King of MT。ヤマハMT-10 その成り立ち
2017.04.17MT-10はネイキッド版R1ではない
もともとストリートファイターと呼ばれる、レーサーをベースとしてそのカウルを取り外したジャンルがあり、MT-10もR1をベースにしているのでそのように誤解されますが、ヤマハ開発者いわく、
「断じて違う」
とのこと。
MT、Master of Torqueのコンセプト、ストリートアジャイルを実現するために様々な改変を加えた、兄弟車ではあるけれどもまったく異なる性格のバイクといってよいものでした。
まずはボディから。MTが多様性のある使い方、たとえばツーリングやキャンプといった用途も考えられるため荷物の積載性を考え、車体後部のマグネシウムフレームをスチールへ変更。
ホイールベースもワインディングの俊敏性を高めるため1405mmから1400mmへ変更、シート高さも利便性を考え855mmから825mmへ低められています。一方ハンドルはアップライトなものとなり、シートポジションは非常に楽。
エンジンは40%のパーツを変更
エンジンは実に40%ものパーツをR1から変更しています。その目的はKing of MTにすること。低中速トルクを盛り上げ、高回転型エンジンのレブリミットをかなり低めているのが特徴。そのおかげで7-8000回転まではR1をしのぐパワーとトルクを誇ります
そのエンジンを制御するのはR1譲りの電子制御。Driveモード、トラクションコントロール、そしてクイックシフト。快適装備としてのクルーズコントロールも備えます。
ドライブモードはあえて差が分からない程度に近づけており、とくにアクセルの開度が少ない部分0-25%の部分はどのモードも同じ。じわっとアクセルをあけたときに「今日もいいな」と思わせる、飽きのこない乗り味を実現しているとのこと。
クイックシフトはアクセルを開けっ放し、クラッチ操作不要で、シフトレバーを上に入れるだけで自動的に進角を遅くし、トルクを抜くことでギアの回転数をあわせスムースにギアチェンジをする機構。大トルクによる強烈な加速中でもしっかりとハンドルバーをホールドしたまま、シフトアップすることができるので安心。
クルーズコントロールはツーリングに便利、4速~6速、50~100km/hの領域でセットすることが可能です。
MT-10SPはTFTフルカラー液晶と電子制御オーリンズ装備
MT-10SPはスペシャルグレード、メーターは日本発TFTフルカラー液晶装備、またサスペンションは標準仕様のKYBから電子制御オーリンズへとグレードアップ。
このオーリンズは乗り心地もしなやかで、路面にぺったりと貼りついて接地感のある走りを実現するため、コンフォートだけではなくセーフティ。雨の路面でも全く不安を感じさせないところが素晴らしかったです。
フルカラー液晶は高級感とハイテク感があり、これもまた見逃せないアイテム。これに地図表示、ナビまで加わったら理想と思いましたが、さすがに欲張りすぎでしょうか。
攻めるデザイン
ヨーロッパで好調なのを受け、デザインもかなり攻めの様子。フローティングのヘッドライトユニットは軽さを表現し、エンジンを中心としたマスが集中してることを表現。またエアクリーナー部分はそれぞれが流れをだしつつめり込むことで、パワー感を表現。
特にカラーリングはヨーロッパで人気のMatt Grayを投入、蛍光カラーのホイールとの組み合わせは8割の人が否定的ですが、2割の人に熱狂的に支持されるということです。かくいう私もMatt Grayは好み。
MT-10SPではR1Mで採用された特別カラー、金属のぬめり感を実現した塗装を採用。特別なグレードえあることを強烈にアピールします。
MTのフラッグシップへ
これまでMTは初代のMT-01がそのフラッグシップでした。そのたぐいまれなるキャラクターと造形はいまだに伝説といっても過言ではないはず。
そして MT-25からはじまり新登場した MT-10まで、250cc, 320cc, 700cc, 900cc, 1000cc と5機種もある現行MTシリーズ。ラインナップ充実し、自分にあったMTを選べるというものです。
MT-07オーナーとしてはとても気になる存在のMT-10でした。
MT-10 - バイク・スクーター | ヤマハ発動機株式会社