その佇まいが美しい:Audi R8 GT Spyder 試乗レポート(1)
2012.12.05今回のスーパーカー試乗レポートはAudiのスーパーカーR8のオープンモデル、スパイダーの世界333台限定生産モデル、GTです。
Audi R8 GT Spyder > Audi Japan世界限定333台のハンドメイドモデル
Audi R8 GT Spyderはインテリア、エクステリア、テクノロジーの全方位で徹底的に重量を削減。フロントスポイラー、カナード、固定式の大型リアスポイラー、ドアミラーなどボディパーツにカーボンを多用することで、標準モデルのAudi R8 Spyderよりも約85kgの軽量化を実現しています。
Audi R8 GT Spyder [世界333台、日本10台限定]
エンジンは5.2L V10、出力は通常モデルから26kWアップの412kW(560馬力)、0-100km/h加速は3.8秒、最高速度は317km/hという...まさしくスーパーカー。
ただでさえ車高が低く、薄っぺらいプロポーションに加えてSpyder=オープンカーというのですから、その存在感は半端じゃありません。見る人すべてが振り返る、といっても過言ではありません。特にAudiオーナーからは羨望の熱視線。
オープンカーの呼び方は様々、AudiのスポーツクーペTTのオープンモデルはロードスターですが、このR8はスパイダー(Spyder)。
オープンカー - Wikipedia海外で「オープンカー」に相当する用語には「バルケッタ」(barchetta )、「ロードスター」(roadster )、「スパイダー」(spider )、「カブリオレ」(cabriolet )、「コンバーチブル」(convertible )などがある。呼称の違いは国によるものの他にも、「バルケッタ」「ロードスター」「スパイダー」 は「屋根を閉められる車」、「カブリオレ」「コンバーチブル」 は「屋根を開けられる車」という車造りの方向性の違いにも立脚しており、幌の有無や面積、耐候性なども違いが見られる。
ロードスター - Wikipedia古典的には、乗員2人で開閉式の窓や屋根を持たないオープンカーを指す用語として、イギリスで使われていた。メーカーにより、「スピードスター」 (Speedster) 、「スパイダー」 (spyder、フェラーリなどで) 、「バルケッタ」 (barchetta) と、当時それぞれ呼ばれていた車種も、その内容に大きな相違は無い。
スパイダー - Wikipedia馬車や自動車の型式
軽量4輪馬車。英語では"spider" もしくは "spyder"と綴り、"spider phaeton"の略である。
自動車形式のオープンカーに付けられる呼称。上記の馬車の型式名からの転用。フランスでは「スピダー」と発音する。
呼び方は様々ですが、屋根がひらくという点でいえば大きな違いはありません。R8がSpyderなのはやはりクモのように車高が低いからきていることと、カブリオレやコンバーチブルではないのは屋根が開いた状態が本来の姿であるといった意味合いのようです。
それだけに屋根が開いた状態の美しいこと。特にこのマット塗装、スフィアブルーがいぶし銀の光具合でとてもよいです。
明るい日差しの中での光具合も大変美しいですが、夜の暗がりの中でも異彩を放ちます。
余りもの神々しさに、Audiオーナーの羨望の的、声をかけられたりもしました。
よく考えるとAudiというとAシリーズは下から上まで似たようなデザイン。そのデザインアイデンティティはR8にも継承されていて、どこからどうみてもAudiと一目で分かるものの、その低く、薄いプロポーションはスーパーカーそのもの。そして巨大なエアインテークとサメを彷彿とさせるフィンは迫力を醸し出しています。
しかしだからといって決して獰猛ではなく、プレミアムブランドとしての上質な品格を保っているのがまた独特。Audiオーナーがスーパーカー欲しいなあと思ったとき、フェラーリだと妖艶過ぎ、ランボルギーニだと獰猛すぎ、ポルシェだとレーシー過ぎとなったときにR8があるというのは、ステップアップにはとてもいい位置にあるのではないでしょうか。
しかもSpyderはR8をベースとしながらもそのデザインテイスト、佇まいの印象は大きく異なり、スポーツ性に加えてプレミアム性がさらに加わっている感じです。いわばオーラをまとっているというか。
その存在感に加えて世界限定333台のGTはコスト度外視で走りの性能をぐっとアップ。ああ、もう、トコトンやる気なんだなあという、Audiの本気がにじみ出てます。もともと軽量なアルミ素材をふんだんに使ったR8にカーボン素材を惜しみなく投入。ブレーキにもカーボンセラミックを使い、バネ下重量を軽減。総重量で85kg軽量化と言われてそれはそれは高価です。
そんな本気は外観上は無塗装、カーボン地そのままの固定式リアウィングとフロントカナードだけにとどめて、あとはもう本当にさりげない、上品な佇まいをまとっているのが素敵です。ええ、素敵ですとも、もうよくわからないくらい素敵です。
その素敵なポイントは次回、詳しく探って行きましょう。
(つづく)