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日本発のクリエイティブで世界に挑戦! 「輪廻のラグランジェ」日産とリアルロボットアニメの邂逅 #kamojo

2011.10.29 寄稿者: のま元記事

すでに「ワンドラ」で「輪廻のラグランジェ」第一話視聴レポートをアップ、ギズモードでも日産デザインについてエントリーしました。

日産自動車の公式サイトでもデザインについて特設サイトがあがっています。

lagrange.png  on Aviary

▼特設サイト⇒日産:日産自動車×ラグランジェ・プロジェクト

一番の驚きは自動車メーカーがロボットアニメのデザインをした、というところです。日産デュアリスのCMではマクロスで有名な河森正治さんデザインのロボットがでたりと日産自動車とロボットの親和性が高いのは周知ですが、まさか日産の本職カーデザイナーがアニメのロボットデザインをてがけるとは、まさにびっくり玉手箱です。

この仕掛け人の一人が日産の中村さん。

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ニホンのクルマのカタチの話
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GT-Rとガンダムに共通する世界に通用するニホンのデザイン:中村史郎著「ニホンのクルマのカタチの話」 ([の] のまのしわざ)

中村史郎さんは日産自動車チーフクリエイティブオフィサー、簡単にいうと日産のクルマのデザインを含めブランドマネジメントを統括するデザイナー。

今回の発表会で興味深いのが、その中村CCOの発言です。

日産自動車がロボットをデザイン!「輪廻のラグランジェ」製作発表会レポート #kamojo:[mi]みたいもん!

プロダクションI.Gとのコラボレーションでは、以前の攻殻機動隊のときのコラボから始まった流れについて、中村史郎常務から話がありました。

中村「攻殻機動隊のときは、劇中の車にデザインを提供しただけだった。あれはいわばお試しで、いよいよちゃんとデザインの依頼がきたなと思った。GTRはガンダムっぽいとか言われているし、JUKEなんかは、アニメのメカの影響をデザインとしては受けていると思う。これはしっかり、うちのデザイナーにロボットのデザインやらせようと思った。それがお互いにデザイン上でいい影響を与え合う結果になるはず」

中村さんは著書の中で、日産GT-Rのデザインがガンダムに似ている、という評価をポジティブに受け止めています。

GT-Rとガンダムに共通する世界に通用するニホンのデザイン:中村史郎著「ニホンのクルマのカタチの話」 ([の] のまのしわざ)

GT-Rのデザインは特徴的で、簡単にいうと「ビューティフル(美しい)」ではなく、力強さとか機能性(速い)というのを具現化したカタチ。スポーツカーはどちらかというと流麗なデザインで女性的なものが好まれますが、このGT-Rはどっからどうみても筋骨隆々の男性的なデザイン。このゴツゴツした感じで空力もしっかりしているんですから、本当に凄いことです。

この機能性を具現化したGT-Rのデザインは「何にも似ていないところが印象的」「色気はないけど存在感がある」と世界的にはとても好評。

日本での評価は「(ネガティブな意味で)ガンダムちっく」となって芳しくありませんが、全世界的にみれば好評です。ここが今回のコラボの重要なポイント。

日本発のアニメーションにしても、日本発の日本車にしても、日本発のクリエイティブを全世界に広めるという意味では共通した目的をもっているのです。

世界で受け入れられるクリエイティブを作るという共通の目的をもったふたつの異業種が協業するのはなんら不思議なことはありません、いやむしろ自然の成り行きといったところ。

TPPの議論でもよくあるのが、世界で通用するためには世界標準にのっとらなければというとても論理的な話です。しかし我々は島国日本に住む日本人、所詮世界のことはよく知りません。知らないからいわれたままに標準化の波に乗れば間違いないと思いがちですが、実はそうではないんです。

GT-Rとガンダムに共通する世界に通用するニホンのデザイン:中村史郎著「ニホンのクルマのカタチの話」 ([の] のまのしわざ)

ここで大事なのは「世界に通用する」ということ。世界標準に合わせたもの、ガラパゴスではないものでなければ世界に通用しないと思いがちですが、ニホンのモノが世界で通用しないなんて、行ってみなければ

誰にも分からない

んです。あえて世界で受けているものに似せたり、逆にへんにニホンニホンして竹や障子、畳の素材を使ったりすればいいものでもありません。ニホンで長く受け入れられたものはそれなりに理由があり、普遍の価値を持つ可能性があるのです。それを世界で試す、それが受け入れられたとき「ニホン発」のオリジナルとなるのではないでしょうか。

「井の中の蛙、大海を知らず」ということわざがあります。しかし大海を知らなかったからといって、必ず「通用しない」というわけではありません。

マンガ・アニメだって、痛車やドリフトだって、その発信元は非常に狭い井の中です。しかしそれがひとたび外にでればジワジワと広がっていく、それが日本の底力であり、実力です。

GT-Rとガンダムに共通する世界に通用するニホンのデザイン:中村史郎著「ニホンのクルマのカタチの話」 ([の] のまのしわざ)

GT-Rは既成の価値観への挑戦です。最高の性能と、だれもまねできない独自性のあるデザインが一体となり、日産を代表する、そして日本を代表するクルマとなり、これからもさらなる進化をとげていきます。

「ニホンのクルマのカタチの話」 p.62

今回日産のカーデザイナーにロボットのデザインをさせることにより、内部のカーデザイナーに刺激を与えつつ、外の世界に衝撃を与えた中村さん。この衝撃波がどんな形となって世界へ波及するのか、これからが楽しみです。

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