ゆっくり走りたくなる NISSAN New Mobility Concept 横浜元町試乗レポート(3)
2011.11.09十分パワフル。
2名乗車で坂道の多い横浜元町近辺を走ってみたのですが、上り坂でもパワー不足を感じることはありません。キュイーンというモーター特有の金属音を響かせながら上がっていくので、とても爽快です。
2車線道路を制限速度内で走ってみたのですが、オープンで地面が近いということもあって速度感はたっぷり。競走馬のように前しかみず、スピードを出すぜ!というよりも、ゆったりまったりまわりをキョロキョロしながら散歩するといった風情が似合います。そういう意味でいえば人力車といった乗り物に近いでしょうか。
人力の部分がモーターになった、というとシックリきます。
そういうわけで、観光地で物見遊山でまわりをみるにはピッタリ。横浜元町周辺は風光明美な観光地でもあるので、ドアがまったくないNISSAN New Mobility Conecpt(NNMC)からの眺めは最高です。
(エリスマン邸)
最初このスケスケ感は怖いのかと思ったのですが、安定した走行で不安感はまったくなく、爽快そのもの。風が巻きこんでビュービューかとも思ったのですが、サイドにあるバイザーのおかげで少なくとも運転席はまったく風を気にすることなかったです。
そうそう忘れていましたが、エアコン(ヒーター含む)もないですからね。
特に冬場はそうですが、自動車は乗り降りのときにコートを脱いだり着たりしなければならず、意外と面倒だし脱いだコートを置く場所に迷うことも。それよりコートをきたままスッと乗ってしまえるこのNNMCは圧倒的に楽ちんかもしれませんね。
それに四季を感じるという意味でも、その季節に合った格好のまま乗れるというのも自然ですね。
さてこのNNMCの用途ですが、ご家庭であれば、
・送迎車
・ちょっとした移動、買い物(自転車がわり)
業務用では
・配達
・観光用レンタカー(レンタサイクルがわり)
などでしょうか。個人的には観光用レンタカーとして出先でちょいちょいと借りられるととっても楽しいでしょうね。
周りをキョロキョロ見渡せるから、観光にはピッタリ。ドアがないから外の写真も取りやすいし、駐車しやすいし、乗り降りも楽々。歩きからEVへシームレスに。これでレンタル料金がレンタサイクルなみに安いといいなあ、なんて想像が。いやまだ実証実験中ですからね、いずれにしても先の話しです。
実証実験というのはメーカーも社会もまだまだ定義しにくいモノを、実際に走ってみて検証しようという試み。だから今の段階で「コレ」という使い方や「こうあるべき」というポリシーはありません。実際に使いながらモノを直したり、制度を見直したり。法律や税制を考えていく必要もあります。
ここ50年、内燃機関自動車を普及させる、という観点からモータリゼーションが急速に高まりました。しかし地球環境やエネルギー問題から今後50年を再考する必要があります。必要な分を必要なだけ使う、というミニマイゼーションの観点からも、サイズも定員も最小限である2人乗りEVの将来に期待したいですね。