YAMAHA セロー250 試乗レポート:人生に迷ったらセローに乗ろう
2016.10.12入門バイクとして多くのユーザーに愛されているといえば、ヤマハセロー。
今回はこのセロー250をご紹介していきます。
入門オフロードバイク
タイヤを見て分かる通り、セローはオフロードバイク。未舗装路、砂利道やガレ場といった場所でも走れるように彫りの深いブロックタイヤを装着しています。
最低地上高も高く、大きな凸凹があっても容易には腹を擦らないようになっています。
トコトコ粘る250ccエンジン
セローはもともと空冷単気筒225ccエンジンでデビュー。その後モデルチェンジ時に現在の250ccの排気量となっています。
ギアは5段。エンジンは粘り強く、1速アイドリングでつないでもじわっと走り出すほど。エンジンの吹け上がりは鋭くないですが、空冷独特の乾いた音とともに回転があがりトコトコ走ります。
メーターはデジタル、タコメーターがないので回転が分かりません。高回転でエンジンがつらそうになるまえに早めにシフトアップするのが吉です。
倒れても安心
オフロード仕様なのでもともと倒れるのが前提。そのためあちこちに倒れても大丈夫な装備がついています。例えばヘッドライト下のバー。これは手をかけて起こしやすくするためのハンドル。
リアにはタンデムグリップがありますが、これも引き起こしの時に便利。
リアキャリパーにはガードがついており、倒れても重大なダメージから防いでくれます。
バイクを倒してもいい、というわけではありませんが倒れてしまうもの。そんなときでもダメージは少なく、そして引き起こしやすいのは初心者にとって安心。
二人乗り・ツーリング最高
セローのすばらしさはこの長いシート。
そしてさらにリアフェンダーにかけて直線的かつ平面的になっているので二人乗りして、なおかつ荷物を載せるのがやりやすいのです。
熱が気になるマフラーも上品なカバーがあって安心。高級感も漂わせていますね。
この長いシートとキャリアのおかげで荷物積載もラクラク。そのためキャンプツーリング、特に北海道や日本一周といった長距離ツーリングにも最適です。
私の好きな漫画家、新谷かおる氏のバイク漫画といえば「ふたり鷹」が有名ですが、セローが主役の漫画があります。
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それが「左のオクロック」。
篠崎由宇は恵まれた家庭に育った高校生。平凡で単調な毎日に疑問を感じた彼はやり切れぬ思いを胸にバイクを駆り日本一周の旅に出る。ツーリング経験のない由宇は行く先々でトラブルにみまわれるが、その度に旅先で出会ったバイク仲間に助けられ成長していく。バイク乗りはV(ピース)サインで語る。新谷かおるが描くバイクツーリングコミックの決定版!
ということで日本一周といえばセロー、セローといえば日本一周です。
実際問題速度はそんなに出せないですし、風もあたるし、ブロックタイヤはぐにゃぐにゃするし、100km/hでずっと走ろうとするとそれなりに大変なのですけど、80-90km/hくらいでトコトコ走るのは得意。
しかもオフロード用のショックアブソーバーはソフトで乗り心地も上々。シートが多少狭いのでお尻が痛くなりそうですが、それも工夫次第で大丈夫でしょう。
街中ラクラク
スリムな車体は街中でもラクラク。自転車なみのサイズ感は駐輪場を選びません。
バイク専用駐車場はもちろん、いわゆる自転車が主な二輪駐車場でも問題なし。
そのため通勤・通学でもOK。なんて万能なんだ、セロー!
日常バイクの決定版
ということで近距離よし、長距離よし、二人乗りよし、荷物満載よし、オフロードよし、どこでも、なんにでもつかえるセローは万能選手。シュンシュン回るエンジンで非日常を楽しむタイプとは対極の、日常に溶け込むトコトコ系。街中で125ccバイクにぶち抜かれたりしますが、「カテゴリー違うしねえ」と穏やかな気分で優雅にマイペース巡航。遅い軽自動車やミニバン、トラックを一気に抜き去るだけの動力性能は持っているので心に余裕がうまれるのでしょう。
中学一年生(身長165cm)がまたがってもこの足つき性のよさ。入門バイクとしてロングセラーを続けているのもうなづけます。そういえば「ばくおん!」の音叉ちゃんもセローですね。
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気になること
セローの万能さ、バランスの良さに気になることがありません。唯一あげるとすると荷物がたくさん載せられるのにフックが少ないことくらいでしょうか。
タンデムステップ、タンデムブリップに荷物フックをひっかけられるので標準的ですが、セローの荷物積載量を考えるともっとあちこちにフックがあってもいいなあ、と思う次第。ここは乗る人のカスタマイズ、工夫でクリアできるので、些細なことですが。
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それほどオールマイティなセローでした。バイク選びに迷ったら「とりあえずセローに乗れ」というところでしょうか。
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追記:燃費
街中を中心として 130kmを走って4.5Lの給油、リッター約29kmでした。