Honda CB250F ABS試乗レポート:手軽に楽しめる250ccクラス
2016.10.02オートバイの排気量区分は非常に複雑、というのは前回お知らせした通りです。
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街乗りから高速道路でのツーリングまで、オールラウンドにこなせる排気量といえば125cc以上のいわゆる250ccクラス。
車検いらずの250cc
普通二輪免許、昔でいうところの中型二輪免許で運転できるオートバイは排気量400ccまで。しかし実際に購入、維持しようと考えると面倒なのが車検。初年度3年、それ以降は2年毎に車検を受け、そのたびに税金や手数料、整備料がかかります。自動車と比較すれば安いものですが、経済性が売りの二輪車にとって、金銭的負担、そしてなにより精神的負担や手間を考えるとそれは相当なもの。
そこで人気なのが250cc以下の250ccクラス。この排気量であれば車検不要です。
CB250Fは単気筒250cc
今も昔も人気の250ccクラスですが、昨今は価格高騰。それこそ現在レストア中のFZ250 PHAZERを皮切りにCBR250など250cc4気筒モデルが乱舞した時期がありましたが、現在はなりを潜めて、むしろ値段を抑えた並列2気筒、単気筒モデルが主流となってきました。
今回試乗したCB250Fは単気筒250ccです。え、CBなのに? と思うかもしれませんが、これも時代の流れです。
エクステリア
単気筒といってもそのデザインは昨今のCB/CBRの流れを組むもの。CBR250Rと部品を共用するのは他メーカーと同様。フルカウルモデルとカウルを外したストリートファイターモデルの両方をラインナップするのがトレンドです。
ただカウルを外しただけではなく、ハンドルをアップハンドルにしてあり、ポジションも楽で街での取り回しもよいです。
フロント、リアともにディスクブレーキ、フロントは2ポッドです。このモデルはなんとABS付き。250ccでもABSがつくとは時代がすすみましたね。
ヘッドライトはハロゲン、ウィンカーともども常時点灯式。
ギアは6段。
クラッチレバーは調整機構つき。手元でクラッチのミートポイントを調整できるので、自分の手の大きさ、好みやあわせることができます。
メーターはデジタル、GROMと同じものを共用でレッドゾーンの刻印が違い、レッドゾーンは10,500回転から。
ガソリンキャップは脱着式。キーシリンダーはカバー付きで高級感がある作りです。
タンデムシートの下は小物入れ。工具の他書類が入るといっぱいいっぱいでした。
ETCを入れるとしたら工夫が必要です。
またタンデムシートと前のシートの間には隙間があるので、雨水が中に落ちそうです。
街中での乗りやすさ
CB250F ABSのよいところはまず気軽なところ。足つき性も高く、車体も軽い上、カウルもボリューム感がありつつも実際にはスリムなので、どこにいくのにも躊躇しません。
250ccだから高速道路にも乗れるし、パワー感もそこそこ。エンジンはトルク重視、9000回転くらいまではスムースに回ります。さすがに単気筒なのでだんだんと辛くなってきますが、適切なギアを選択してはしれば、それなりの速度になります。
ポジションも多少の前傾姿勢ですが、首は辛くないくらいなので、ちょうどいい感じです。
気になること
・足りないギア
ギアは6段。ギアレシオはローギアードで、あっという間に6速になってしまうので高速道路では7速が欲しくなってしまうかもしれません。
・燃費
今回燃費計測が出来なかったのですが、街中試乗だけで返却時には4Lほど入ったため、予想よりも燃費は伸びないイメージでした。これは街中だけというのもあるかもしれません。ロングツーリングであればもっと伸びそうでした。
・大きなマフラー
これはデザインの好みですが、マフラーのボリュームがかなりあり、跳ね上げてあるのでタンデムステップが近いです。二人乗りの際は多少気をつけた方が良さそうでした。
ベストバランス
お値段、パワー、取り回し、どれをとっても合格点、まさにホンダのバイクといってもいい優等生。万人におすすめできます。特にABSの装備は初心者、免許取立てでブレーキに自信がないライダーにとっては強い味方。雨の日の安心感は圧倒的に違います。
問題はあまりにソツがなさすぎて、印象に残りにくいところでしょうか。
万人にオススメできる優等生バイクでした。さすがはCBの系譜。