ドライバー人生60年。カラータイマー点滅中の我々おっさんに猶予は残されていない。
2014.08.12素晴らしい文章力で常々敬愛している清水草一さんの、素晴らしい文章を見つけたのでご紹介。
【清水草一、欲望の純結晶107】458スペチアーレ初試乗(その1)|ホビダスオート【自動車趣味を楽しむ人へ向けた総合ニュースサイト】かつて信長は「人間五十年」の敦盛を好んで舞ったが、私の脳内には、「人間六十年」の感覚がある。人間八十年ぐらいが現在の平均だが、フェラーリ人生に関しては人間六十年。なぜって、目も耳も反射神経も全部老化しちゃうから! 残り二十年はフルムーンパスで電車に乗ります。老兵は死なずただ消えゆくのみ。
人間六十年。残り8年。その間に新規で登場するミッドシップ・フェラーリは、恐らくあと2モデルだ。あと2つで打ち止め。そう考えると、私の人生のカラータイマーは、すでに点滅を始めているのである。
そんなカラータイマー点滅中の私にとって、458スペチアーレの登場は、残りのフェラーリ人生における大きなヤマだと認識していた。
40歳を越えてからまさに転落人生。「老い」という死神に取りつかれ、気力、体力、視力とも奪われていく毎日であります。
若い頃は「あのスポーツカー、のりたいな」とか「いつかはポルシェ」とか言ってたわけですが、老体になりふと気付いたわけです。
60歳越えて限界走行なんてできるの? と。
とにかく視力の衰えは光陰矢のごとし。老眼。ドウナルノ・ローガン、という気持ちになるくらいまったく見えません、特に夜。
視力1.5を誇り、数百メーター先のクルマの挙動はもちろん、車種まで当てられるほどだった視力も今は昔。それでも0.7はあるわけですが、こんな視力以下で運転してるの、危ないよ!
視力だけではなく、反射神経も鈍ってきています。反射神経とともに落ちているのが筋力。力を出すための筋力ではなく、ぴぴっと速く、正確に操作するための筋肉がドライブには必要なのですが、それも怪しく。
60歳こえて限界走行できるのは黒澤元さんくらいなもので、一般ピープルはどんどんと老化していくのをハイテクデバイスで誤魔化しながら踏みとどまるわけです。
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若いもの、とくに30代にいいたいのはこの現実。40代が30代の延長だなんて思っちゃダメ。ピレリのF1タイヤのように、まさに崖から落っこちるから。真っ逆さまに。
だから、残りのドライバー人生を逆算して、気力・体力・視力のあるうちにスポーツカーは乗っておきましょう。
マジだから。
p.s.
清水さんのフェラーリ、乗せて欲しいなあ。