【PR】消費税アップ前夜。改めてみんなで考えようクルマの税金
2018.05.31
爽やかな季節、5月。風は涼しく、日差しは暖かい。オープンカーに最適な季節で、海から山道、高原へとドライブに行きたくなるほど心が躍ります。ところが一方でブルーな時期でもあります。それはなにか。そう、5月末は自動車税の納税期限なのです。
所有だけではなく走るのにも税金がかかる
毎年4月1日に自動車の所有者に課税される「自動車税」は2000ccのエンジンで39,500円。この金額は国際的に突出しているものです。
(注※ 断りがない場合、この記事ではガソリン乗用車を想定しています)
重い自動車税だけではありません、ナンバーをつけて公道を走るときにも税金がかかってきます。それはガソリンにまつわる税金。
ガソリンは実際の燃料代に、上乗せでさまざまな税金がかかっています。まずは揮発油税で48.6円/L、地方揮発油税で5.2円/L、最後に消費税8%です。
ここでおかしいのが、揮発油税が加算されたものに消費税を加算している点。税金に税金をかけている、二重課税問題です。
本来消費税とは消費活動に対して課税するもので、物品税を廃止して導入されたものです。にもかかわらずガソリンに対しては消費税だけではなく揮発油税という税金が加算されたうえに消費税がとられています。
無限に続く暫定措置
この揮発油税の内訳もおかしなもので、本来の税金(本則税率)は合わせて28.7円/Lにもかかわらず、1974年度から「暫定措置」として特例税率が適用された現在では税率25.1円/Lが加算されて合計53.8円となっています。
これは暫定期間が切れた2010年に一旦はなくなったのですが、すぐさま法改正、なんと「期限を決めず」に適用され続けています。
さらにこの特例税率は自動車重量税でも同様で、本来の税率の1.6倍から2.5倍の税率が加算されているのです。
受益者負担の崩壊
税金というのは古くから権力者が一般庶民から搾り上げるものが世の常です。しかしその税金は一般庶民への公共サービスとして、主にインフラ整備に使われているから一揆や革命が起きないというものです。
ところがこの自動車にまつわる税金は趣が異なります。
もともと道路特定財源、つまり自動車が走るための道路を整備するために使用するから課税するよ、という受益者負担の原則から重税を課していたので、我々一般庶民が乏しい給与からおさめたことで道路整備がされていて走りやすくなったという実感が持てました。
ところがこの特定財源を一般財源、つまり道路整備などの特定用途に限らず、なんにでも使えるようにしてしまったのです。その裏には道路整備が進んで新規道路建設が減ったこと、予算消化のための無駄な道路補修工事の抑制から、歳出が歳入を下回ってしまったことにあります。つまり税金が余ったのですね。
税金が余るのであれば、本来税金を下げればよかったはずです。ところがこれを他に流用しよう、と考え実際にそうしてしまいました。
そこに受益者負担の原則はなく、自動車所有者という簡単に税金を徴収できる庶民からチューチュー吸い尽くそうという国家権力の横暴を見て取れます。
今やクルマは生活必需品
このような自動車所有者への重税は今にはじまったものではありません。
もともと自動車は高級品、贅沢品で一部の富裕層しか所有していませんでした。そのため累進課税とともに、富裕層へ課税するのだからこれくらいはいいだろう、という一般庶民の理解も得られた歴史的経緯があります。
ところが1970年代のマイカーブームで、自動車は大衆車、いわゆる庶民の足としてクルマが普及しはじめます。
それまで徒歩と公共交通機関を基本とした交通網は、自動車の普及、そしてその重課税に基づいた道路整備とあいまり様変わりしました。地方はもちろん、一部の都市中心部を除き、交通形態は自動車移動を基本として成り立っています。いまや日本の風景はアメリカと同じです。
自動車にのって移動して買い物、食事をする。レジャーを楽しむ。もはや自動車は庶民の移動手段として必須のものとなっています。
地方では電車やバスが経営難から衰退、不便になっている現実があり、そこで自動車を持つことはライフラインといっても過言ではありません。また高齢化の進行により、徒歩や自転車で移動することが困難となっており、ますます自動車への依存度が高まっています。
にもかかわらず、未だ戦後の自動車所有は贅沢という認識かつ、とりやすいところから取るといった旧態然とした重い課税システム、不公平な徴税となっており、これは変革しなければなりません。
このままでは日本社会が崩壊する
都市圏はともかく、地方部の公共交通機関の経営状況は深刻です。JR北海道、四国といった鉄道はもちろん、路線バスも赤字で地方自治体からの補助金でかろうじてカバーしている現状があります。
地方自治体も人口減少、税収減少が続く一方で医療や福祉のための歳出が増加しており、このままでは債務超過で財政破綻の危機にさらされています。そんな中、赤字路線への補助金もじきに打ち切られ、バス会社は路線バスを次々と廃止していく未来が来ます。
するとさらに自家用車の重要性は増していきますが、これにより徒歩圏内にあった商店への客足が途絶え、地元密着型の経済圏は崩壊、郊外のショッピングモールのみが生き残ることになります。
もはや自動車なしでは生活できない、アメリカと同様の状況になりつつあるのです。
アメリカは自動車社会のために、高速道路は無料。また産油国という側面を併せ持つためにガソリン代は日本の約半額、前述したようなむやみやたらな課税もありません。そのため維持費は比較的に安いです。
本来日本は徒歩社会でしたが、ここまで自動車社会にシフトしてしまうともはや止まりません。アメリカ同様、自動車を社会基盤として認め、個人負担を低減させる方向にならないと、自動車がもてない人は不自由な生活を強いられる、はたまた生きていけない未来がやってくるのです。
テクノロジーの進化で自動運転や、無人タクシーサービスが将来実現するでしょうが、コストの問題や安全性の問題の解決にはまだ時間がかかります。
それまでの間は少なくとも、人間がハンドルを握る必要があるのです。
現⾏法制上⾒直すべき課題
JAFでは自動車を取り巻く税金について、取得段階、保有段階、使用段階に整理し、それぞれ問題提起を行っています。
上記で述べたような複雑かつ、取りやすいところから取る重課税の状況を公平、公正、簡素なものとし、ユーザーの負担を軽減してほしいというものです。
皆さんはこんな状況をどう思いますか?
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