新型スカイライン登場!(2) ハイブリッドはエコだけのものではない
2013.11.15今回の「帰国子女」スカイラインの目玉は全ラインナップがハイブリッドということ。
しかしだからといって「エコ」ではないのです、どちらかといえば、いや間違いなくスポーツ。KERSに近い考え方で走行性能をアシストしていると考えた方がいいでしょう。
まず、実際にテストコースで試乗したときのレポートと映像はこちらから(アメリカ仕様、Infiniti Q50)。
▼試乗インプレッションはこちら⇒日産の現在・過去・未来を伝える大試乗会(3):Infiniti Q50 HYBRID #nissan360【ワンダードライビング】
スタート地点に並ぶまでは完全にEVモードでエンジン停止状態で走行。そしてアクセル全開でスタートするとまずモーターで蹴り出し、その瞬間にエンジンがかかってクラッチをつなげることでエンジンが加速をアシスト。その後回転の上昇とともにエンジンパワーが盛り上がるその加速感はスポーツそのもの、370GTに負けていません。
その仕組みはこちら。
FR車用ハイブリッドシステム(インテリジェントデュアルクラッチコントロール) | 日産|技術開発の取り組み気持ちのいい加速とコンパクトカー並みの 燃費を両立するFR車用ハイブリッドシステムです
スカイラインのハイブリッドシステムは基本的にフーガと同じ、1モーター2クラッチ方式。1950年代に基本概念が出来ていたが、実用化したのはのは日産が初めてとのこと。難しいのは2つあるクラッチの制御で、いかにスムースにつないだり、切り離したりするかが大変。
クラッチはエンジンとミッションの間にひとつ(クラッチ1)、ミッションとプロペラシャフトの間にもうひとつ(クラッチ2)のふたつあります。モーターは従来トルクコンバーターのあったところに配置され、クラッチ1と共にミッションと一体化しています。トルクコンバーターをクラッチ1とモーターで置き換えた考えると分かりやすいでしょう。
(左からV6 3.5Lエンジン、クラッチ1、モーターの配置)
エンジンは一つ目のクラッチで完全に駆動系から切り離せるのでアイドリングストップはもちろん、モーターのみのEV走行も可能。実際低速走行では広い範囲でエンジン停止、EV走行を行い、加速時にパワーが必要となればエンジンが自動的に始動します。
なおモーターがミッションよりエンジン側についているので、モーター走行時も変速するとのこと。
二つ目のクラッチはエンジン発進時の半クラッチと変速時用で、実際にはモーター発進が多くあまり半クラッチは使わないそうです。構造的にとてもシンプルなパラレルハイブリッドシステムとなってます。
(※ シリーズハイブリッドはエンジンは発電専用、電気でモーターを駆動)
エンジンとモーターでは出力特性が違いますが、モーターは低回転で大トルク、エンジンは高回転で高出力と、お互い補いながら使うことができました。
燃費も JC08モード 17.8km~18.4km/L (2WD)とエンジン出力 306馬力 350Nmのクルマと考えるとかなり良い燃費。
気になる車重は1790kg~1800kgとかなり重いですが、そのバッテリーの重量はリア荷重を助けるのでトラクションに寄与します。ただロールがたまってくるとその慣性モーメントは大きくなるので安全のためVSCは必須ですね。
運転して楽しいハイブリッドでした。