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ヤマハFZ250 PHAZER(フェーザー)1985年式 レストア記

マツダ党 vs アンチによる 新型デミオ SKYACTIVE-D 試乗レポート【動画】

2014.11.11

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日本カーオブザイヤーにも輝いたマツダ新型デミオ。どの雑誌、メディアをとっても「いい」という評判ばかりですが、自分の目で確かめないと信じられません。今回はマツダ党の iPodStyle 戸津さんとともに1.5Lディーゼル直噴ターボ+6速ATモデルに試乗、評判どおりの出来栄えなのかを試してきました。

マツダって本当にいいの?

個人的な体験としてマツダ車というとFD3S RX-7(2型)を一時共同所有し、ダートトライアルに参加していたことがあります。

この時コストセーブする目的で基本的なメンテナンスは自分たちで行う、ということでやっていたのですが、とにかく整備性が悪い。薄いエンジンルームにシーケンシャルツインターボを無理やり詰め込んだおかげで配管の取り回し、特に吸気系がグルグルととぐろのように巻いていて、何をするにしてもこの配管を外さなければなりません。

また圧迫されたラジエーターは下側の斜めに配置、グリルが薄く、小さく風があたりにくい上、熱気が抜ける場所はエアクリーナーボックスとバッテリーでふさがれているのでダートトライアル1本走行でオーバーヒート、ハイパワーなロータリーターボと浮世離れしたデザインのツケはなかなか大変なものでした。

マツダは欲張りすぎ! 孤高のロータリー搭載 FD3S RX-7とRX-8 - のまのしわざ

正統派ではなく、他のメーカーがやらないことに賭けるギャンブル体質が根本的にあり、ハマればいいんですけど、ハズしたら箸にも棒にもひっかからない、という印象です。アンフィニ、ユーノス、オートザムといった多チャンネル拡販戦略の失敗や、マツダ地獄という言葉も生み出しました。

とはいえ昨今のデザイン戦略やハイブリッド開発に投資ができない代わりに堅実に内燃機関を開発していった結果、クリーンディーゼルのSKYACTIV-Dを生み出して評価がぐっと上向きに。そして今回のカーオブザイヤー受賞です。

でもまだ信じられません。

マツダ党の iPodStyle 戸津さん

試乗にあたり、アンチバイアスがかかってはいかんだろうということで、今回は根っからのマツダ党である iPodStyle 戸津さんを招聘しました。いつもは動画撮影等でご協力頂いています。

戸津さんはNAロードスター、初代アクセラとマツダを乗り継ぎ、その後「都心でクルマを持つのは不経済だ!」ということから現在ではカーシェア「タイムズプラス」を利用。そこでデミオをよく借りているとのこと。

さてこの真逆な2人による試乗インプレッションはどうでしょうか、動画でどうぞ。

動画レポート

試乗インプレッション

まず1.5Lディーゼル直噴ターボはトルクフルで1130kgの車体と大人3名乗車であっても余裕の走り。上り坂でも高速道路の合流でもパワー不足を感じることはまったくありませんでした。最高トルクは250Nm/1500-2500rpmとパワーバンドは狭そうに見えましたが、実際に5000回転のレッドゾーンまで踏み込んでみても頭打ち感はあまり感じられず、シューンと回り切ります。

エンジンパワーを活かしているのが多段化された6速AT。正確に適切なギアを選んでくれるおかげで、105馬力とスペックは平凡なものの、期待値以上の走りです。パドルシフトでギアのアップ、ダウンを繰り返してもシフトショックはほぼなく、快適そのもの。

結論からいうと、燃費とパワーの両立をはかるにはマニュアルモードではなく普通のDモード、自動変速に頼った方が効率が良さそうでした。

アクセルペダルは2段階あり、1段階目は柔らかめでアクセルに対してかなり緩慢な動き、そこからさらに奥の2段階目はカチっというスイッチのような重さが変化があり、さらに踏み込むとシフトダウンしてエンジンが吹けあがります。フル加速するにはこの2段階目の奥まで踏み込む必要があります。

燃費運転を重視した結果なのでしょうが、2段階目があるからまあよしとしましょう。

乗り心地はふわふわ感もゴツゴツ感も特になく、非常に普通。シートが皮ということもありサスペンションと合わせてソフトなタッチになっている印象です。シート自体は多少小ぶりな形状で、長距離走ったときの疲労度は今回は不明でした。

ハンドリングは街中試乗のため多くは試せませんでしたが、多少のコーナリングを試してみたところ、3人乗車の割にはなかなか曲がる方で、期待させられます。

ハンドルの手応えは薄め、とにかく軽くてクルクル回せるタイプ。これは好みが別れるところでしょうか。

ブレーキのタッチ、制動力は良好で踏みこんでいくと制動力が増すのでコントロールがしやすいです。

以前レンタカーで借りたデミオはシャーシが全体的が軟弱で、高速道路で直進するのも怖いと思ったものですが、今回のデミオなら100km/h巡航を余裕でこなせます。これは大進歩。

おしなべて全体的に「よくできている小型車」になっており、ヨーロッパのコンパクトカーに比肩できる出来栄えと思いました。

マツダっぽくない?

これまでマツダといえば、良くも悪くも「マツダマツダ」していて、自己主張が強かったように感じます。こだわり過ぎというか、プライドが高いというか。例えばロータリーエンジンでいえばあのおむすび型のデザイン意匠をRX-8のあちこちに配置していてボンネット、シートバック、シフトノブ、リアバンパー・・・といったように自己主張しすぎていたりと。確かにそういうのも大事ですがやり過ぎ注意で、そんなにこだわりない人には引かれてしまいます。

内燃機関のディーゼルエンジンで、クリーンかつ高燃費にしたことや、CVTではなく6ATであること、全体的な作りがオーソドックスなのですが、それぞれがうまく調和した結果、偏ることなくバランスがとれた好例ではないかと。

逆にいえば車自体は無個性で、色でいえば純白、何か刺激的なものや、突出した性能を求めたい向きにはモノ足りない印象です。とはいえあくまでもこれはベース、これからマツダらしい何か、それがスポーツなのか、ZOOM-ZOOMなのか、そういったマツダテイストがふりかけられるのかなあ、と夢想しています。

ベーシックモデルの実力はいかに

今回の試乗車はオプション込み 221万4000円のグレード。現在受注の6割程度が高めのディーゼルモデルですが、レンタカーやカーシェアで一般に触れあうモデルはベーシックグレードです。デミオの実力はこのベーシックモデルがどれだけ、今回のハイグレードと変わらないか、に尽きるでしょう。

そこで改めてマツダ党 iPodStyle戸津さんの感想を聞いてみたいものです。

【MAZDA】デミオ - SKYACTIV TECHNOLOGY搭載車

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【試乗車詳細】

MAZDA DEMO XD Touring L Package

型式 マツダ LDA-DJ5FS
総排気量 1498cc
駆動方式 FF
車両寸法(全長x全幅x全高) 4060 x 1695 x 1500[mm]
車両重量 1,130kg
乗車定員 5名
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC 16バルブ直噴ターボ
最大出力 77kW(105PS)/4,000rpm
最大トルク 250Nm/1,500-2,500rpm
燃料供給装置 電子式(コモンレール)
燃料・タンク容量 軽油・44L
燃料消費率(JC08モード) 26.4[26.6]km/L [iELOOP装着]
変速機形式・変速段数 SKYACTIV-DRIVE (6EC-AT)
最小回転半径 4.9m
ボディカラー スノーフレイクホワイトパールマイカ
タイヤ&ホイール 185/60R16 86H タイヤ&16x5 1/2Jインチアルミホイール

車両本体価格 2,030,400円
オプション価格 183,600円
 セーフティーパッケージ
  ブラインド・スポット・モニタリング
  ハイ・ビーム・コントロールシステム
  車線逸脱警報システム
 CD/DVDプレイヤー+地上デジタルTVチューナー(フルセグ)
 i-ELOOP

合計金額 2,214,000円


この記事を書いたライター

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のりものブロガー

野間恒毅

スーパーカーと美女が好き。 日々RR, FR, FFと駆動方式を選ばずドライビングスキルを磨き、ドライビングプレジャーを追い求めています。リターンライダーとして大型二輪免許取得、大型バイクに乗っています。ミニ四駆、ラジコン、ドローンなどホビーも幅広くカバーしボート。個人ブログはこちら(のまのしわざ


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