FFが好きな理由:空間効率が良く、たくさん積めて、走りもイイ
2014.08.12先日のダイハツ新型コペン試乗レポート(動画)でもお伝えしたように、とにかくFFが好きです。その理由は
・リアに構造物がないため、荷物がかなり積める
・ボディサイズが小さく、慣性モーメントが小さい、俊敏
・リーズナブルな価格(安い)
からです。
新型コペン公道試乗レポート(5MT・CVT) オープンエアからハンドリングまで【動画】【ワンダードライビング】
実際にイラストで図解してみました。
FF(1)
いわゆるクラシックミニ、オールドミニタイプのFF。エンジンは横置きでトランスミッションは一体化して車軸直上~車軸前に置かれます。ラジエータと接近しているのも特徴。大人4人が乗れて、ラゲッジスペースも確保されます。
背高軽自動車はこの構造。
FR(1)
オープンスポーツカータイプのFR、ホンダ・S2000やマツダ・ロードスターがこの形式。縦置きエンジンに縦にトランスミッションが伸び、車室内、特に足元を圧迫するように飛び込んできます。プロペラシャフトが中央を走り、センタートンネルも大きめ。最後にデファレンシャルギアを介して後輪に動力を伝えます。
特にこのフロント・ミッドシップタイプはエンジンを車軸後ろに積むために、車室の圧迫が顕著。
FR(2)
比較的普通のFRセダン。エンジン重心が車軸上、比較的前目にすることでトランスミッションの車室への飛び出しを軽減しています。とはいえプロペラシャフトは長く、センタートンネルが大きくなるのは変わらず。
リアトランクを長めにとることで、ラゲッジスペースを比較的自由に決められることが特徴。
FF(2)
ステーションワゴンタイプのFF。FR(2)と同じく、車室をそのまま後ろに伸ばしラゲッジスペースを比較的自由に決められます。トランクと違い高さもルーフまであるので、容量はセダンよりも大きくなるのが特徴。
番外:RR
世界で唯一のRRスポーツカー、ポルシェ911。エンジンは後輪車軸の後ろに搭載され、縦置きミッションはその前に飛び出て車室内、後席中央に張りだします。元々空冷であることや空力的な要求からエンジン後端はすぼめられているため、リアウィンドウの角度は急激で後席のヘッドルームはミニマム、いやないも同然。トランスミッションの張りだしとともに大人が乗るのは無理、子供用の補助席 2by2となっています。
一方でそういった構造は前席には影響がなく、足元広々、ヘッドスペースも確保できています。
トランクはフロント、車軸前に確保されていますが、ボンネット高が低くなっているため容量は限られています。
問題外:MR(図なし)
ミッドシップのMRはエンジンが最優先な構造であり、ドライバーが次、荷物はほとんど無視といった状態です。基本的に2シーターしか成立しません。
よいFFになるには
構造的にメリットの多いFFですが、デメリットもあります。それは構造物がフロントに集中しているため、フロントヘビーになることです。この前荷重を活かしてのセッティングが大事で、逆をいえば駆動輪に荷重がかかっているのだから良いことでもあります。
ハンドリングを左右するのが、ただついているだけ、と思われがちなリアサスペンション。フロントはトラクションを確保、リアとのバランスでハンドリングを決定します。
あとは重心。クラッシックミニ(オールドミニ)がモータースポーツで活躍したのはボディサイズ、エンジン・トランスミッションが極限まで小さかったことに加え、重量物であるドライバーの着座位置を極限まで下げて低重心化したため。背高軽自動車との決定的な違いはここにあるといえます。
「乗り降りしやすいシート位置」
という謳い文句がありますが、これではハンドリングは望み薄です。車高はひくく、重心はひくく。
そうすればFFは積んでよし、走ってよし、お値段お手頃の素敵なパッケージングなんです。
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