FZ250 PHAZERと対決する最新250ccモデルはどれだ? #phazer #fz250
2018.12.011985年デビュー当時、250cc 4サイクルバイクとして自主規制の最高馬力45馬力を発揮した革新的なFZ250 PHAZER。登録抹消から17年、粗悪な保管状況でとても走れる状態になかった個体を2年半かけてレストア。その復活したフェーザーの性能はいかほどのものなのか、現代車と比較してみたい。
そんなことからライバルとなる最新の250ccモデルを選ぶことになりました。
直接の後継はMT-25
ハーフカウルといえど、基本はネイキッドのフェーザー。成り立ちや型番は異なるものの、現在のヤマハのラインナップでいえば直接の後継車種はMT-25となるでしょうか。
MT-03/MT-25 - バイク・スクーター | ヤマハ発動機株式会社
ヤマハMT-25試乗レポート:操る満足感の高い250cc【ワンダードライビング】
水冷2気筒 250ccエンジンは35馬力を 12,000rpmで発揮。
素晴らしい吹け上がりのエンジンは爽快そのもの、走り味もかっちりしており、はっきりいってフェーザーにとって分が悪いです。
また試乗車をお借りしようにも、ヤマハさんのメンツを考えると万が一ビンテージバイクに負けるようなことがあってもいかんです。とはいえ手加減もできないので、この対戦は誰も得しないということで断念。
ちょうどいい相手はいないのか?
そんなことを考えながら検索すると、あることに気づきました。そう、別のフェーザーの存在。
PHAZERからFazerへ
日本市場に250ccのフェーザーは存在しないので忘れていたのですが、アジア市場にフェーザーの名前があることは、シンガポールやマレーシアで気付いていました。しかしデザインも違えば、そもそもエンジンは空冷単気筒。水冷4気筒で高出力がPHAZERだと思いこんでいたのですっかりアウトオブ眼中になってました。
ところが昨年、2017年にモデルチェンジした最新モデルのフェーザー、Fazer25はフルカウル、そのデザインテイストは現代のMTのトレンドに則ったもの。海外ではMT-09はFZ-09と名乗るなど、MTとFZは双子の兄弟のようなもの。
俄然興味が沸いて調べてみるとますます興味深い事実が分かってきました。
スポーツモデルのFZ25がベース
Fazer25の元となっているのはFZ25。これまたFZ250 PHAZERからするとややこしいのですが、ネイキッド、STREET FIGHTERのものがFZ25、これをフルカウル化、ツアラーにしたものがFazer25となります。
エンジンを含め基本コンポーネントはすべて共通なので、走り味などもほぼ共通といっていいでしょう。カウルなどの分、多少Fazer25の方が重くなっています。
そのFZ25の様子がなにやらおかしい。
空冷単気筒、SOHC 2バルブとは思えないほどスポーティ。えっ、FZ250 PHAZERは16個もバルブあったのに、たった2個でこんなにスポーツなの?
さらに調べてみると、インドのバイク市場が垣間見えてきます。
110~150ccクラスがボリュームゾーンのアジア市場にあって、250ccクラスはいわば憧れのハイエンドモデル。しかしながらMT-25のようなハイクオリティ、高価格なモデルはさすがに手が届きにくい、しかしもっと速く、もっとスポーティにという欲求だけが高まっています。
そこに投入されたのが、セローの250ccエンジンをベースに改良されたブルーコアエンジン。
オイルクーラーを装備し冷却性能を上げつつ、燃焼効率を高めて燃費とパワーを両立。アクセルを一ひねりしただけでほとばしるトルクとレスポンス、そしてサウンドチューンされたサイレンサーからは、心を躍らせる軽快なエキゾーストノート。
インド市場で250ccクラス最強のストリートファイターを狙って生まれたFZ25はインド人から熱い支持を受けていました。
インド価格20万円弱という手に届く価格帯にも関わらず、高性能。
0-60km/h 3.37秒
0-100km/h 8.58秒
最高速度 140km/h前後(メーター読み)
は同クラスのKTM Dukeに次ぐものとして評価されています。
Fazer25の登場
FZ25デビューから遅れること約半年、ツアラーとしてフルカウルのFazer25が投入されます。
基本コンポーネントをFZ25から譲り受けたものの、シート生地を変更するなどよりツアラーとしての快適性を高めています。
フルカウル化により車重が重くなっていることから加速性能はFZ25に譲りますが、空力性能がアップしたために最高速度は逆に高くなっています。値段も少し高くなっているため、市街地中心のユーザーはFZ25、高速巡航が多いユーザーはFazer25が向いているというのが、インド市場の反応。
空冷250cc 単気筒 SOHC 2バルブで20.9馬力。数値的に見るところはないのですが、これが意外と健闘するのがトルクとレスポンスによるところが大きいのでしょうか。
水冷250cc 単気筒DOHC 4バルブ、パワーで勝るCBR250Rとの対決では結果的には最高速で負けてしまうのですが、中間加速はFazer25がリードしつづけています。
新Fazer25はインド市場に2017年度に登場、日本には2018年に輸入されはじめましたがまだまだマイナーな存在。しかしインド人のこの熱さ、そしてパフォーマンスのよさ、さらには値段の安さに興味が惹かれないわけがありません。
さきのyoutubeビデオでも分かるように、設計開発は完全に日本。インド工場で生産し、インド市場に投入するため、現地の意見を聞きながら開発を進め、生産クオリティも現地に合わせて調整していったそうです。
現地価格20万円前後のバイクが実際、その品質はどの程度のものなのか?
そしてその性能は本当にインド人が驚くほどのものなのか?
これは確かめてみない手はないでしょう。
インド人もビックリの激安価格
現地価格が 129,335インドルピー、21万円前後というのもビックリですが、日本への導入価格もビックリ価格。
車両 21万9900円、乗り出し 29万9900円というのを見つけたときの衝撃。
うん、これはもう悩んでる暇があったら買っちゃったほうがいい、悩むのは買ったあとにしよう。
ってことで早速注文してしまったのです。この間約3日。
そしてその1週間後には納車されました。
はたしてFazer25、インドフェーザーの実力はいかに?
(つづく)