メルセデスベンツAMGの安全理念は自信と信頼から! ドライビングレッスン AMG Driving Fascination レポート(3)
2011.11.23「トップガン・ヤム選手が鈴鹿をリアルドライブ! ドライビングレッスン AMG Driving Fascination レポート(2)」のつづき。
ドライビングレッスンといえば安全第一。いくらサーキットとはいえ、事故を起こしてはなんにもなりません。なのでインストラクターが
「もっと強くブレーキ踏んで」
というのはよく分かります、ブレーキ踏めばスピードは落ちますから。ところが、
「もっとアクセル踏んで」
というのは初めて聞きました。しかも1回だけでなく、何度も。
ここが「AMG Driving Fascinaiton」のよそのドライビングレッスンと大きく違うところ。しかも踏ませるクルマがSLS AMG、571馬力のモンスターマシンなので普段のっているような乗用車のアクセル全開とはワケが違うんです。しかしだからといって「AMG Driving Fascination」が参加者に危険を強いているわけではありません、むしろ逆です。
「我々の理念は安全です」
冒頭のあいさつでも、今回のドライビングレッスンは「安全」を目的としていて、それはメルセデス・ベンツのクルマ造りと共通する理念だということを強調されていました。ではなぜ「アクセルを踏んで」なのでしょうか。
それは「スピードは即ち危険ではない」と認識しているから。というよりも安全性とスピードは必ずしも直結していないといったところでしょうか。いやそもそも「スピード」は目的地に早く到達するために必要かつ正当な要求(ニーズ)なのです。
Audi TT RSと BMW M6にみるドイツの車造りと日本の新幹線【ワンダードライビング】ドイツにおいて、高速移動の主力は車。だからアウトバーンというインフラに自動車という高速移動物体が安定して高速走行をすることを主眼に、自動車が設計されています。
(中略)
アウトバーンにしても新幹線にしても、速度が速ければ速いほど目的地に速く到達する、という点では共通しておりここでは「スピードは正義」です。
つまり「スピードは正義」です。
ところがここでひとつ問題があります。スピードが増すと、運動エネルギーが増えてしまうこと。エネルギーが増えるということは、コントロールを失い衝突した場合には破壊力も大きいということになります。つまり「危険」です。
そこでスピードを落とせばいいではないか、とは考えません。なぜならスピードは目的地に早く到達するために必要かつ正当な要求だからです。ではどうするか。
「スピードに見合った安全性の確保」
が答えです。新幹線と同じ基本姿勢といっていいでしょう。
新幹線が専用軌道をもち、自動停止装置を開発しましたが、クルマの場合はブレーキ性能の向上であったり、車体の強さ、衝突安全性であったりします。実際問題ドイツのクルマにはしっかりしたブレーキがついていて、いかにも止まりそうです。衝突安全性も世界に先駆けており、一昔前には「医者はベンツに乗る」という法則があったほど。
それだけではありません。ぶつからない、事故にならないために必要な性能とは
「ハンドリング性能の向上」
があります。いくら止まるといってもそもそもドライバーの思ったとおりにコントロールができないクルマであればどこに飛んでいっちゃうか分かりません。ですからドライバーの意思通りに動く、動かせるのが「自動車」(自ら動かすクルマ)の基本なのです。
いくらサーキットとはいえ、さすがに2500万円オーバーの超高級車、しかも500馬力オーバーのスーパーカーを一般のドライバーにポンと渡してさあ運転してください、さあアクセル踏んでください、というのは普通では考えられません。余りにも無茶無謀、しかしその無茶無謀なことをいともカンタンにやってのけるのです。なぜそんなことができるのでしょうか。
それはもう自社製品への圧倒的な自信と信頼からきています。
つまり「ウチの製品が、そんな滅多なことで事故になるわけがない、ましてやクローズドコースでインストラクターもいるドライビングレッスン。安全この上ないじゃないか。」という無言の自信と製品への信頼です。その上で「アクセルを踏んでください」というわけです。
(動画前半:SLS AMGに対してもう少しスピードを上げるよう指示)
もうひとつ、自信と信頼を寄せているものがあります。それはユーザーでありドライバー。
顧客を、参加者を、人間を信頼しているからこそできるんです。
どんなに機械を正しく作ったとしても、操作するのは人間。その人間が正しい操作をしなければ、機械が正しく動くわけがありません。
実はもっとも安全に直結するのは、ドライバー自身のドライビングスキルなんです。
だからそのドライバーのスキルをアップさせるドライビングレッスンを開催、その内容もレベルの高いものになっています。そして人間は不思議なものでトレーニングすればするほど、きちんと上達するんです。それを理解しているからこそ、圧倒的なパワーをもつAMGを使っての実践的トレーニングなのです。
「どんなユーザーでも安全に早く目的地に届ける」
安全のため鈴鹿サーキットで行われていますが、これは「サーキット走行」を体験するものではなく、一般道や高速道路で目的地に安全に早く到達するためのドライビングレッスンだったのです。ドライバーもクルマの性能の一部、ということですね。
さてクルマ、ドライバー、そしてもうひとつ安全に早く目的地に届ける重要なファクターがあります。
それはタイヤ。
ご存知のようにクルマは4つのタイヤだけで路面と接触して、そのグリップが加速、減速、コーナリングを司っています。それだけにタイヤはクルマの中でもっとも重要なパーツといっても過言ではありません。
次回はコンチネンタルタイヤについて。
(つづく)
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