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ヤマハFZ250 PHAZER(フェーザー)1985年式 レストア記

従来型ゴールドウイング試乗インプレッション(1) ツアラーというよりクルーザー

2018.01.23

新型ゴールドウイングが先日発表されたが、新型試乗に先駆け旧型となった従来型ゴールドウイングに試乗、それについてお伝えしたい。

ひさびさにバイクで来た。サイズ的には車感覚だけど。

野間 恒毅さん(@tnoma)がシェアした投稿 -

フラッグシップでありクルーザー

人類にとっての古くからの乗り物、それは船である。

船をなぞらえて、飛行機はできた。そのため空港はエアポートであるし、舷灯と呼ばれる灯も船と同じとなっている。

フラッグシップ、旗艦とは船の集団、艦隊の中心の船を表し、旗を揚げることでその存在を示す。意味は転じて船にこだわらず、集団の中でもっとも高い価値をもつものやブランドを牽引する存在をフラッグシップと呼ぶ。

自動車でエンジンを中央においた形式をミッドシップと呼ぶ。これはもともと船の安定性を表す言葉で、トップヘビー、重心が高く安定性の悪いものに対し、重心が低く、中央にある状態をいい、それが転じて自動車でも使われている。

さてホンダゴールドウイングである。1800cc水平対向エンジンを搭載するゴールドウイングはまさにホンダ二輪の「フラッグシップ」となる存在だ。そしてカテゴリーはツアラー、しかし乗り味はもっと船にちかいからクルーザーと呼んだ方がしっくりくる。

なぜ船かというと、そのロール感がまさにモーターボートのそれに近いからである。船はスクリューが水をかき混ぜて推進力を得るため、エンジンの回転数と速度の伸びが直接リンクしない。つねに慣性力を意識し、操舵もかなり前から行う必要がある。この重量級のオートバイはその重量ゆえ慣性力が非常に大きく、陸上であってもその慣性の大きさで操作に対し動くまでのディレイが生じるのだった。

逆にその慣性は安定にもつながる。

まっすぐ進もうという慣性力はちょっとした横風や外乱などものともせずに、矢のごとくまっすぐ進む。高速度での緊張感は非常に低く、まさにクルージングを得意とする。

それを助けるのが自然なライディングポジションだ。

自然なライディングポジション


これだけの重量級、420kgオーバーの車体を支えるのはか弱い自分の足2本だけである。その足がつくかどうかは、まさに致命的な問題といえよう。その点プリロードアジャスト付きエアサスを利用し、最大限車高を下げると、171cmの私の足でも両足べったりつけることができる。少し腰や足を移動しても足の土踏まずから上半分は必ずついているので、左右の足でちょんちょんと支えることが可能だ。

さらに低速域での制御にはリアブレーキの調整が欠かせないが、ステップがほぼシート直下にあるので、足の移動が非常に自然で楽。停車寸前に足をステップからおろせばほぼ傾くことなく停車できる。

この位置関係はダートなど滑りやすい路面のときに大きな安心を与える。

足を前に投げ出す、ステップが前方についている「フォワードステップ」では滑りやすい路面での極低速域での調整でリアブレーキを使うことが困難で、かといってフロントブレーキを使うと転倒の危険が高まる。

頻繁にリアブレーキ&ステップ、路面と踏みかえるのは、ふともも(大腿)を大きくつかうことになり疲労の原因だ。

その点このゴールドウイングはまるでスーパーカブのような直立したポジションのため、そういった気苦労もない。もっとも、ちょっとでも倒れはじめたらもう足で支えることは不可能な重量なわけだから、当然そうあってほしいところともいえる。

コントロールしやすいスムースなエンジン

エンジンは1800cc水平対向6気筒。馬力は控えめに100馬力前後だが、トルクは170Nmと排気量相当だ。このトルクを活かし、420kgオーバーの車体を推し進める。

ギアは5速、1から4速+OD(オーバードライブ)の構成。ここでも感覚的には125ccのバイクと同じように、比較的早めにシフトアップしていき、ふと気づくと巡航速度に達しているという。大型であること、1800ccであることをあまり意識させない自然なパワー感である。

トルクが強大というイメージもないし、超高回転型という訳でもない。スロットルを回したら回しただけパワーが付いてくる。それだけにスピードコントロールが容易で非常に乗りやすい。

これにオートクルーズを組み合わせると高速100km/h巡行は余裕だ。

大きなウィンドディフレクターによりヘルメット上方まですっぽりと覆い、風を受けることがない。そのため普段はネックウォーマーをまいて、ジッパーできっちり締め上げる首元も、余裕を持っても寒く感じることはない。むしろ巻き込んだ風が後ろから体を推し、じわじわと背中を冷たくする方が気になるくらいだ。

グリップウォーマーとシートヒーター装備で、防寒対策もしっかりしている。サイドミラーの位置が最適で、指先に風が当たることもないので、10度を下回る環境でも体が冷たくてしんどい、ということにはならなかったのは幸いである。

気になる燃費も14km/L〜16km/Lと1800ccと考えるとなかなかにして良好だ。もっとも燃費を気にする人がゴールドウイングに乗るとは思えないが、航続距離と関わるので燃費はいい方が何かと便利だろう。

気を引き締めるステアリング

走るのは非常に楽だが、止まるのは緊張の一瞬だ。

ブレーキをかける、速度が落ちると不安定になるのが二輪車の特徴である。特に微速時が危ない。足がついてもその重量はとても支えきれるものではない、だから絶対に安定させて止めなければならない。

そのためにはステアリングを切り込んで止まってはいけない。

ステアリングはセルフステアが効くように、切り込むとその方向に車体が倒れるようになっている。そのためハンドルを切って速度が落ちると自然に倒れてしまうのだ。

軽い車体のバイクなら誤魔化しがきくが、このゴールドウイングは誤魔化しようがない。曲がりながら止まったら、そのままガチャーンと倒れるだけだ。

だからまるで飛行機の着陸のように、滑走路に対してまっすぐアプローチして速度を落として停止する、という手順を踏む。

逆にこの手順さえ取れば、問題になることはほとんどない。両足ペッタリつくし、足に力も不要だ。

少しだけ緊張するのは、スタンドを出し入れするときに右に傾ける瞬間。右足は自分の場合、バイク事故で大腿骨骨折をしており、筋肉が左に比べて圧倒的に弱いので支えきれる自信がない。

それでも車高を下げたおかげでなんとか無事にスタンドの出し入れはできるし、ギアも入れられる。

高速巡航で快適なゴールドウイングだが、一つだけ気になることがあった。それは首都高などの道路の継ぎ目での振動がダイレクトにハンドルに伝わってくる点だ。

これは構造を考えると仕方がない。ハンドルはフロントフォークについているが、フロントフォークは伸縮する単なる棒である。重量級の車体を支えるためにフロントフォークはかなり固くセッティングされているが、これが首都高の継ぎ目などの微細振動の際にダンパーの硬さと摺動抵抗が合まって、振動を吸収しきれずにブルブルと伝わってきてしまうのだ。

シートはふかふかで包み込まれ、しかもシートヒーターがあるので快適なのに、グリップからはブルブル振動、場合によってがゴンゴンという不快な衝撃が来てしまう。これは確かに気になる。気になったからこそ、新型ではフロントサスペンションの構造を変更したのだろう。それだけに新型で興味津々な改善ポイントだ。

エンタテインメントシステム

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マイナーチェンジでUSB端子装備、iPod接続可能になっているものの基本設計は古い。多くは求められないものの、AUX入力やUSB入力から音楽が流せるのは必要十分で利便性が高い。

新型では2輪初Apple CarPlay搭載ということで、大幅なアップデートに期待したい。

(続く)


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のりものブロガー

野間恒毅

スーパーカーと美女が好き。 日々RR, FR, FFと駆動方式を選ばずドライビングスキルを磨き、ドライビングプレジャーを追い求めています。リターンライダーとして大型二輪免許取得、大型バイクに乗っています。ミニ四駆、ラジコン、ドローンなどホビーも幅広くカバーしボート。個人ブログはこちら(のまのしわざ


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