新型スカイライン 350GT HYBRID Type SP 試乗レポート(2):シートとユーザーインターフェースの進化
2014.03.11一見すると旧モデルとあまり違いがないシート。ところがその基本性能は大幅に変化していたのです。
面圧の可視化によるシートの包まれ感
よくいいシートは面圧が分散していて、適度な包まれ感があるといいます。確かに座ってみればそんな気もしますがそういった「感性での評価」を可視化する手段はあるのでしょうか。
それがこの装置。表面にかぶせられたシートが面圧を計測するセンサーで、それをPC上に投影します。
明るくなっている部分が圧力が高いのですが、その部分が薄くなり、全体的にまんべんなく圧がかかるように変化しています。
人間の背骨は立っている時に最適化されてS字型になっていますが、座るとどうしてもC字型、いわゆる猫背状態になってしまいます。すると1点に力がかかり、腰が痛くなる、痛めるといったことに。
そこでシート形状を変更し、Cの字ではなく「くの字」になるようにサポートすることで腰をきっちりと支えながら、背中から肩まで全体を使って面圧を分散することを目指しました。見えないところに力を入れる、というのは技術者魂を震わせるものがありますね。
この内部構造の変更はスカイラインだけではなく、他の日産車にも展開するということなので、日産のシートの性能向上は間違いありません。
デュアルスクリーン・タッチパネルのコンソール
スマホ文化の昨今、自動車も複雑化しています。
ドライブモードのセレクタースイッチでシンプルにSPORT/STANDARD/ECO等を切り替えるのは簡単ですが、実はもっと色々な設定が可能なのです。そうなってくるともはやディスプレイの大型化、デュアルスクリーン・タッチパネルは必須。プレイステーションのゲームの設定みたいな状態になっていますが、これみて、ああ、未来が来たなあと感じました。
というのも自動車がいかにコンピュータを介在させて制御しているかということです。ドライバーと車両の関係性が、まるでアムロとガンダムのような関係性に変化したということを意味し、ガンダムでは「教育型コンピュータ」によって素人のアムロであっても歴戦のパイロットと渡りあえるようになりました。
自動車も同じで、免許とりたての若者からお年寄りまで、等しく性能を安全に発揮できる時代に突入したのです。これがいいのかどうか分かりませんけど、自動車の進化という意味では大きいでしょう。
問題は機能が多すぎて、ぱっとみて良く分からない点ですね。確かにアムロもV作戦のマニュアルをパラパラめくりながらガンダムを操作していましたが、このスカイラインもマニュアルはすぐ取り出せるところにあった方が良さそうです。
(つづく)