普通の掃除機は二度死ぬ? 新型掃除機 dyson ball DC36発表
2011.08.30サイクロン型掃除機で有名な「ダイソン」が新型掃除機 dyson ball DC36(ダイソン・ボール)を発表しました。今回の見所は「ボール」です。
車輪、モーター、リールコードすべてがこの「ボール(球)」の中に収まっています。
コア部分をボールの中に入れることで、サイクロン型掃除機の唯一ともいえる欠点「騒音」を封じ込めようという作戦です。
名づけて「ボール大作戦!」(注:ダイソンではこう呼んでいません)
車輪は1つあたり2つのベアリングを使い、滑らかに動作。モーターをボールの中心に配置することで低重心化、慣性モーメントの低減を図っています。
これにより何が実現できかたかというと・・・
ナイスハンドリング!
クルマでいえば、いわゆる操安性(操縦安定性)の向上です。
掃除機にハンドリングなんて関係ないでしょ。
いやいや、そんなことないんです。掃除機の歴史は操安性の歴史でもあるんですよ。重くて大きなモーターを内蔵する掃除機は華奢な奥様型の敵。モーターを小型・軽量化することで解決しようとしますが、これはこれでパワー、吸引力の低下につながります。吸引力が落ちると埃が吸い取れないので、意味がありません。
ダイソンはサイクロン式で「吸引力が落ちない」ことを実現しましたが、この「ボール大作戦」では静粛性を高め、操安性も向上させたのです。
この操安性を実現したのがこちらの実験装置。
名づけて「コーナリング性能試験機!」(注:ダイソンではこう呼んでいません)
90度コーナーの手前9ポジションに掃除機を置き、公平を期すために機械で掃除機を引っ張る装置です。
機械で引っ張るので掃除機が重いとか、ぶつかるとかもうお構いなし。一定の速度でいつでも同じように引っ張ります。
ここでいわゆる普通の掃除機はどうなるかというと、壁にぶつかってしまったり、ひどい場合は横転します。
つまりこれは家庭の掃除現場においては家具にぶつかって傷をつけたり、横転するといちいち戻って掃除機を元に戻さなきゃいけないことを意味します。面倒ですね。
そ・こ・で!
ボール大作戦を施した新型ダイソン・ボール掃除機ではコア部分をボールにすることで操縦安定性を向上、壁にぶつかりにくく、横転しにくくなりました。さらに軽量化しているので引っ張る力もらくらく。
つ・ま・り!
掃除機界の高級スポーツカーといってもいいほど。アストン・マーチンかロータス・エスプリか。
クルマにおいて静粛性の向上、軽量化、低重心化、慣性モーメント低減によるハンドリングの向上は至上命題。それとまったく同じ方向です。
そして掃除機界のアストン・マーチン、ロータス・エスプリにはさらに秘密が隠されていたんです。その秘密とはやはり「ボール」。なぜボールなのでしょうか。その謎はダイソン氏の隠された過去にあります。(注:ダイソン公式ページに普通に公開されています)
Dyson | ダイソン - ダイソンについて | Dyson.co.jpジェームズ ダイソンは英国王立美術大学(Royal College of Art)在学中に、高速の上陸用舟艇シートラック(Sea Truck)を開発しました。その後、ボールバロー (Ballbarrow)を開発-大きくて赤い空気圧式のボールを採用することで、柔らかい地面の上でも容易に操縦することを可能にさせました。また、トローリボール (Trolleyball)のボートランチャーと、水陸両用のホイールボート (Wheelboat)も後に開発しました。
「ボール」にするというのはジェームズ・ダイソン氏のアイディアの根幹のひとつ。初期の作品の中に一輪車「ボールバロー」、水陸両用車「ホイールボート」、ボートを牽引する「トローリーボール」がありますが、いずれもボールを使用。一輪車はボールにより面圧を分散、ホイールボート、トローリーボールはボール状のタイヤを使っています。ですから「ボール」にすることはとても自然なことだったのです、が。
ここで重大なあることに気づいてしまいました。
イギリス発
最先端テクノロジー
水陸両用
掃除機界のアストン・マーチン、ロータス・エスプリ
名前はジェームズ・・・
ま、まさか!!
ジェームズ・ダイソン氏のミドルネーム、いやコードネームは「ボンド」ではないのかと!
な、なんだってーーー!!(MMR)
いや「ジェームズ・ボンド」であればすべてが納得がいきます。秘密諜報機関 MI6のエージェント、一見普通の機械を最先端テクノロジーを駆使して超高性能に変えてしまうワザ。
普通の掃除機がサイクロン式となり世界に衝撃を与えたのはすでに周知の事実。そして今回の「ボール大作戦」により今再び世界に衝撃を与えようとしているのです。その舞台は日本。
日本は最先端テクノロジーに高い興味と理解があり、イギリスのエンジニアは常に日本ユーザーを意識しながら開発を進めているとのこと。そうです、ジェームズ(ボンド)ダイソン氏の新製品の性能を試すには格好の舞台。そのターゲットは日本メーカーの掃除機。このままではサイクロン式デビュー時と同じく、大きな衝撃を受けそうです。まさに、
普通の掃除機は二度死ぬ
です。
ジェームス・ダイソン氏の笑顔の裏には、こんな秘密が隠されていたなんて、やっぱりスパイのいるイギリスは凄いです(いや、そんな秘密は隠されてないはずです、たぶん)。
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