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【雑感】東京オートサロン2015 ダイハツブースにみるフラットな関係 #tas2015

2015.01.14

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改めて東京オートサロン2015のダイハツブースについて、考えてみます。

東京オートサロンの城下町システム

まず東京オートサロンは何か。カスタムカーの祭典であり、ショップがチューニングカーやレーシングカーをお披露目する場として生まれました。メーカーの車では満足できない、もっと自分たちの好みにカスタム、チューニングしたものが欲しいという希求の現れです。

もともとチューニングカーとは非合法的要素が強く、参加者もどちらかというと走り屋や暴走族といった柄の悪い連中の集まりであったことは否めません。

ところが時代が移り変わり、メーカーが参入するようになってからはすっかり様変わり。家族連れが遊びにくる、楽しいイベントのように受け止められてます。

とはいえ、昔ながらの文化が消え去ったわけではありません。今でも現役連中をOBが訪問する、後輩が挨拶にくるといった、年始行事の一つでもあります。縦社会、礼儀作法を重んじる世界ですから、挨拶回りは欠かせません。

メーカーが参入してブース構成をみてみると、明らかに系列的な配慮がなされていることが分かります。ブースの位置関係で、ああ、このショップ、このパーツメーカーはこちらよりだなと。ビジネスとしてみたときに、小さなショップが頑張ってるよりも、メーカーに認められてメーカーお抱えになった方が展開しやすいことは誰でも分かります。なので、各パーツメーカー、ショップはメーカーに近づこうという意識をもっています。

メーカーは、お抱えのショップやパーツメーカーに対して手厚い保護を与えます。例えば新車が出た場合、いち早く開発を進めるために車両情報の提供、さらには発売前の実車を提供します。するとどうでしょう、新車発売と同時に、複数のチューニングメーカーのデモカー、パーツが揃っているのです。

ユーザーにとっては新車をかってすぐ、サスペンションやマフラーを交換できこれはこれでいいように見えますが、割を食うのは零細ショップ、パーツメーカーです。

こういったところは新車がでると、それから自分たちでクルマを購入し(またはユーザーの車を借りて)、パーツ開発を進めて商品化するのです。短くても半年、長い場合は1年以上かかります。

その頃に市場投入しても初期ニーズはすべてメーカーお抱えのショップ、パーツで占められており、売れる見込みがありません。なにせブランド力も上ですし、買いたいときに買えるというタイムリーな市場投入だからです。

こうしてショップ、パーツメーカーはメーカーお抱えとなりたがり、そうしてメーカーは殿様として、城下町を作りあげるのです。

でもオートサロンの、もともとの主旨からするとズレがあります。ユーザーが自分たちで好きな、理想な車を作りあげる、カスタムするということから発生しているのですが、結局はメーカー主導の「綺麗なジャイアン的」チューニングカーしか生まれないからです。

ダイハツ・コペンのフラットな関係

通常メーカーは城下町システムですが、ダイハツブースだけは様子が異なりました。というのもまずコペンだけしかないこと。そして展示されているオリジナルのスタイリングをまとったコペンも完全に主導権をデザイナーに明け渡した点です。

TOKYO AUTO SALON 2015|COPEN|Brand&Fan Community

これでは「ダイハツブース」とは呼べません。もはや各車両をデザインしたデザイナーのデザイナーブースといっていいでしょう。

TAMON DESIGN (タモンデザイン)

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Love SANJO

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D-sportsはダイハツの系列ですが、デザインは pdc designworksが担当。

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このグレーのコペン、実はD-sportsのロゴが入っているのですが、デザイン上入れたくなかったのでコントラストをおもっきり落としているので写真では分からないほど。こんなことが許されてしまうのです。

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デザイナー重視の姿勢はプレスブリーフィングからも伺えます。デザイナーの紹介、そしてトークショー。ブースにはデザイナーがたち、車両の説明を担当。コペンは縁の下の力持ち的存在。

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どうしてこんなことができるのでしょうか。それはダイハツの、コペンの姿勢にありました。

「お客様の一番近いメーカーでありたい」

ダイハツは軽自動車メーカーとして、「お客様の一番近いメーカーでありたい」ということを繰り返しメッセージしています。作って、売って、はいオシマイではなく、ユーザーとの関係はそこからスタートするということをよく理解しています。

特に新型コペンではユーザーが自分自身の好きなスタイリングにできる可能性を秘めたドレスフォーメーション(内部骨格構造+樹脂外板)を提案、それを実現するのが各デザイナーというわけです。

展示はとにかくデザイン一点張り、エンジン系、サスペンションやマフラーといった性能アップパーツはないのも特徴。藤下開発責任者のいう Make the one you love。あなたの好きなカタチに仕上げましょう、というデザインの提案です。

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このデザインを作るにあたり、新車発売前に図面を広く公開しました。誰でも応募すれば図面を手に入れ、内装、外装パーツを作れるのです。城下町システムとは大違いのフラット、公平な環境提供です。

車とはなにか?

自動車を取り巻く環境は依然厳しいです。エコカーの台頭やカーシェアの普及により「マイカーを持つことはバカらしい」という風潮すらあります。特にスポーツカーやオープンカーという「使えない」車は冷遇され、見下されています。

しかし本当にそれでいいのか? ダイハツでいえば車はタントだけでいいのか? 荷物がのせられて、人間がのれて、安く移動だけできればいいのか?

車に乗る楽しみは何か、運転する楽しみは何か。移動・運搬だけが目的ではなく、運転そのものが愉しみではないのか、それが自動車文化ではないのか。

オープンカーは外気にさらされることで、より多くのものを感じ取れます。温度から湿度、風、空気感。それこそ排気ガスが汚れているのか、綺麗な澄んだ空気なのか。窓を閉め切ってエアコンをかけたエコカーよりも、より自然に近いのです。

そして外界と隔絶されてない、連続性があるからこそ、人とのコミュニケーションが密になります。横断歩道で「どうぞ」と止まって道を譲る、「ありがとう」という声が聞こえる、それはオープンカーのひとつの醍醐味です。オープンカーは open your mind car でもあるんです。

そういったことの、ひとつひとつの積み重ねが車文化を作っていくんです。未だに小学生のころ、猪突猛進の車の中にあって、唯一道を譲ってくれたBMW2002の姿が思い出されます。

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もっと根源的なもの。移動や運搬の道具ではなく、そもそも運転が楽しいこと。より自分らしく、より楽しいものに。それが、オートサロン本来の「カスタム」「チューニング」という根源にたちかえることができると思います。

ユーザーの声をきく

コペンはユーザーとのコミュニケーションも密です。copenのcは communicationでもあるのです。それが各種ユーザーとの交流イベントの開催であり、実車に直接触れ合う機会でした。

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初代を彷彿とさせる丸目コペンもそのひとつ。ユーザーヒアリングで、どうしても、やっぱり、丸目じゃなきゃイヤ! という声を多数きき、それならばということで準備を進めています。

今の三角目コペンだって相当思い入れがあり、自信作だったはずです。しかし頑なに拒むのではなく、コストと手間をかけて準備する柔軟さが、ユーザーともフラットな関係を構築できるのでしょう。

2015年は楽しみな年

TOKYO AUTO SALON 2015

今年はマツダ・ロードスター、ホンダS660のデビューがあり、オープンカーが群雄割拠しますが、これについてもコペンサイドは余り気にしてない模様。どちらかといえばオープンカーというものが認知され、市場がより活性化することを期待しているそうです。

TOKYO AUTO SALON 2015

あれもいいよね、これもいいよね、とお互いに色々なものを認め合うことが、多様性につながり、ひいては文化になるのではないでしょうか。今年は楽しみです。



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のりものブロガー

野間恒毅

スーパーカーと美女が好き。 日々RR, FR, FFと駆動方式を選ばずドライビングスキルを磨き、ドライビングプレジャーを追い求めています。リターンライダーとして大型二輪免許取得、大型バイクに乗っています。ミニ四駆、ラジコン、ドローンなどホビーも幅広くカバーしボート。個人ブログはこちら(のまのしわざ


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