MTシリーズの末弟、ヤマハMT-25/03をMT-07オーナーが試乗してきました(2)
2015.10.05MT-25/03の登場により現行MTシリーズはこれで900cc、700cc、320cc、250ccとバリエーションが増え、選択肢が増えました。さて乗り味はいかに?
MT-25/03のコンセプト
MTシリーズの核となるのはなんでしょう。それはやはり低回転でのトルク感とギアを固定しての伸びやかな加速でしょうか。
Torque & Agilityが MT worldの格であり、シリーズそれぞれでテーマが設定されています。MT-25/03はというと、ザ・ストリート・チーター。
これを実現するために、パワフルなエンジンを搭載、そして正確なハンドリングを実現。
さて、このコンセプトどおりにバイクは仕上がっているのか、そのインプレッションは動画でどうぞ。
試乗動画
MT-25/03の共通項目
身長171cmの私がMT-07に乗車すると、ステップの位置関係から真下に足を下ろせずにかかとまでペッタリ、というわけにはいかないのですが、MT-25/03の場合はステップが多少後ろ側のために足は真下に下ろせ、かかとまでペッタリ付けられます。
車両重量がいずれも165kg、特にエンジンまわりが軽いために車体を左右にふっても軽い印象。足付き性の良さとあいまって、低速での取り回しも気負わずにできます。
手前かつ上側に寄せたバーハンドル採用、アップライトなライディングポジションは足付き性の良さとあいまって、自然に身体に馴染みます。特に首への負担が少ないのが嬉しいですね。
それでいてタンク容量は14Lと、MT-07の13Lよりも多いのはロングツーリングには最適。これにはラクダのこぶ的に、手前側で盛り上げたタンク形状が寄与しているとのこと。外側のは樹脂カバー、実際のタンクはモナカタイプで内側に隠れています。
どちらがお好み・おすすめ?
まずMT-25にのった時、その軽快感と十分なパワー、完成度に驚かされました。そしてMT-03にのると、MT-25で十分だと思っていたパワーに上乗せしてトルクがあり、乗りやすいだけではなく、速さもともなってきます。
MTらしさ、ということで言えば、MT-03がMT-07っぽい味がしていて、私の好みでした。具体的にはずぼらなシフトであっても、低回転のトルクによってアクセルをあけるだけでドドドと加速する粘り強いエンジン特性が Master of Torqueっぽい感じがします。
一方MT-03と比べるとMT-25はやはりトルク感は薄く、パワーを回転数とギア比でかせいでいる傾向にあり、MTっぽさはやや薄らぎます。
なので、
・本来のMTっぽさではMT-03が正統派
・維持費を考えると車検のない250ccエンジン搭載のMT-25がリーズナブル
という感じです。私の解釈では、MT-03が本来あって、維持費を安くするために70cc削ったMT-25を用意している、という感じ。
YZF-R25/R3の場合は逆に YZF-R25が高回転型のエンジンでぶん回す楽しみがあるが、もう少し楽したい、余裕を持ちたい場合にR3がある、というところでしょうか。
実際にはこの4機種、ほぼ同時開発なので上記のような作り方ではないのですが、コンセプトと位置付けを解釈するとこうなりました。
なので、最終的にはその人のライフスタイル、解釈の仕方で好きなモデルを選べばいいと思います。
個人的に欲しいのは、MT-03のほうですね。ダルなシフトでもしっかりついてくるトルクフルなエンジンは魅力。
なお燃費もアクセルを開き気味になるMT-25よりも MT-03の方がカタログ上、僅かに良いです。
・・・
いかがでしたでしょうか。ヤマハからは元気なモデルが次々と出て、活気にあふれていますね。ぜひリターンライダーの入門機として、またはエントリーユーザーの愛機として街に溢れてほしいです。
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