのこと。いい悪いではなくて、ラーメンスープでいえばあっさり、こってりの差。
しかも引き渡したあとで引いてくると音の広がり方がまた変わってくるということで、結局弾く人の好みや、演奏する曲によって最終的には選ばれるということ。すべてがアナログ、感性の世界。こんな世界もいいですね。
ヤマハの歴史
ヤマハ、日本楽器におけるピアノ作りの歴史は深く、その歴史をホールで垣間見ることができました。
明治天皇が所有していたというグランドピアノ、近代工業遺産認定。
TMファンなら見逃せない、EXPOツアー使用 小室哲哉スペシャルEXPO PIANO。
なんてったって、このうねりが凄い。当時数千万円だったとか? でもグランドピアノの大きいものはだいたい2000万円弱ということなのでさほど高くないですね。いや高いけど。
この2000万円ほどするピアノを知り、あの手作業による工程をみると、普通のグランドピアノが300万円と言われると安く感じます...うちの実家にもありますね、ヤマハのグランドピアノ。
うちの母はモノには執着しないのですが、唯一ピアノだけは誰にもあげない、とキッパリいってます。その横で妹が虎視眈々と狙っているのですけどね。
ピアノは生活とともに音色も変化するので、一度手に馴染むと手放せなくなるのでしょう。なんとなく分かる気がします。そんなピアノがここ、日本の掛川で作られると思うと嬉しくなりますね。
(おわり)
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