#FZ250 PHAZERレストア phase-23: 仮完成、公道初走行!
2016.12.30カウルもとりあえずつけて、ついに仮完成! 公道試乗にいってきますよ。
エンジン絶不調
さて行ってきたものの、問題多発。まずブレーキがあまり効きません。
これは致し方なし、なにせブレーキパッド新品交換して当たりが出るまでは効かないものです。またブレーキフルードにエアがまだ嚙んでいるらしく、フィールもいまいち。
地道にエア抜きを続けます。
しかし何より問題なのは、エンジンが全然吹けないこと。7000回転が頭打ち、どんなにアクセル全開にしても10,000回転まであがるかどうか。その結果最高速は50km/hがせいぜいでツーリングや街乗りという状況でもかなり辛い。というかそもそもそのへんの原付バイクの方が早いんじゃないの??
1番プラグの様子をみてみると、どうやら燃料が濃い模様。これはキャブレーター調整をしなければ!
と思ったのが運の尽き? ここから泥沼作業が始まったのでした。
いやいやそもそもこのFZ250を掴んだのがそもそもの運の尽き、毒を食らわば皿まで。14,500回転のジェットサウンド響かせて、いくぞ磐田、ヤマハコミュニケーションプラザまでのツーリングが夢、このプロジェクトの最初のゴールなのです。
キャブレーター調整
試走できた翌日、エンジン始動もままならなくなり、症状は悪化。初爆はくるのですがその後アイドリングが持続しません。もしかして気温が下がり酸素の充填密度が上がり、燃料が薄くなった?
キャブレーターを外す前にまずフロートチャンバーからガソリンを抜きます。
ガソリンコックはOFF、何度かキースイッチをOFF->ONを繰り返してポンプを作動、フロートチャンバー側にガソリンを寄せます。そして片側2箇所づつ、ドレンに内径6mmのシリコンホースをつなぎ、ドレンボルトを緩めるとガソリンが抜けます。
抜いたガソリンはオイルジョッキに集め、ガソリンタンクに戻しました。
(せっかくつけた)カウルを外します。このへんは手慣れたもので、エアクリーナーを外し、アクセルワイヤー、チョークケーブル、燃料ラインを外してキャブレーター本体を取り外しました。
すかさずフロートチャンバーを分解、パイロットジェットを交換へ。
せっかく前回RR #17.5からS #15へとしたのに、今回再び元のRRに戻します。
迷うメインジェットとジェットニードル
ふけ上がらない症状はどうもガソリンが濃いから。そのため薄くするためにメインジェットを S #72.5から L #69へとリーンにします。
ジェットニードルはどうするべきか...
とりあえず分解。固着していてなかなか取り外しが大変、しかもこのプラ部品は当然欠品、純正流用したとしても1セットで1200円、4つ揃えるとまた5000円コース。くわばらくわばら。
ジェットニードルは迷ったものの同じ番手の新品を使用、ピン位置を最初は1段ずらしたのですが、ただでさえ濃いのになんで濃くなるほうにするのか疑問になったため最終的にはまったく同じ位置に。だったらなんで分解したのか、やらなくていい作業でした。
とりあえずこの状態でもとに戻します。
エンジン始動せず
ところがアイドリングどころか、初爆すらしません。どんなにパイロットスクリューをいじったところで症状変わらず・・・そうか燃料が濃すぎるんだ。なのにRRにしたから余計だめになったに違いない、ということで改めてパイロットジェットを今度はL #14に交換すべく、キャブレーターを外します。
もはや手慣れたもの、あっさりと取り外します。
今度使うのは #14のパイロットジェット。
これを組み込み、パイロットスクリューを規定の1.5回転戻しにセットしてトライ。
エンジン始動せず
ところが一向にエンジンがアイドリングをする兆しが見えません。燃料が濃いのか薄いのか、もはやそれすらもわからず混乱するばかり。
仕方ないので今度はプラグをチェック。火花が出ていることを確認。
番手を2つ落としたC7Eプラグを買っておいたため、こちらに交換。さてどうなるか?
エンジン再始動するも
プラグを交換したところ無事エンジン始動。アイドリングするようになったので、さっそく公道試走へ行ってきます。
ところが症状変わらず、7000回転で頭打ち。しかもエンジンから異音がするし、どうも不調のまま。
エアスクリューとパイロットスクリューは違う
結局パイロットジェットは L, S, RRのすべてを試してダメ。その間パイロットスクリューをいじって試してもダメだったのですが、そもそもこのパイロットスクリューの回転の方向を間違って理解していたことに気付きました。
キャブセッティング エアスクリューとパイロットスクリューの違い : Trial and Error Yutaのトライアル日記
~最初から結論~
「エアスクリューとパイロットスクリューは逆の働きだと理解する!」当然のことですが・・・
基本的にエアスクリュー、パイロットスクリューはエンジン回転数0%~30%の混合気を調節するものです。ただ・・・
【パイロットスクリュー】
キャブに入った空気と燃料が混ざった後の混合気量を調整するので、
締め込むとエンジンに送り込まれる混合気量が減る → 薄くなる
緩めるとエンジンに送り込まれる混合気量が増える → 濃くなる【エアスクリュー】
キャブに入った空気が燃料と混ざる前の空気量を調節するので、
締め込むと燃料に対する空気量が減って混合気が → 濃くなる
緩めると燃料に対する空気量が増えて混合気が → 薄くなる
このFZ250フェーザーは「パイロットスクリュー」、締めこむと燃料が薄くなり、緩めると濃くなるタイプだったのです。あれ???
つまり最初アイドリングしたとき、RRのパイロットジェットに4.5回転戻し。
次にSのパイロットジェットに1.5回転戻し。
ん、んん???
そう燃調という意味ではめちゃくちゃなんですよ。最初はめっちゃ濃い、次は標準。
そしてLにして1.5回転戻しでかからず、プラグを変えたらアイドリング・・・
そしてプラグはつねに真っ黒。
ということで、原因は燃料系、キャブレーターではないということ。
怪しいイグナイタユニット
翌日案の定エンジンは始動せず。結局どのパイロットジェット、どんな空燃比でもダメなものはダメなのです。
点火系が怪しいということで、このイグナイタユニット。一体どうなのかと抵抗値を計ってみるとサービスマニュアルで示された参考値と10倍以上違う値しか示しません。デジタルテスターだとダメなのか、と思ったほどですが、どうもこのイグナイタユニットが不調だと始動不良、回転数が上がらないなどの問題がでるそうなので怪しさ満点です。
中身はトランジスタとコンデンサの塊なので、このコンデンサが経年劣化でパンクしている可能性は多いにあります。
チョークではなくエンリッチャー
さてついでに学んだことはチョーク機構について。
空燃比は空気と燃料の割合で、火がつきやすい理想空燃比は14.7(燃料1:空気14.7)。これと比較して数値が小さいと燃料が濃い(リッチ)、大きいと空気が多いので燃料が薄い(リーン)となります。
チョークという名前は空気の入り口を絞る(チョーク)することで空気を絞り、一時的に空燃比を濃くすることで着火させる仕組みです。
ということでてっきり空気の入り口を絞るのだと思っていたのですが、このフェーザーの場合スタータープランジャーというもので、スタータージェットからの燃料を吹く、つまり空気の量を減らすのではなく燃料を多くしていました。
スターターというのは和製英語で、英語では「エンリッチャー」、まさに燃料をenrichするという意味あいです。色々勉強になっていいですね、まさに体験学習です。
今は点火系が怪しいですが、キャブ調整をする場合空燃比計があったほうが正確に状況を把握できてよい気がしてきました。
タイムラプス動画
カウルを外したところの動画を撮ったはずですが、消えてなくなってしまいました。残念。
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