#名車シティ再生 (16)初めてのブレーキOH【フロントディスクブレーキ編】
2016.03.07名車シティ再生のハイライト、重要保安部品となるブレーキのオーバーホールを行います。
それに先立ち、用意したのは以下。
・フロントブレーキパッド BRIG
・ブレーキフルード Moty's
・フロントOHキット
・リアOHキット
・シリコンホース 内径4mm、外径6mm 1m
・ワンウェイバルブ(水槽用)
これまでブレーキパッドの交換やドラムブレーキの調整はやったことありましたが、オーバーホール、ゴム類の交換は初挑戦。果たしてうまくいくのでしょうか?
フロントキャリパー
ブレーキフルードリザーバーに空気が入らないようにグルグル巻きにするといい、と聞いてとりあえずやってみました。でもセンサー用配線が邪魔して空気が入らないようになるのか、心配です。
ジャッキアップしてタイヤを外し、ブレーキキャリパーを外します。
外したブレーキパッドはひび割れていて、これはダメな感じ。
ここまで外すとブレーキラインを緩められないので、キャリパーはつけた状態でブレーキラインを外しますが、このあと落とし穴が色々。
ブレーキラインを外すとフルードがダダ漏れ。リザーブタンクのテーピングは効果がなかったようです。
ブレーキピストンが抜けない
OHするにはキャリパーからピストンを抜かなければならないのですが、ペンチごときだとうんともすんともいいません。最初タミヤのノンスクラッチペンチを使ったのですが、保護材が割れてしまいダメでした。
もう左右ともキャリパー外しちゃったし、かくなる上は...
ピンポンダッシュ
ピンポーン・・・
お隣のインターフォンを鳴らします。
お隣さん「どうしました?」
私「すみません、ブレーキキャリパーのピストンが外れなくって、コンプレッサーを貸してもらえませんか?」
お隣さん「いいですよ、ちょっと待って下さい」
コンプレッサーの登場です! 持つべきものはガレージハウスのお隣さんですね。
古いブレーキパッドを挟み、吹っ飛んでいかないようにしてからエアコンプレッサの先をボルトの穴にくっつけ、レバーをひくと、
スポン!
いい勢いでピストンが飛び出てきます。パッドを2枚、1枚と減らしていきながらピストンを出し、最終的に取り外せました。
やった! なんて簡単なんでしょう、一家に一台コンプレッサが欲しくなりますね。
磨く
ピストンを外たあとゴムシールを外します。多少錆が出ていますが、ピストン全体は予想以上に綺麗でした。
ピストンは以下で磨きます。
・タミヤフィニッシングペーパー(サンドペーパー) 400番、1000番
・3M スポンジ研磨剤 1400番~1600番相当
・液体コンパウンド
3Mはもともとサンドペーパー(砥石)の会社ということで、本来的な使い方です。
ゴムシールのくぼみのところに残った錆、というよりも傷。凹みなのでこれ以上はどうすることもできず、ピストンが綺麗になったので諦めます。
ディスクブレーキシールキットの装着
新品のディスクブレーキシールキットを使い、組みつけます。ピンクの耐熱シリコングリスが付属していますので、それを使って入れていきます。
まずキャリパーの内側の溝にゴムシールを入れます。
次に、ブーツをキャリパーにつけてから、ピストンを押し込みます。押し込んだあとにピストン側の溝にブーツを装着して完了。
2つとも出来ました。
ブレーキキャリパーの組みつけ
さあ入れようと思ったのですが、まだありました。スライドピンの先のゴムを交換します。
黒とゴールドの2種類あり、どちらかが上でした(黒かな?)。先にベース側にゴムを入れてからスライドピンを入れて、ゴムをかぶせるとよさそうです。
忘れずにパッドを押すスプリングを取り付けます。
今回投入したのはBRIGのブレーキパッド、スーパーラリー。低温から効き、踏力でコントロールができる、ABSがなかった時代にガンガン走っていたジジイにもってこいのブレーキセッティング。このシティももちろんABSがないので、こういうパッドが丁度いいのです。
キャリパーを取り付け、ブレーキラインを最後に取り付ければOK。
ブレーキラインはワッシャー(ガスケット、ドレンワッシャー)の再利用が不可なので、OHキットに付属している銅ワッシャーを使います。これで完了...ってあれ?
ガスケット
本来は4枚あるはずの使い古しのガスケットが3枚しか見当たりません。一体どこに、まさか...
なんとブレーキラインにくっついていて、それごと新しいガスケットをつけて締めこんでしまいました。やってもーたー!
もちろん再利用不可の部品ですから、外して再度締めこむわけにいきません。なにせこれは重要保安部品。ブレーキフルードがだんだんと抜けるなんてのは悪夢ですから、ここは新しいガスケットを調達して再取り付けです。
手順まとめ
色々な失敗を経たので、最適な手順をまとめます。
- ブレーキキャリパーを外し、パッドを外す(まだブレーキラインは外さない)
- ブレーキペダルを踏み込み、ピストンを押しだす(飛んで行かないように注意)
- ブレーキペダルはつっかえ棒をしてシートで押さえる(フルードが漏れ出ない)
- ブレーキラインを外す
- (ピストンが出てない場合は、コンプレッサーを使って押しだす。空気入れ用ポンプじゃ無理)
- ピストンを取り出し、綺麗にする
- ゴムパッキン、シールを交換
- 逆の手順で戻す
- ブレーキラインを取り付ける際はガスケットを新品にする(古いのがついてないか再度チェック)
(リアドラムブレーキ編へつづく)
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