アラ、丸くてかわいらしい!? Audi TT RS クーペ高速試乗レポート(1)
2011.09.26お待たせしました、皆さま待望のスーパーカー試乗第一弾は Audi TT RS クーペ 7速 Sトロニック(ツインクラッチミッション・オートマ)です。
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カンタンにいうとベースとなる TTの4WD版 TTクワトロをスポーツにしたのが TTS、それをさらにレーシングにしたのが TT RSという位置づけです。クイズダービーでいえば、倍、さらに倍、2段階スライド方式の最頂点ともいうべきグレード。
ベースモデルのエンジンは 4気筒2.0L 211ps/4300-6000rpm 350Nm/1600-4200rpm、TTSは同じ 2.0Lですが272ps/6000回転 350Nm/2500-5000rpmと高回転化しパワーアップ。
ところがこのTTRSは一味違い、エンジンは5気筒 2.5Lへ拡大させ 340ps/5400-6500rpm 450Nm/1600-5300rpmとフレキシビリティと段違いのトルクを見せつけます。
横置きにされた5気筒エンジンは一見4気筒のものに1シリンダー追加して5気筒したかのようにも思えるのですが、実はボア x ストロークが異なりまったくの別物。ボア x ストロークでいえばAudi S6, S8, R8やランボルギーニ・ガヤルドに搭載される V10エンジンと共通。つまりV10エンジンの片バンクをなくして直列5気筒にしたものと見たほうがよさそう。
Car Watch 【インプレッション】アウディ「TT RS クーペ」かつてはアウディのアイデンティティとして知られ、このTT RSで約15年ぶりに復活することになった直列5気筒エンジンは、乗用車用としては世界初の試みとなるという最新素材「バーミキュラ鋳鉄」製のシリンダーブロックと直噴システムを持つ。実は、今や身内でもあるランボルギーニ「ガヤルド」の初期型に搭載されていた5リッターV型10気筒と同じ82.5×92.8mmのボア×ストロークで、排気量はちょうど半分となる2480cc。1基のターボチャージャーを組み合わせて、最高出力250kW(340PS)、最大トルク450Nm(45.9kgm)を発生する。
エンジンだけでいえばもはやTTとの連続性はなく断ち切ったともとれます。つまりTTのエボモデルではなく、R8やランボルギーニ・ガヤルドの縮小版、そうまさしくスーパーカー!
この有り余るパワーを地面にたたきつけるのがクワトロ・4WDシステムと19インチタイヤホイール。
サイズは255/35 R19で極太、タイヤはContinental ContiSportsContact3。絶対的なグリップというよりもグリップ力とコントロール性、オールウェザーに対応できるバランスのとれたスポーツタイヤで、TT RSにぴったりです。
さてスペックからはパフォーマンスを予感させるのですが、見てくれは上品なTTそのまま。大きな違い、といってもわかるひとにしか分からないレベルの違いしかありません。
開口部が大きくなったフロントバンパーと整流作用のありそうなフロントリップスポイラー。
ツインテールのマフラーと、固定式のリアウィング。リアウィングも大げさなものではなく必要最小限といった自然なもの。
一見したらTT、そして細部をみていってようやくノーマルとちょっと違うということに気づくレベル。一般人への「えばり具合」でいうとまったく「エボ」らしくありません。というかどちらかというと地味というか、玄人好みというか、まさに「通」度合いが高いです。
「丸っこくてカワイイクルマね!」
なんて女の子受けもよさそうです。TT(初代)は映画「ミッション・インポッシブル2」で女性エージェントが乗るクルマにもなっているほど「女性的なクルマ」。そんなイメージでTT RSを捕らえてしまいそうです。
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でもそのイメージは乗るまででしたけどね!
でっかいホイールにところ狭しと張り出している直径370mmのドリルド・ブレーキディスクと対抗ピストンキャリパーが不気味に光っていました。