比類ない高みへ。ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテ登場
2017.06.12ランボルギーニといえばスーパーカーメーカー。一時は倒産も危ぶまれましたが「ガヤルド」がロングラン・ヒット、その後継となるウラカンは完成度の高さと洗練されたデザイン、卓越したパフォーマンスで世界中でヒットを続けています。
ウラカンは4輪駆動のLP610-4からはじまりスパイダーやRWDモデルを追加。RWDの軽快なハンドリングと比較的お求めやすい価格帯はこれまた高い評価を受けています。今回追加されるのはモデルの最高峰、サーキットでのパフォーマンスを最大化するためのもので、その名もパフォーマンスのイタリア語「Performante(ペルフォルマンテ)」。
軽量化技術 フォージドコンポジット
前モデル「ガヤルド」ではスーパーレジエーラ(英語でいえばスーパーライト)、軽量化モデルがそれに当たりましたが今回取り組んだのは軽量化だけではありません。
もちろん軽量化は最新のフォージドコンポジットを利用、全体で40kgの軽量化に成功しています。このフォージドコンポジットは特許取得の独自技術で、そのカーボン模様も独特。ある意味結晶体のような不可思議な模様となってますが、それがリアウィングやディフューザーにふんだんに使われており、デザイン的なアイコンともなってます。
アクティブ・エアロダイナミクス ALA
エアロダイナミクスも最新のものにアップデート。「エアロダイナミカ・ランボルギーニ・アッティヴァ(ALA)」はフロントグリル内やリアウィング付け根に装着するバルブを開閉することで空気の流れを制御、ドラッグを減らすことが可能。
そのためF1のDRSのように高速域でドラッグを減らして最高速を上げることができるほか、リアウィングでは左右独立して制御することで、コーナリング時に内側にダウンフォースをかけることで、ロールを抑えトラクションを確保する「エアロ・ベクタリング」を可能としました。
ALAは角度可変式のウィングを使うよりも軽量というのもメリットです。
すべては最高のパフォーマンスのために
V10エンジンもリファインをうけさらにパワーアップ。
最高馬力は+30馬力の 640馬力、トルクは+40Nmの600Nm。その結果0-100km/h加速 2.9秒、0-200km/h加速 8.9秒、最高速度は325km/hに達します。
そして引き締められた足回りのセッティングはニュルブルクリンクのラップタイムも比類ない世界へと到達しました。
これまで記録をもっていたポルシェ918スパイダーを打ち破り、6分52秒01のタイムを記録して量産車最速となりました。同門対決となるアヴェンタドールSVよりも7秒も速くグリーンヘルを駆け抜けたのです。
インパネにもふんだんに活用されているフォージドコンポジット。このコックピットはタイムを出すために生まれてます。
このパフォーマンスでお値段はたったの3163万8800円。これはもうコスパ最高としかいいようがないですね。
他社へのリスペクト
さて今回のランボルギーニの姿勢は単純に速いクルマを作ってやろう、というだけではない何かを感じました。もう一度このスライドを見てみましょう。
量産車ランキング1位を示すものですが、その他のメーカーの車種、タイム、そしてドライバーを列記している点です。
この中に日本車は2台、そして日本人ドライバー1名が名を連ねているではありませんか。
歴史をひもとけばランボルギーニのスーパーカーの歴史はフェラーリオーナーだったランボルギーニ自身が、フェラーリを超えるクルマを作ろうということから始まりました。そして今ではその地位を確立しています。つまりは下克上です。
そのため今のランボルギーニの地位をいつなんどき、アジアの大衆車メーカーやポッと出の新興メーカーが脅かすことになることか、それはないとは言えません。だから同じところに居座るのではなく、常に周囲に目を配り、そして最高の技術を投入してタイムという結果に結び付けようと考えているのでしょう。
そしてタイムを出すのはクルマではなくドライバーであることを良く分かっています。
ランボルギーニのマルコ・マペリ氏だけではなく、その他のドライバーについても名前を出していることからも、クルマとドライバーの両方にリスペクトを送っていることが伺えます。そう、ライバルとして君たちを認めているよ、ということです。
レースは戦いですが、同時に同じ船に乗る仲間でもあるのです。特にタイムアタックにおいては、誰かが邪魔をするわけではなく、敵がいるとしたらそれは悪魔のように牙をむくコース「グリーン・ヘル」自身です。その悪魔「グリーン・ヘル」に立ち向かう仲間がいるからこそ、切磋琢磨し立ち向かう勇気を与えてくれるのでしょう。やりすぎてアヴェンタドールSVすらも超えてしまっていますが、それもよしとしています。
こういった物語を含めての、スーパーカーなのです。
そう考えるとやっぱりコスパ、いいですよね。
誰に向けていっていいのか分かりませんが、オーナーが羨ましいですね。ぜひ一度乗せてもいただきたいものです。