【レビュー】冬ツーリング、防寒に最適なシステムヘルメット Kabuto Ryuki
2021.01.11最近冷えてますね。バイクは冬眠するものと普通は思われていますが、実は夏に負けず劣らず冬のツーリングはいいものなのです。まず天気がいい。雨が少なく晴れ渡る日が多く、しかも空気が澄んでいて青空が綺麗。遠くの山なみまでくっきり見えるのは冬ならでは。
しかし寒いのは辛い、苦しいのも事実。そこで防寒に効く装備の筆頭、システムヘルメットを紹介したいと思います。
なぜシステムヘルメットなのか?
人間の身体は末端から冷えてきます。水冷エンジンでいうならば手足頭がラジエータの役割をしており、熱が脱げてしまうんです。頭皮は髪の毛もあるのであまり寒さを感じませんが、マイナス温度で風がビュービュー吹いていると顔や首、耳は寒いし痛くなりますよね。そこで頭部をカバーするのは非常に効果的なのです。
フルフェイスヘルメットを被ってシールドを下ろしておけばそれだけで十分な防寒効果があります。ただそれで問題なのは視野。トイレいって用を足すときに足元が見えず、とても大変です。しかしヘルメットを脱ぐと寒い。ではどうしたらいいか? そうですシステムヘルメットです。
システムヘルメットであればチンカバーを上げるだけでジェットヘル同様の視界を確保、トイレでも困りません。
またフルフェイスでは入店を断られてしまうコンビニでも、チンカバーをあげればジェットヘル相当なので問題になりません。特にマイナス温度の北海道のセイコーマートに入るときにはヘルメットを脱がないで出入りできるのは防寒上とても助かります。一瞬たりとも寒くなることがありません。
最新システムヘルメットKabuto Ryuki
昨年の年越し宗谷岬ではシステムヘルメットKabuto Kazamiを使ってその利便性と防寒性を確認したのですが、本年度は最新モデルとなる「Kabuto Ryuki」をご提供いただき、マイナス温度の北の大地で実際に試用してきました。
軽量化
特にRyukiでありがたいのは軽量化されたこと。全体が軽量なのはもちろん、チンガードの部分が特に軽くなったようで顎部を上にあげたときにKazamiでは気になったフロントヘビーさが大分緩和され、頸椎への負担が大幅に減りました。
磨きがかかったインカム対応
Kazamiでもインカムのスピーカーを入れる穴が内部に空いていましたが、最新モデル Ryukiではさらにインカム対応が進みました。
まずインカムを取り付けやすいように、フラットな面となり両面テープで接着しやすくなっています。実際セナのインカムは両面テープで貼り付けています。
そして配線はインナーパッドの隙間の専用の溝を這わせることで、インナーパッドの取付と干渉せずにすっきり収まるようになりました。
またスピーカー穴が単なる丸から「くの字」の凹みが加わり、配線部分が収まりやすくなっています。
これによりすっきりとインカムを装着することが出来ます。
密閉性の高いシールド内とアンチフォグ
マイナス温度の世界ではちょっとした隙間風も大敵です。特に顎から入ってくる冷風は顔全体を冷やしてしまい、鼻があかくなってしまいます。
顎部にあるウインドシャッターは顎に密着することで風の侵入をシャットアウト。頭部と首を覆うバラクラバと併用すれば防風は完璧です。
密閉性が高くなると今度問題となるのはシールドの曇り。ピンロックシールド(別売)対応で、装着すればその部分は吐く息で曇ることはなくなる優れモノ。
ピンロックシールドの装着はちょっとだけコツが必要で、しっかりと縁のシリコン部を密着させることと、ネジ部を適正なトルクで締めた方がいいです。また厳寒の場所に行く前に地元で曇らないかチェックを。私の場合は右上に隙間があったらしく内側が曇ってしまいました。
なおピンロックシールドの部分以外は吐く息の湿気が外気の温度差で結露してしまいますが、マイナス温度ではこの水分が凍ってしまいややこしいことになります。それをある程度防ぐにはベンチレーションが有効です。
口元のベンチレーションを開けるとシールドの下から上に向かって空気が流れるので、結露の凍結をある程度抑制してくれます。またそれで足りない場合はシールドを1mm程度上にあげて空気を入れるのがよいでしょう。
この時頭部の2箇所のベンチレーションは閉じた方が、効果が高いようでした。
太陽の低い冬に活躍するインナーサンシェード
夏ツーリングでは太陽が高いので夕日の時間帯、西に向かうときしか使わなかったインナーサンシェード。冬ツーリング、特に北の大地では結構視界に太陽が入る機会が多く、しょっちゅうインナーサンシェードを使うことになりました。
またバイザーはUV&IRカットシールドとなったことで熱線遮蔽性能がアップしています。UVカットは眼にも肌にも優しいですね。ブレスガードも大型化して隙間が少なくなったことでまぶしさ軽減に貢献するとともに、防寒性もアップしています。
バラクラバとの組み合わせ
ヘルメットを被る前に頭部と首から鼻までカバーするバラクラバ帽を被ると防寒に効果的です。ただこれを被ると普段よりヘルメットが窮屈になります。そこでインナーパッドを多少薄いものに交換すると丁度よくなります。豊富なインナーパッドで調整することでベストな被り心地を探れることと、長時間走行でも顎や頭が痛くなりにくくなります。
動画でどうぞ
機能説明やレビューなどは動画でも喋ていますのでそちらもどうぞ。
まとめ
・軽くなった
・顎部を上げたときのフロントヘビーさが軽減
・太陽が低い冬ツーリング時にインナーサンシェードが特に活躍
・さらに進んだインカム対応
・バラクラバとの組み合わせで寒くない、快適冬ツーリング
結論としては一年中使えるシステムヘルメットはオススメです。ぜひ冬ツーリングで使ってみてください。