#名車シティ再生 (12) 2003年生まれの子供が見た、1992年製のクルマの不思議
2016.02.042003年生まれの子供は12歳、1992年製のGA2型シティは24歳、倍の時間を生きています。そんな子供が1992年製のクルマをみたとき、新しい「気付き」があるようです。自動車免許をとって早30年、私が常識だと思っていることでも指摘されると新鮮な発見がありますね。
ドアが大きい
子供「ドアが大きい!」
2ドア、3ドアハッチバック車は後部座席へのアクセスをよくするために多少ドアは大きめ。さらにこの頃は衝突安全性設計がなされてないために、開口部は貧弱。
その反面、ドアは大きく、開口部は広いので乗り降りしやすいです。
助手席が広い(足元の奥行きがある)
2ドア、3ドアハッチバック車の特徴として、後部座席の居住性は気にしない、補助席的な扱いのために主役は前部座席。助手席もセンターコンソールが多少圧迫して横方向は広くないですが、足元は広め、前に伸ばせるので広く感じられます。
この点昨今のミニバン、背高軽自動車は後部座席偏重の結果、助手席の足元は狭く、快適性が犠牲にされていますね。
エアコンがレバー式
子供「なにこれ、レバーってどういうこと!」
オートエアコンが基本の昨今、温度設定に風量設定はボタン式。この頃はマニュアルエアコンで、物理的にレバーとワイヤーで風向調整したり、内気循環・外気導入を切り替えるためにそれなりの物理サイズが必要でした。センターコンソールの半分くらいはレバーが占めています。
ドアロックの施錠・解除の仕方がキー
子供「どうやって、ドア開けるの!」
当然鍵しかついてないので、鍵穴に入れて鍵を回すだけなのですが、ドアの解錠はリモコン、という先入観がある子供はビックリしたようです。家の鍵と一緒なのに。
もちろん集中ドアロックもないです。
ドアロックの仕方が分からない
子供「どうやって、ドアロックするの!」
集中ドアロックで運転席の人がロックしたり、車速感応型ドアロックで自動でロックされる現代車。もちろんこの頃のクルマは助手席の人が自分でドアをロックしなければ閉まりません。
ドアハンドルの内側にあるレバーを倒すだけなんですが、どちらがロックで解除なのか分からないとのこと。赤い印刷が出ていると警告「危ないよ」ということなので解除側。LOCKという文字がでればロックされています。
ちなみにロック側に倒してから外にでて、ドアを閉めるとロックされてしまいます。
運転席側はキーの閉じ込み防止でそれができませんが、外のドアハンドルを引きながら閉めればロック可能です。裏技ですね。
定員5人である
これだけ小さくて、狭くても後部座席は3人乗り。とはいえ、そんなに窮屈でもなく身長170cmくらいまでであれば、レッグスペースもあるし普通に座れます。
後部座席のシートベルトが3つとも2点式
子供「シートベルトが、なんか足りない!」
いまどき後部座席でも3点式が当たり前。この頃は当然のように2点式で、それが3人分ついてます。3点式シートベルトに慣れている子供にとって、2点式というのは新鮮だったようです。
なお後部座席にヘッドレストはないので、追突時のムチウチ症は必至。そういう点でも補助席扱いですね。
ドアミラーが畳まれない
電動格納式ドアミラー、なんてものはありません。歩行者保護で倒れますけどバネでばちんと元に戻ります。
でも横幅162cmしかないので、そもそもそんな機能、要りませんね。
ハンドルをたくさん回さないと曲がらない
当時のクルマはロック・ツゥ・ロックが4回転ほどと、大きな車がほとんど。特にお買いもの車として、非力な奥さん、女性に乗ってもらうために必要以上にハンドルを軽くしようとしたために、ハンドル径は大きい、ギアレシオも高めとなって、たくさん回さないと曲がらないのでした。
今のクルマは電動パワステで小径ハンドルでもあまり回さずに済むのと、スポーツカーはクイック感を出すためにギアレシオが低めです。
このシティには無限のLSDがついているのでキックバックが大きく重めですが、それでもMINIよりも軽いです。
速度警告音が鳴る
やはりハイライトはこれ。高速道路を走っていると突然鳴りだす「ピーピー音」に子供びびりまくり。
子供「え、なに、なにこれ? 壊れたの!?」
ピーピーという警告音ですからね、私も久々に聞いた時はオーバーヒートとか、重大な故障かと思ったくらい。なんてことはない、100km/hを越えるとなる、いわゆるキンコンチャイムです。
最初はびっくり、うるさいので鳴らさないように走るのがいいので自然と速度は落ちますが、逆に鳴り続けているとそれはそれで慣れて気にならない、頭の中に入らないので人間の慣れって凄いなと思います。
・・・
自分では余り古い車ではないと思っていましたが、子供目線でみると確かに色々と新鮮な発見がありました。
古い車は重加算税、エコ替え促進といった社会の風潮ですが、古いものを大事に乗り続けるのが本当は環境に優しいのにね。
部品調達も途絶えてなかなか維持は大変ですが、温故知新。歴史を知るのも大切。