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ヤマハFZ250 PHAZER(フェーザー)1985年式 レストア記

トヨタのドラえもんCMが謎すぎると話題に

2011.11.19

トヨタのCM「FUN TO DRIVE, AGAIN」シリーズの最新作、それがジャン・レノ扮するドラえもんがでてくる20年後の世界。

注目のドラえもん役はジャン・レノ! 『実写版ドラえもんCM』主要キャラの全貌が明らかに ニュース-ORICON STYLE-

シリーズ第2話となる『のび太のバーベキュー』篇では、のび太のダメダメぶりが炸裂。しずかとの久しぶりのデートを楽しむはずが、キャンプ場行きのバスに乗り遅れ、森で道に迷い、コンロに火をつけようとすれば失敗...。そんなのび太に愛想を尽かしたのか、しずかは「私、バイオリンのレッスンあるんだ」とポツリ。そこに車で現れたスネ夫が「送ってこうか?」としずかに声をかけ、2人は走り去ってしまう。

 自宅に帰って「やっぱクルマかぁ~」と悔し泣きするのび太。すると、机の引き出しから人の形をしたドラえもんが登場する。久しぶりの再会を喜び合う2人だったが、のび太の「車出して!」というお願いは、「ダメ」と即座に却下。それでも「どうして?」と食い下がるのび太だったが、ドラえもんの「免許ないじゃん」の一言で「免許かぁ」と考え始める。

しかしこのCMについて世界のブロガー、ジェット☆ダイスケ氏が異論を唱えています。

ドラえもんジャン・レノは納得できる派ですが、このストーリーはどうだ?

ところがしずかちゃんのパパが「のび太の結婚前夜」で語ったのび太評は、そんな唯物論的なモテとは真逆のことですわ。この事実をDNAレベルで刻み込まれてる世代に、真逆のドラえもんストーリーは刺さるのかなあ?一藤子ファンとしてもこの方向はちょっと残念すぎるわ。

このCMにはいくつかの世相や事情が反映されています。

その1)若者が免許をもっていない

私たち世代は18歳になったら免許をとる、これが当たり前でした。ところが最近の20代に話しをきくとクルマどころか免許をもってない人もザラ。あげくに自動車整備学校の学生ですらクルマに興味がない、という話しをじかに聞くとまさに「若者の運転免許離れ」が深刻なことを感じさせます。

その2)クルマが便利グッズ、モテグッズとして扱われている

スネ夫がアッシー君として活躍する姿が描かれていますが、ここで興味深いのはそのクルマがなんであるか、どういうものかという描写がないことです。さらにいえばのび太はドラえもんに「クルマ出して」といい、その「クルマ」が具体的にどんなものなのか、まったく興味なくただしずかちゃんを送っていける「クルマ」を要求するだけです。

その3)FUN TO DRIVEの精神は?

「クルマ」がアッシーとして使うのが目的になっており、「FUN TO DRIVE」の精神が希薄です。「FUN TO DRIVE」とは女の子を助手席に乗せたい、なんという邪まな気持ちなどなく、純粋に「運転を楽しみたい」とする自然欲求です。

のび太はしずかちゃんを奪われる、ということだけがイヤなのであって、クルマがないことや免許持っていないことに対してそれまで問題を感じてなかった、欲求がなかったことを示唆します。

・・・

このCMの大きな問題は実はここからです。つまりこの表現では「クルマ」という漠然とした商品を売りたい、というメッセージしか伝わってきません。普通のクルマのCMでは「このクルマ」を売りたいという、強烈なアピールがあるのですが、「このクルマ」ではなく「クルマ(一般名詞)」なので漠然としたままです。漠然としたままなので、結局「ああ、売りたいんだな」というメッセージだけが残ってしまいます。

これは非常によろしくないです。せっかくドラえもんが未来から来たかいがありません。

しかもドラえもんのセリフは「免許もってないじゃん」。

夢も希望もありません。

崖っぷちです。トヨタもクルマ販売も崖っぷちです。悲壮感が漂い始めました。

でその悲壮感というのは何か、クルマ売れないと困るんだよね、ということに収斂しちゃうんです。悲壮感がただようCMで商品が売れるのでしょうかね...

ということでこのCMシリーズが続き、しずかちゃんの入浴シーンまで再現してくれることを祈りつつ、クルマの行く末を案じる次第でございまする。

ああ、(初代)MR2のCMかっこよかったなあ。

あの頃私は若かった! 1980年代自動車の懐かしCM特集【ワンダードライビング】


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