ランボルギーニ・ウラカン最速・最新情報!
2014.01.15昨年末正式発表されたランボルギーニ・ウラカン LP610-4。
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実車が見られるプライベート・プレビュー・イベント(内覧会)の開催が1月よりはじまっていますが、このたび日本、都内某所でも行われたとの情報が入ってきました。編集部では参加者への独自取材を試み、複数の証言を集約、再構成してウラカンの最新情報をお届けします。
(※ 聞き込み情報のため不正確、曖昧な点があることを予めご容赦下さい)
イントロダクション
"ランボルギーニ・ガヤルドはランボルギーニ史上はじめてのV10エンジン搭載車であるとともに、もっとも成功した車種。2003年のデビュー以来10年間で 1万4000台以上を出荷した。ガヤルドを追いかける他メーカーがあろうとも、ランボルギーニには追いつけない、なぜならランボルギーニは新しいV10マシンをリリースするからだ。それがウラカンである。"
エンジン・ドライブトレイン
新型のV10エンジンを搭載。旧来のものとボア&ストロークは同じ(基本 AudiR8と共通と推定)だが、出力は610馬力 560Nmを誇る。
この数値はAudi R8の 525馬力、ガヤルド LP560と比較しても格段のパワーアップ。なおベースの出力が控えめ、キャラクターの違いなどに由来している面もあろう。なお可変エキゾーストシステム装備でアイドリング時の排気音は比較的大きくない。
エンジンは総アルミ化、コンロッド・ピストンなども軽量素材を使い形式こそ同じだがエンジン自体、デュアルクラッチトランスミッション採用の重量増を打ち消すほどの軽量化・高出力化が計られているとの情報。
高出力化を計る一方、1000回転で最大トルク 560Nmの75%を発揮、運転しやすい特性も兼ね備える。また排ガスも約10%(数値については不確か)向上している。
ミッションは新開発 7速デュアルクラッチシステム(LDF)。途切れない加速感と変速ショックのないスムースな変速を実現。
4WDシステムは通常リア 70%、フロントに 30%トルク配分。リアは最大100%まで、フロントは最大50%まで可変電子制御センターデフにより制御。
ステアリングは新開発、可変ステアリングレシオシステム「ランボルギーニ・ダイナミック・ステアリング」を装備。高速ではハンドルの切れ角が少なくなり、操安性を向上させた。さらにアクティブカウンターステア機能を兼ね備えているとの情報。
ライバル車はフェラーリ458(V8)、マクラーレンMP4/12C(V8ターボ)だが、電子制御4WDとステアリングシステムがアドバンテージとなっており、安定性とコントロール性、ドライビングの楽しみは他の追随を許さない。
ボディシェル
ボディは従来(ガヤルド)のオールアルミ製から完全新設計のカーボンコンポジットとアルミのハイブリッドボディへと進化。ホイールベースは6cm延長、全長も延長された(数値不明)。トレッド、全幅も+25mm広くなり、 全幅は 1920mmへ。
カーボンコンポジットはセンタートンネル、シート下から後部のバルクヘッド周辺の部位に使用される。
ガヤルドに比べてボディ全体が大きくなっているにもかかわらず、全体で10%の軽量化に成功。一方ねじり剛性は+50%アップ。
4輪ダブルウイッシュボーンサスペンション、磁性流体サスペンション・ダンパー・コントロールを装備。カーボンセラミックブレーキ。
パワフルなエンジン出力を電子制御4WDシステムで効率よく地面に伝達し、またコントロール性を上げており、走る楽しみ、パワーを使いきれるシャーシを電子制御テクノロジーと合わせて実現している。
エクステリア
フロントにエンジン冷却用 3ラジエーター(センターと左右)を配置し、ドア後方、ホイールハウス前の左右サイドインテークはそれぞれミッションオイルクーラーとエンジンオイルクーラー用となっている。Cピラーはサイドウィンドウからスムースにエンジンルーム内へ導風。エンジンの冷却、エアインテーク用として活用すると推測される。
特筆すべきは全体のシェイプと空力特性。昨今このクラスで標準的となっているリアスポイラー、内蔵式可変スポイラーは装備されず、流麗なデザインのみで優れた空力特性を兼ね備える。なおCd/Cl値は非公表。
大型リアアンダーディフューザーはバックカメラ内蔵型。スプリッターはあるが突起は少なく、滑らかな印象を受ける。
テールランプはYを横にした形状をモチーフとし、周辺は六角形を基調としたハニカム形状によるエアアウトレットとなっているが、立体的な造形となっており見るものを飽きさせない。サイレンサーはテールギリギリにまで迫っているが、その存在はカバーされており気付きにくい。マフラーカッターは左右それぞれ2本の4本出し、ブロウンエキゾーストには対応していない。
ヘッドライトを含めフルLEDを採用。YY(VV)となった形状部分がスモールランプ(白)兼ウィンカー。ウィンカー時はオレンジ点滅(スモール点灯時は白とオレンジの交互)し、シャープで未来的な印象を受ける。
ドアは横開き式。非常に軽く、閉まり方もスムース。
ドアノブはGT-Rと同じく忍者屋敷方式、片側を押すと反対側が出てくる。一旦出すとその状態でホールドされるので、バネでひっこむタイプよりも使いやすい。閉めると自動的に内蔵される。一説には電動で(少しだけ)開くとの情報も。
リアハッチはセンターは透明(アクリルか)、左右がルーバー形状となっている。冷却口が多く、シール(パッキン)も存在しないが穴の向きが絶妙なので上からの雨は問題ないと考えられる。洗車時、特に高圧洗車の場合向きに注意した方がよいだろう。
リアハッチの固定方法はダブルヒンジで一旦後ろにスライドしてから上にあがるような動きを見せる。
エアクリーナーボックスなどエンジンルームのカバーのほとんどはカーボングラファイト製。結晶の出方が複雑で非常に美しい輝きを見せる。
ホイールは20インチ、中にはカーボンセラミック製ブレーキシステムを備える。
タイヤはピレリP-ZEROを装着(※ プレビューイベントモデル)し、サイズはそれぞれ
フロント 245/30R20
リア 305/30R20
と前後異径タイヤである。
インテリア
軽いドアを開いて中に目をやると飛び込んでくるのは大型TFTフルカラー液晶と、スイッチ類がビルトインされたハンドル、シンプルなセンターコンソールである。
ハンドル上にウィンカー、ワイパースイッチを内蔵。他にマルチインフォーメーションディスプレイ(後述、メーターパネル)の表示切り替え、ドライブモードの設定などのスイッチ類を統合。ハンドル下にドライブモード設定、ストラーダ(公道)、スポルト(スポーツ)、そしてコルサ(レース)の切り替えスイッチを備える。
ウィンカー、ワイパーの操作機能をハンドル上に移動したため、ハンドルコラム上にはシフトレバーのみ。シフト操作に集中でき、誤操作もない。
ウィンカーはハンドル左側に装備、バイクと同じく左、右スライドでウィンカー、プッシュでキャンセルが可能。またその上にハイビーム切り替えボタンを配置し、ライト系を左手親指で軽く操作できるようになった。
メーターパネルはTFTフル液晶ディスプレイ、表示切り替えにより、速度計、タコメーター、ナビ画面など切り替え可能である。リアデュフューザー後端にそなわったバックモニターカメラの映像もこのディスプレイに表示されると推定。ナビは各国向けのデータがそれぞれ入る予定。プレビューイベントモデルにはすでに東京のデータが入っていた。
センターコンソールは薄い、中空タイプ。裏の空間には iPhoneなどスマホを置くスペースがある。ただし、充電やUSB端子などは備わっていない。またドリンクホルダーは引き続き見当たらない。
センターコンソール上には空調スイッチとダイアルが配置され、非常にすっきりとまとまっている。薄い液晶ディスプレイがあり、3連アナログメーターが表示される(※水温、油温、電圧計と推定)。その下に保護リングがついたスイッチがずらりと並ぶ。中央に赤色のハザードランプスイッチを配置し、左端には左サイドウィンドウスイッチを備える。
エンジンスタートボタンはアヴェンタドールと同じくカバー付き、プッシュ式となった。その後ろにシフトセレクトボタン(レバー)を配置。R、P、Mの表示を確認。さらにその後ろに電子式パーキングブレーキボタンを備える。
CDプレイヤー(※ DVDも対応と推定)はリア側、両シートの背もたれの間あたりの棚に内蔵。シート裏、棚の上に手荷物を置けるスペースが確保される。
右後ろの視界は立体的なCピラーにより、ないも同然。右への車線変更時は細心の注意が必要(左ハンドル車の場合)。
前輪のホイールハウスの張り出しにより足元は比較的タイト。特に助手席奥行きは 6cmホイールベースが延長されたものの、相変わらずフットレストに足を踏ん張るようなポジションとなる。
左のドライバーズシートは左側がフットレストとなりタイトな印象はさほどなく、自然なドライビングポジションをとれる。ブレーキペダル、アクセルペダル、フットレストはR8と共通と推定。天井のルームランプ、スイッチ類もR8と同じようだ。
シートは電動調整式。最高品質の革を使用し、カラーなど内装のカスタマイズが可能。
デリバリー
日本へのデリバリーは2014年夏の終わり、秋口から開始予定、年産1000台を計画している。ガヤルドが10年間で1万4000台を生産したが、それよりも少なめとなっている。これは現在アヴェンタドールが売れ行き好調でライン、生産能力が目いっぱいであることも作用していると思われる。
今オーダーして2014年内納車可能かどうか、というところで、色によって大きく納期が変わる。納期が早いのは黒、白、グレーといった基本色で、当初のラインで対応できないパールカラー、注目のマットカラーはさらに納期がかかる見込み。
プレビューイベントモデルは左ハンドルであるが、ランボルギーニのこれまでの対応通り、右ハンドル仕様もオーダー可能になると推定される。ただしオプション費用が高価であること、製造枠がいつとれるか不明なため納期が確約されない。
ガヤルドの場合ホイールハウスの張り出しによりブレーキペダルの位置にアクセルペダルが来るほど左にオフセットされるため、ドライビングポジションが不自然となっていた。今回センタートンネルが小型化され、シート自体が左にオフセット可能なことや、6cmホイールベースが延長されていること、Audi R8の右ハンドル仕様は自然な配置であったことからこれらの心配は杞憂に終わることを期待したい。
実物を見た感想、声
- エクステリアは期待どおり(写真で見た印象通り)、インテリアは期待以上の出来栄え
- ガヤルドに比べて面がふっくらとし、流麗な印象。マクラーレン的な曲線美を持つ
- インテリアは戦闘機的、六角形を中心としたデザインでエヴァンゲリオン的
- 明るいパールオレンジよりもダークカラーの方が曲面がよく出て似合うのではないか
- アイドリング音はAudi R8と比べてより低く、戦闘的な印象
- 比較的コンパクト(アヴェンタドール比)で、取り回ししやすそう
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以上、内覧会に参加した方からの聞き込み情報でした。
最終的な生産モデルではなく、まだデリバリーに時間がかかることから多少の仕様変更などあると思われます。正確な情報は正式な発表を待つか、お近くのディーラーにてご確認下さい。