Honda AX-1 前期・初期型 PD6BAキャブレーター調整
2020.07.12Honda AX-1 前期・初期型 PD6BAキャブレーター考察の続きです。
調整前の状態
調整前はメイン#138、スロー#45、ニードル位置2番目(1段リッチ側)。これで低回転~5000回転前後の巡航領域、アクセルを数ミリ開けたときに息つき現象が起きており、非常に走りにくいものでした。
燃費が高速巡航でも21-24km/L程度と2号機(1989年式)の33km/Lと比較して著しく悪いため、これは燃料が濃いこと、燃料が濃すぎて失火、ぼこついていると判断。リーン(燃料薄くする)側にふることにします。
スロージェットを#38へ
最初に使っていたパーツリストに#45とあったことからスロージェットに#45を使ったわけですが、燃料が濃いのでエンジンのかかりはよかったし、アイドリングも安定していました。ただ燃費が悪すぎるのでまずはこのスロージェットから変更。パーツリスト6版の指定や、もともとついていた#38のスロージェットを使うことにしました。
変更しての試走では懸案だった5000回転以下のボコつきが緩和。3500回転くらいまで落としてもボコ付きは感じなくなりました。ただまだ多少ボコついている感がなくはない、という状況。
プラグをMotoDX 8番に
つぎにプラグをチェックしたところ、どうにも黒い。燃料が濃かったためでしょう。ただここまで黒いと変更してもどうなっているのか変化が分かりにくいことからプラグを交換しました。
初期型では8番、2型以降は9番の指定です。
プラグを交換してもフィール、3500回転以下のボコ付きは変わらず。
ニードルをリーンに
特にアクセルの微小開度領域でボコ付きが起きていることから、ニードルを調整することに。
スロットルボディをまたフレームから外し、今度は上半分を分解します。
アクセルワイヤーで操作するレバーとスロットルバルブはヒンジで連動しており、バネを外すとヒンジを外せます。
中央の銀色が標準のニードル。そのうえの金色のものが同等品です。今回は一番上のもっともリーンなもの、太いニードルを使うことにしました。
最後まで悩んだのはニードルの位置。実験の基本は変更していいパラメータは1か所まで。ということで今回は同じ2段目としています。
戻すときに失敗したのがドレンホースをつけ忘れたこと。
あとからつなげるのは結構大変です。
その点FTR223のキャブはいいですね、ほとんど丸見えでカウルやタンクを外さなくてもすぐに外せます。
燃費復活
この変更により低回転全域でのボコ付きがなくなり、3000回転以下でも粘るエンジン特性となりました。大きく開けばメインジェットは変わらないので鋭い吹け上がりも健在。燃費は高速移動で行き29km/L、帰りは100km/h巡航で30km/Lとまずまずの結果。ただ林道含む街中は23km/Lとこれまで同等、あまりふるいませんでした。
ほんの少しだけボコ付き感は残っているので、次回やるとしたらニードル位置を1段上げてリーン側に寄せてみたいと思います。
とりあえず現状はまずまずといったところでしょうか。