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ヤマハFZ250 PHAZER(フェーザー)1985年式 レストア記

新型ゴールドウイング緊急試乗インプレッション(1) 新技術をすべてぶちこんだ意欲作

2018.02.05

新型ゴールドウイングの国内発売が決定、受注好調だという。この新型ゴールドウイングを北米はテキサス・オースチン~フレデリックバーグの試乗会に招待され、試乗する機会に恵まれた。

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開発者や北米市場担当者とのヒアリング結果を交えながら、試乗レポートをお伝えしたい。

Honda | 大型プレミアムツアラー「Gold Wing(ゴールドウイング)」を17年ぶりにフルモデルチェンジし発売

Honda | 「Gold Wing(ゴールドウイング)」シリーズの受注状況について

シャープなデザインとユーザー年齢

まず目を引くのがそのデザインだ。

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旧型は明らかに大きく、角のとれた丸いデザインだったことで重厚さを感じさせた。ボディカラーが白の場合、膨張色のためにその傾向が顕著だ。これはこれで当時はよかったであろう、しかしあれから17年。ユーザーは加齢した。

最大の問題は「このままではユーザーとともにゴールドウイングが墓場に入ってしまう」ことだと開発者は言う。


この問題はユーザーの平均年齢が高い高級車メーカーでも共通の懸念だ。そのために新規ユーザー、若年層の取り込みは急務、いや必須となっている。そのためオーナーズクラブをはじめ、ユーザーとの対話はよくしているが、それをすべて反映するわけにはいかない、場合によっては意見を切り捨てなければならない場面もあり、マーケットインではなくプロダクトアウトだったという。

メインマーケットであるアメリカでは重厚なデザインが許容されるかと思いきや同様だという。旧型の延長で重く、大きくなってはいけないのだ。

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今回のゴールドウイングのデザインはシャープでクール、未来的。見た目からも軽快さを感じるが実際に軽量化もなしえて10%、40kgほどの軽量となった。その結果何が起きたかというと、これまでのユーザー以外、つまりはポテンシャルユーザー、新規ユーザーから好評だっただけではなく、従来ユーザー、シニアなユーザーからも評価された。

技術ぶちこみプロダクトアウト

モデルチェンジサイクルというものは決まっていない。機が熟したら開発する。今回の新型ゴールドウイングは開発期間は約4年半、リーマンショックから立ち直ったタイミングで開始され製品化まで何度も設計、開発、試作を繰り返す。1回で決まれば理想的で

上からはそうしろと言われるが、他社でもできてないことをそう簡単にできるわけがない

と開発者は笑う。工場は工場で開発中から情報を渡し、わかったといいつつ、実際に生産しようとなったときにやはりこれは作れない、ということが起きる。そうやって苦労してようやく生産・販売にこぎつけた労作だ。

特に今回は新技術がてんこもり、これまでとは違うのは明らかである。

Apple CarPlayにスマートキー。この技術はもはやオートバイではなく、電子製品だ。トランクのロックとアンロック、キーをもっていればアンロックされるのは当然だが、ではトランクがあいたままキーをもったまま離れたら? 色々な状況を考えて仕様を決めなければならなく、相当に苦労を重ねたことは想像にかたくない。

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他車ですでに導入されていたDCTをこのゴールドウイングに新搭載したのも今回の目玉だ。

むしろこのDCT一本でいい、行きたい

とさえ開発者は考えたという。それほど今回のDCTとゴールドウイングはマッチしている。MTが依然搭載されたのは価格帯、ラインナップの関係からであるが、このMTも旧型の5速から6速へと多段化され進化している。

末恐ろしいDCTとのマッチングのよさ

かくして開発陣の超強力プッシュは7速DCTである。

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(7速DCT車)

左手のクラッチレバー、左足のシフトレバーはなく、右側のボタンでN(ニュートラル)からD(ドライブ)にスイッチを入れるだけでスタンバイである。クリープ現象はなく、アクセルをそっとあけると車両側で半クラッチを行い微速前進。スクーターのようにアクセルをあけるだけで、自動的にギアをシフトアップしながら加速していく。

加速感が途切れないことと、きめこまかくなったクロスレシオのギアの恩恵を受けて1800ccエンジンのパワーはそれ以上に感じる。具体的にいえば加速が強烈だ。ドライブモードをSPORTに切り替えた時はその加速力で振るい落とされそうになるから、左手はがっちりグリップを握っておきたい、そんなときでもDCTのクラッチレバーレスは有難い。

加速も強烈だが、もっと感動的なのが一時停止や信号待ちがとても楽なことだ。

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これまで停車時は(人によって作法が異なると思うが)、停止前にN(ニュートラル)に左足で入れ、右足はフットブレーキで停止、左足をつく。そして発進時は右足をつき、左足で1速にギアを入れ、左足をつき、右足をフットブレーキにのせ、信号が青になったら右足のブレーキを弱めつつ、左手のクラッチレバーで緩めて半クラッチで微速前進、クラッチが完全につながったら加速し、2速にシフトアップするという手順を必ず踏まなければならない。

この作業も軽量なオートバイであればそんなに苦にならないが、この重量級のゴールドウイングでは緊張の一瞬だ。特に左足、右足をつきかえるとき。車体が傾くために重量を感じ、いつ倒れこむかという恐怖の瞬間でもあるのだ。

これが路面がわるく、雨が降っている、砂利が浮いている、ダートで滑りやすい路面だともう絶望的な気持ちになる。靴が滑ったらもう支えきれない。この不安が気分を憂鬱にさせる。

ところがDCTになった瞬間にこの不安が一掃される。

停車時はブレーキしながら止まったら左足、または両足をつけばいい。そして発進時はアクセルをあけて両足をステップに乗せるだけである。圧倒的に楽だ。

特に車庫入れの時に右側にハンドルを切りながら半クラッチをするときは、左手が遠くなり半クラッチする手が大変となる。エンストした日にはそのまま重量ががっつりのしかかってきてしまうことだろう。そんな心配が一切ないだけで、気が軽くなる。まさに車体の軽量化とあいまって気分は軽やかだ。

さらに驚異的にラクなのがウォーキングモードと呼ばれる微速前進・後進機能だ。

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これはN(ニュートラル)時にウォーキングモードボタンを押して起動すると、シフトアップ・ダウンボタンで微速前進、微速後進できるという優れもの。これまでのリバースは前進と後進を繰り返す切り返しの時にリバースモードを解除、シフトを1速にいれて半クラッチで、という作業をしなければならなかったのに、このウォーキングモードではONの間はずっとボタンひとつで前に後ろに移動できることだ。アクセルをあける必要はない。

切り返しはラクになるだけではなく、アクセル不要でDCTの苦手な半クラッチ領域がよりスムースになること、そして低速なので砂利道や滑りやすい路面でもしっかりとグリップすることだろう。

イージードライブだけでなく、取り回しという点でもDCT搭載は優れているのだ。一度これを味わったらもうMTには戻れない、戻りたくない、それほどの魔力をもっている。

ドライブモードで激変するキャラクター

もはや当然といわんばかりに装備されている電子制御スロットルと可変ドライブモード。トラクションコントロールも兼ね備え、リアタイヤは常に車両の支配下にある。

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(6MT車)

標準的なTOURモードを選択すると、街乗りからツーリングまで幅広い範囲に適応し、アクセルの開度に対してのトルクの立ち上がり方もスムースである。DCTであれば同時に賢くギア選択、どんどんシフトアップをしてクルーズしてくれる。

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試乗時の初日はあいにくの雨とウェット路面、しかも吹きすさぶ荒野を横切る道路には塵、砂利が積もっておりそれが雨によって浮いてとても滑りやすい。そんな時にTOURであってもアクセルをラフにあけるとリアタイヤはグリップを失いがちである。もちろんトラクションコントロールによって大きな挙動を示すことはないが、1800cc 6気筒エンジンのパワーを明らかに感じる瞬間でもある。

こんな場合に備えてRAINモードがある。

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RAINモードであればアクセルの開度に対するピックアップは抑えられ、体感的には半分のアクセル開度なので繊細なコントロールができる。逆にTOURと同じ出力を得るにはアクセルを倍くらい開かなくてはならず、高速クルーズには向かないので、路面に合わせて使いたいモードだ。

試乗2日目はお天気に恵まれ、さらに路面はドライ。それではということでSPORTモードを試してみたら驚いた。

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アクセル開度に対して俊敏に反応するエンジン、トルクは急激に立ち上がり、1800cc 6気筒エンジンのフレキシビリティの高さからどんな回転域であろうとフル加速していく様を体感できる。簡単にいうと「すげぇ、はええ」ということだ。

まるでスポーツカー並みの俊敏さである。この俊敏な加速にくわえ、DCTのきめ細やかなギアチェンジと途切れのない加速感がさらにそのスーパーさを誇張する。これはスポーツバイクの加速感に近い。

このSPORTモードは開発時は「やり過ぎかな」と考え、EXTRAモードとして隠しておいていたが、アメリカ市場調査のフィードバックにより正式に追加されたものだという。アメリカ人はゴールドウイングであっても「ウィリーするくらいのレスポンスが欲しい」とのことらしい。

このSPORTモードで明らかに旧型とは一線を画し、異なるキャラクターを印象づけている。

ドライブモードはもちろん自らがクラッチ操作、ギアチェンジをしているMTであってもその恩恵を受ける。TOURでもギアをホールドしている限り十分ダイレクトな加速感が得られるし、SPORTモードになると軽量コンパクトなスポーツバイクに乗っているような錯覚に陥る。これが本当に400kg近い、重量級のバイクなのだろうか? いや違う、これはもはや地上の乗り物ではない。宇宙だ、宇宙戦艦だ。

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ドライブモードは燃費指向のECOモードが備わっているが、ガンガン走る試乗会ではその効果は分からず、燃費計測もできなかったため別の機会に燃費計測とともに試してみたい。

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なおガソリンタンクは2割程度小さくなっているが、燃費が2割向上したため、トータルでの航続距離はほぼ同等だという。

(続く)

公式サイト Gold Wing | Honda


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のりものブロガー

野間恒毅

スーパーカーと美女が好き。 日々RR, FR, FFと駆動方式を選ばずドライビングスキルを磨き、ドライビングプレジャーを追い求めています。リターンライダーとして大型二輪免許取得、大型バイクに乗っています。ミニ四駆、ラジコン、ドローンなどホビーも幅広くカバーしボート。個人ブログはこちら(のまのしわざ


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