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ヤマハFZ250 PHAZER(フェーザー)1985年式 レストア記

日本発祥のクルマ文化、ドリフト:乗り物文化を体感するドイツ旅行(9)

2013.08.17 寄稿者: のま元記事

日本は貧しい国でした。特に戦後は国土は荒廃し、食べるものにも困ったほどです。しかしその中からホンダやソニーといった世界的企業が生まれ、経済成長とともに復興を成し遂げました。

経済復興の証として白物家電、TV、マイカーブームが生まれました。その中で国民車として大きな役割を果たしたのが軽自動車規格。小さいサイズで小さな排気量の軽自動車は、サラリーマンでも手の届く自家用車として、多くの人が買い求めました。実際うちの最初のクルマもスズキフロンテでしたし。

ちょうどそのスズキフロントを購入したころ、長野県御代田に住んでいました。長野といえば急峻な地形で有名、軽井沢から群馬よりには碓氷峠がありつづら折りのヘアピンコーナーが連続する難所です。この碓氷峠で腕をならしたドライバー、それがドリキンこと土屋圭市さん。

こちらは公道を勝手に封鎖(しかも封鎖しきれてない)、ドリフト走行をする暴走ビデオで、後に発売禁止、すでにレーシングドライバーとなっていた土屋圭市さんはサーキットライセンス剥奪の危機を迎えたほどですが、ドリフト走行の最初のブームを作ったことは間違いありません。

(※ もともと雪道やダートなど低μ路でドリフト走行はポピュラーでしたが、舗装路でハイグリップなタイヤを使っているのに無理やり横に向けるという行為は当時新鮮でした)

箱根をはじめ、ありとあらゆる峠道に埠頭でFR車、特にAE86が集まりタイヤを鳴らしながら横を向けるのが流行りました。すると当然騒音問題や事故がおきて社会的問題になるわけですが、その後ドリフトの舞台はイカ天(いかすドリフト天国)でサーキットに移します。

このころからドリフトが世界的にも注目されはじめます。あのTopgearのジェレミーも1990年台、日本のドリフト文化を見にきています。

このビデオのクルマはAE86からS13系が主流となっていますが、ロールバーもなく、窓全開半袖で運転するなどまだまだ峠のアングラ文化が色濃く残っています。

そしてD1グランプリが発足し、競技としてのドリフト走行が過熱、一気にレベルアップします。

そしてついに「ドリフト」が世界的に有名になる出来事が起こります。それが映画「TOKYO DRIFT」。

元々fast and furiousという原題に対して日本名「ワイルドスピード」シリーズの第3弾として、日本、ドリフトを最大にフューチャリング。それまで0-400mやカーチェイスがメインだった同シリーズにあって、ドリフトという新しい走りの魅力を生み出しました。フィルムでは土屋圭市もクレジットされています。

このTOKYO DRIFT世界公開で感化されたのが全世界、特にアラブにロシアなど。

▼サウジアラビアのドリフト

▼ロシアの街中ドリフト

共通点はどちらも街中、通常の交通がある中でやっている点です。この点も映画の影響を色濃く受けているのが分かりますが、もっとも日本のような峠道がないということも作用しています。それにしても余りにも危険、危険のレベルが日本とは段違いです。マシンガンを空に向けて撃っているし。

それはともかく、こうしてyoutubeで確認できるように、土屋圭市が1980年代に碓氷峠でライバルよりも速く走るために編み出したドリフト走行が、その後紆余曲折を経て世界的文化になった瞬間です。元々ドリフトがイリーガル、アングラ文化だったことも含めて広まっています。

こういったことからヨーロッパメーカー、例えばBMWやベンツも当初「前に進まないドリフトは意味がない」など理解を示していませんでしたが、昨今ではドリフトを積極的に取り入れています。

▼ベンツCM、ダートでドリフト走行

▼BMW ドリフト世界一チャレンジ

ある意味「ドリフト」は一定の市民権を得たといってもいいでしょう、アニメ、マンガに並ぶ日本発祥の文化、まさに「クール・ジャパン」です。

ところがです、これだけ世界的にドリフト流行の兆しをみせている半面、日本はといえば90年代に出ていたクルマを最後にドリフトに適切な新車がでなくなってしまったことや、取締が厳しく、走れる峠道がなくなったことからブームは過ぎ去り下火に。ドリフトはするものから、見るものに変わってしまいました。しかし本家本元がこれではどうにもなりません。

この状況を打破するかのように、トヨタ・スバル連合からは86/BRZが発売になりました。

86/BRZはスバルがトヨタと提携して軽自動車を系列のダイハツから供給を受けることで生産中止となった軽自動車サンバーのラインで生産されています。そのスバルの工場は群馬、17年続いた連載が先日終了したばかりの漫画「イニシャルD」の舞台でもあります。


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この86/BRZはサーキット入門車としてニュルブルクリンクでもレンタル可能です。そういう意味では日本のスポーツカー、ドリフト文化を牽引したAE86の後継として世界的に受け入れられています。

こうなってくると期待したいのは、日産シルビアやマツダRX-7の復活。911をみても明らかなように、スポーツカーは止まらずずっと作り続けることで進化していくもの。経済が、経営がアレだからといってすぐにやめてしまってはまったく前に進みません。まるでトラクションのないFRのようなもの。継続は力なりです。

選択肢が増えることはいいことなので、ぜひ日本発祥の自動車文化としてのドリフトと、ドリフトを気軽に出来る車を提供してほしいですね。そしてももっとギラギラとした、イリーガルで、アングラな文化、さすがに交差点の中でかき分けるようにしてドリフトしたり、マシンガンを撃つのは行きすぎですけど、そっと夜の峠を静かに駆け抜けてほしいですね。さすがにそんな時代ではないかな。


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