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【続報】自動車評論家森野さんのポルシェ911GT3事故死について(現場確認)

2016.04.19

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前回事故原因についての推測を掲載しましたが、今回現場にいって確認、改めてその原因について探ってみたいと思います。

自動車評論家森野さんのポルシェ911GT3事故死について【ワンダードライビング】

事故現場

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・A地点:ブレーキポイント
・B地点:コーナー(カーブ)の一番きつい場所、クリッピングポイント
・C地点:立ち上がりポイント
・D地点:左側ガードレースに接触したポイント
・E地点:右側ガードレールを突き破り、桜の木に激突したポイント

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(直前の右コーナーから立ち上がった、A地点より手前の場所)

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(A地点)

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(B地点)

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(C地点)

C地点からはほぼ直線状に見通せることが分かります。

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(C地点からD地点)
警察がつけた白いチョークのラインがD地点に伸びています。
これを見る限り、センターラインは一切はみだしていません。

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(D地点)

右奥にE地点(事故現場)が見えます。

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(D地点からE地点)

警察がつけた白いチョークのラインがE地点に伸びています。
左側ガードレールにぶつかったあと、ピンボールのように弾かれてE地点へ向かったようです。

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(E地点)

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(E地点)

事故現場です。ガードレールの支柱は2本なぎ倒されていました。

ブレーキ痕・タイヤ痕なし

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これだけの事故でありながら、一切ブレーキ痕、タイヤ痕はみつかりませんでした。

当初オーバースピードでカーブを曲がり切れずにコースアウト、との話しでしたが実際にはそうではありませんでした。

オーバースピードで曲がり切れなかったらB地点でコースアウト、右側の展望台駐車場側に出てしまったはずです。

またB地点でアクセルを踏み過ぎてリアが流れてしまった場合も同様、振り子のようにしてリアが出てしまった場合でも外側へとふくらんでしまって駐車場側にでるはずです。

B地点でアクセルオフでオーバーステアになり巻き込んだ場合、C地点ですでにイン側のガードレールに接触、スピンをしていたはずです。

オーバーステアやスピンの場合タイヤ痕が残るはずですが、そういったものはなく状況的にもその線はないでしょう。もちろんブレーキによるブレーキ痕も見当たりません(例えABSが作動したとしても断続的に残るはず)。

なぜ左側ガードレールに接触したのか?

総合的に判断すると、コーナリングは通常どおり終わりC地点でなんらかの原因で左側によったと思われます。

・センターライン上に落下物、またはセンターライン側によってきた車両があったのでそれを避けるためにハンドルを左に切り足した
・スマホなどに気を取られ、うっかりハンドルを戻し損ねた
・気を失ったなど、体調が急変してハンドルを戻し損ねた

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(E地点からD、C地点方向)

いずれにしても薄く左側ガードレールに接触、反動で右側ガードレールへと飛び出してしまいました。

車両の限界をこえたのであればC地点からE地点へ真っ直ぐいきそうなものですが、実際にはB地点が一番曲率のきついクリッピングポイントであり、C地点まで曲がり切れているのであればそうではありません。

なぜ右側ガードレールを飛び越えたのか?

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(D地点のガードレール、C地点方向)

D地点の最初に接触したガードレールは凹んでいますが、さほど大きなものではありません。むしろ今回の事故と関連があったのかと思うほど。

一方E地点、事故現場のガードレールは大きなダメージとなっています。

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これはガードレールに車両がほぼ前から真っ直ぐあたり、ガードレールと地面の隙間にフロントバンパーからするっと入ってしまったからと思われます。

つまり衝撃エネルギーをガードレールが吸収していません。ガードレールを押し上げるようにして車両は道路を逸脱し、そのままの勢いで横から桜の木に激突したことになります。

もしこれがガードレールが下まであり、車両が道路から逸脱しなければ衝突安全ボディとガードレールが衝撃を吸収していたはずです。

これは追突事故でトレーラーの下に潜り込んでしまう普通自動車や、ジュール・ビアンキのF1の事故と同じ現象です。

ですから実際にはガードレールを飛び越えたのではなく、隙間からするりと抜け出してしまったのです。その点ではスポーツカーの低いボンネット、バンパーはガードレールと正対しないために本来の効果を発揮しませんでした。

ボディの変形具合から当初相当な速度でコースアウトしたと思いましたが、車両のもっとも弱い真横から、ガードレールからするりと抜けだし太い桜の木にぶつかったと考えると、それも致し方ありません。もしこれが右ハンドル車だったら、逆側にぶつかっていたら、と思わざるを得ませんでした。

交通事故とは

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確かに50km/h制限を守っていれば起きなかった事故ではあります。しかし運転をしていて、また運転しなくとも歩行者、自転車で交通法規、一時停止、信号、踏切、駐車、速度を一度も違反したことがなかった人がいるのでしょうか。

交通法規を守ってさえすれば事故がおきない、というものでもありません。事故は事故です。ブレーキが壊れた、タイヤがパンクした、何かが飛び出してきた、などいろいろな要素があります。

この事故は衝撃的でしたが、安全とは何か、事故を起こさないためにはどうしたらよいのか、改めて考えさせられるものでした。

森野恭行さんのご冥福をお祈りいたします。

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のりものブロガー

野間恒毅

スーパーカーと美女が好き。 日々RR, FR, FFと駆動方式を選ばずドライビングスキルを磨き、ドライビングプレジャーを追い求めています。リターンライダーとして大型二輪免許取得、大型バイクに乗っています。ミニ四駆、ラジコン、ドローンなどホビーも幅広くカバーしボート。個人ブログはこちら(のまのしわざ


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