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ヤマハFZ250 PHAZER(フェーザー)1985年式 レストア記

VW Golf GTI Performance プチ試乗:誰のためのGTIなのか

2018.03.21

「のまさん、これちょっと乗っていませんか?」

とお誘いを受け試乗したのはVW Golf GTI Performance。2リッターターボのFF、GTIをさらにチューンしたグレードです。

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2リッターFFのこの界隈は最近騒がしく、パフォーマンス競争が激化。その口火を切ったのはルノーメガーヌR.S.。

F1コンストラクターズチャンピオンを記念して作られた軽量版 R26.Rがニュルブルクリンク 8分07秒を記録したのを皮切りに、次モデルのメガーヌRS275でこれを凌駕することを目標設定。

ニュルFF最速激烈。ルノーメガーヌR.S. 275トロフィーが8分切りを目指す #UNDER8【ワンダードライビング】

ルノーはタイムアタックが目的ではなく「記念受験」、このクルマの実力を測るためにニュルのタイムアタックをしています。あくまでも指標です。

ところがその後FFでこの記録を破ることに挑戦するメーカーが多数。ホンダシビックRももちろんこれをターゲットにしていますが、VW Golfやその兄弟車も参戦。すると目標がすり替わってタイム狙いになってきます。そしてそれに合わせてスペック設定したり、足回りをセットアップしたりとちょっといびつな状況に。

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現在は新型シビックタイプRがタイトルホルダーですが、その渦中にある一台がこのVW GTIなのです。

軽いハンドル

最初に乗り込んでみると、まずそのシートの大きさに驚きます。ドイツ車は大柄な体格に合わせているためかたまにぶかぶかのシートがあるのですが、まさにそれ。サイドサポートは張り出しているのですが、その幅が大きすぎて背中にフィットしません。シート座面は後端が極端に落ち込んでおり、いったんお尻がはまると起き上がるのに多少苦労します。

ぶかぶかのサイドサポートとあいまって落ち着かないのがハンドルのポジション。

普段はハンドルが遠くて引き出すのですが、かえってハンドルが近すぎるのか多少押し込んで調整します。ここはテレスコピック式になっているのは助かりますね。

駐車場から出るとまず驚いたのがそのパワステの軽さ、とてもパフォーマンスモデルとは思えないほどです。そして不感帯が大き目で、ちょっとした操作、数ミリのステアに対しての手ごたえがありません。いわゆるファミリカー的な感触です。こういうタイプは結構重めのハンドルが多いのですが、肩透かしでした。

驚くほどの瞬発力

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エンジンは2リッターターボで245馬力、ミッションは7速DSGとのこと。

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ドライブモードはスポーツ、ノーマル、エコ、コンフォートの4タイプ。スポーツモードを選ぶと、もうこれはサーキット用かと思うほどのクイックレスポンス&いつでもどこでも加速体制。パワーは245馬力と比較的スペックは地味ですが、適切なギアを選ぶ7速DSGと370Nmのトルクでいつでもどこでもフル加速でき体感的には300馬力クラス。メガーヌR.S.と同等以上と感じます。

ただ一つ問題は、、、とにかく乗り心地が硬い。足回りは引き締まり過ぎて、首都高速の継ぎ目で常にドタンバタン、乗り心地が硬いだけではなく、そのドタバタが音となって車内に響きます。

そのせいか速度感が高く、すごくスピードを出している気がしてもスピードメーターをみると100km/hちょっととほぼ法定速度。意外にも速度をださなくて済みます。

気になるのはアクセルを全開にしたときの直進性。首都高速のわだちのせいか、そのトルクのせいか。トルクステアのようなハンドルが多少とられつつ、片側によっていく動きを示すことが数回。

レガシーなハンドリング

固い乗り心地とあいまって、気になるのはそのハンドリング。首都高速のコーナーでは終始フロントヘビーからくるFFらしいアンダーステアを感じて、ハンドルを握る手に緊張を強いられます。いわゆる弱アンダーステアという、基本に忠実といえば忠実ですが、リアサスペンションの動きを抑えて安定させようというセッティングは古臭さは感じます。

BMWも同じようなセッティングをしてきたドイツ車ですが、昨今はもっと乗り心地はソフトかつ、サスペンションを動かして曲げますし、ルノーは言わずもがな。オーバーステアに転じるほど柔軟なサスペンションセッティングは奥深さを感じます。

どうしてもハンドルと格闘することとなり、元々スピード感が高いこととあいまって結果的に不要に緊張感が高まって、最終的には疲れてしまうことに。これだと長距離ドライブにいくのはどうかというと、うーん、ちょっと勘弁してほしいかも、となりそうでした。

結局最終的にドライブモードはコンフォートに落ち着くことに。このモードであればサスペンションは柔軟となり、サスの動きの音も静まり快適性がアップします。

誰に向けてのグレードなのか?

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速いのは速いのですが、じゃあこれでサーキットにいくかと問われれば、そういうタイプのクルマではないことは分かります。じゃあワインディングや長距離ドライブはどうかというと逆にパフォーマンスが高すぎて持て余すのと、疲労度が高そうというので少し億劫になりそうな塩梅。一人ならともかく、5ドアハッチバックで、比較的ファミリーカーとしてもつかわれるケースが多いゴルフですが、これでは同乗者からは文句がきそうという点でもちょっとツライ。

昔はGTIといえばトップグレードですが、現在では絶対的なパフォーマンスでは4WDのゴルフRがある今、どうしても性格的に中間的にならざるを得ないし、でもシビックやメガーヌといったライバルはいるから尖らなきゃいけない、さらに昔ながらのGTIファンの期待にも応えてヘリテージを感じさせたいといった難題を抱えていることが伺えます。

その結果、ドライブモードは4つになり、どのモードもどれもしっくりこない、ちょうどいいものが見つからないことになっているような気がしました。オーナーになったらカスタムを使って自分好みに設定していくしかありません。

それでもステアリング中立の曖昧さと軽さは変わらないので、どうなんでしょうか。

お値段的にはリーズナブルとは思うんですけど、結局ライバル車がとがっているだけに、わざわざこのGolf GTIにしなければならない理由が見つかりません。あるとしたらやはりヘリテージな部分ですよね。つまりVWファン、ゴルフファン、そしてGTIファンが選ぶもの。

Audiもその傾向があるのですが、どうしてもそういった内部ファンを満足させるものを用意したい、で用意できるところがVWグループの凄いところかもしれません。


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