#名車シティ再生 (2)一時抹消から新規登録、ユーザー車検を通すまで
2016.01.14本家「名車再生」ではイギリスなので簡単に中古車を買い付けてきていますが、日本の場合色々な手続きが必要です。今回はまず一時抹消された中古車を譲渡、新規登録してナンバーをつけるまで流れを追っていきます。
新車・中古車でナンバーのついていない車を登録する場合(新規登録) 自動車検査・登録ガイド
登録事項等通知書と譲渡証明書
車検証の代わりに、一時抹消すると発行されるのが登録事項等通知書です。
これが車検証の代わりになり車庫証明を申請できるので、まずは自動車を譲り受ける際には前オーナーからこの書類の現物をもらいます。譲渡証明書はこのときでも、実際に車両をもらうときでも構いません。私の場合はセットで郵送してもらいました。
車両費用: 銀行振込
車庫証明申請
「車庫証明」は自動車を譲渡、登録する際に必要。
車庫証明を申請するのに一番大事な書類は車検証(または登録事項等通知書)ですが、次に大事なのは「保管場所使用承諾証明書」です。自宅の駐車場の場合は「保管場所使用権原疎明書面(自認書)」で自認すればいいですが、いわゆる貸し駐車場の場合は管理会社や大家さんに書類に記名、捺印が必要です。
慣れている管理会社や大家さんであれば「保管場所使用承諾証明書」くださいと言えばすぐに送ってくれますし、慣れてない場合は書類をもって、ハンコもらいにいきます(ハンコもらうのに手数料として駐車場代1ヶ月分を請求するところもありますね)。
これ以外の書類は自分で書くことができます。
書類を揃えたら、管轄の警察署へ申請にいきます。申請から2日〜3日程度で発行されます。
申請費用:2100円
希望ナンバー申請
普通のナンバーを取るなら不要ですが、せっかくなので希望ナンバーを付けます。インターネットから予約することが可能です。
交付手数料は多摩の場合4100円。申請後、銀行振込をしてから3日後以降でないとナンバー用意されません。このリードタイムにご注意を。
希望ナンバー 4100円
ユーザー車検の予約
昔はユーザー車検は好きな日、好きな時間にいって行っていた気がしますが、今では予約が必要です。
最短で次の日の予約を取ることが可能ですが、上記「車庫証明」や「希望ナンバー発行」のリードタイムを考えて予約しましょう。午前2ラウンド、午後2ラウンドの合計4ラウンドの中から選択できます。
私はインターネットで午後最初の3ラウンドを選択して予約。予約は後から変更、キャンセルも可能です。
自賠責と仮ナンバー
ナンバーなしの車両を自走でもってくるには、仮ナンバーが必要です。
仮ナンバーの発行には期間をカバーする自賠責保険が必要で、今回は車検を通すことになるので2年車検分、25ヶ月分をあらかじめ加入しておきます。
自賠責の加入は街のディーラーや保険代理店で行うことができます。私の場合、近くのディーラーがたまたま休みだったため、保険代理店に飛び込みで入りました。
市役所へいき、自賠責を見せて仮ナンバーを申請します。仮ナンバーの有効期間は5日間程度なので、その間に車両引取り、車検を済ませないと再度仮ナンバーの申請が必要となります。
自賠責とは別に任意保険、いわゆる自動車保険がありますが、これも入ることができるということなので、私の場合は登録事項情報等通知書で加入しました。安心には安心を。
自賠責(25ヶ月) 28,780円
仮ナンバー 750円
車両引き受け
仮ナンバーを持参して、今回車両を譲ってくれるミュルサンヌへと新幹線で移動します。
ミュルサンヌでは奥津店長のラジコン・コレクションを堪能。ロータリーエンジン搭載のラジコンから、飛行機まで、とにかくその趣味の幅に驚かされました。まさに男の子の夢、ワンダードライビング!
奥津店長から車両を譲り受け、仮ナンバーを装着して一路東京へと戻ります。
(奥津店長とガッチリ握手!)
車庫証明書引取り
警察署へ領収書をもって、車庫証明書を引取りに行きます。この時、今度はステッカー代として500円を支払います。
するとステッカーと車庫証明をもらえます。
車庫証明ステッカー 500円
譲渡証明書と印鑑証明書
前オーナーからもらった譲渡証明書に、自分も記名、捺印します。前オーナーの印鑑証明書は不要ですが、自分の印鑑登録証明書が必要なので取得します。
個人の場合は市役所、法人の場合は法務局で取得します。
印鑑登録証明(法務局) 450円
オドメーターと代書
希望ナンバーが交付される日程以降に予約した車検の日、書類を揃えて申請にいきます。
この書類、面倒な上に今回よくわからないために多摩自動車検査場近くの代書屋さんにお願いすることにしました。代書の際に必要なのは書類一式と、オドメーターの距離、希望ナンバー(確定番号、メールで送付されたもの)です。
オドメーターの距離(下2桁は省略)は車検証に記載されるため必要となります。
代書費用 3240円
印紙の購入、貼り付け
申請書類には自動車重量税や手数料などの印紙を貼り付けます。そのため印紙を購入し、貼り付けます。印紙は自動車検査場外、場内のどちらでも購入可能です。
自動車登録印紙代 700円
自動車重量税印紙代 25,200円
自動車検査証紙代 2,000円
希望番号予約済書の入手
希望ナンバーの振込後、確認メールが送られますが、そこに記載された予約番号を、自動車検査場内にあるナンバー発行窓口の脇にある端末に入力すると予約済書が発行されます。
この時はまだ紙だけで、ナンバープレートは出てきません。
車検受付窓口
書類一式をそろえて、予約した時間(ラウンド)の受付時間に提出します。すると検査ラインに並ぶように指示されます。
ユーザー車検、慣れてない人はヘルパーがいる(4)番ラインを案内されました。
検査ライン
検査ラインではいわゆる車検の検査を行います。
今回ライン前に行ったチェック項目は以下の通り。
・灯火類のチェック(ウィンカー、ブレーキ)
・ウィンドウウォッシャーの動作確認(及びワイパー)
・全長、全幅、全高のチェック(ユーザーが巻尺をもって、検査員が確認)
・ボンネット内のチェック(ボンネットはユーザーが開閉する)
・社外マフラーの騒音チェック(4900回転=6500回転 x 75%、ユーザーがアクセル操作)
ラインに入ってから通常のチェックを行います。
・サイドスリップ
・スピードメーター
・光軸(ハイビームでのチェック)
・下回り
・排気ガス
各チェックでOKがでると、用紙を入れてスタンプをもらいます。
最後までラインが通ったら、最終確認場で担当者に見せて、最終確認の印をもらい検査ラインは終了。
車検証の作成
書類を3番窓口(元の受付した棟)に提出し、新しい車検証の作成申請をします。この時オドメーターが1周していて、旧記載が98,900km、今回が 3,300kmとなっていたのでメーター交換の有無を確認されました。単純に1周、実際には2周しただけなので、交換していませんと答えると、次ステップへ進みます。
ここでは車検証はまだ交付されません。
自動車税納付
自動車税は通常4月1日時点での所有者に1年分が請求される仕組みですが、年度の途中の場合は月割りで分割しての納付となります。年額が 39,600円(15%割り増しあり)、月額が3,300円のため2ヶ月分の6,600円を支払います。
このへんの計算はすべて代書屋にお願いした書類に記載するものなので、慣れてない人は代書屋が無難です。
ここでも印紙を買い、貼り付けて申請します。
自動車税 6,600円
ナンバープレート交付
ナンバー交付棟へと移動し、ようやくナンバープレートをもらいます。ナンバー2枚と4本ボルト、封印をくれるので、これを車両に取り付けます。
ナンバープレート取り付け
ナンバーはフロントとリアの2枚、2箇所のボルトを取り付けます。リア側の左側は封印するので、封印を入れてからボルト止めします。
工具は昔自分でもっていくものでしたが、今では親切に用意されています。ただしちゃんと返しましょう。
封印&車検証交付
どこで見ているのかわかりませんが、ボルトをつけると自転車に乗った係員が現れ、ボンネット内の車体番号とナンバープレートを確認、(東)とかいた封印を手でぽんと取り付けて、車検証をくれます。これで無事登録完了です。
番外:予備車検、調整
今回ミュルサンヌの日頃のメンテのおかげで一発で車検ラインを通りましたが、もし落ちたら近くにある予備車検場で落ちた検査項目だけ調整することもできます。また最初に予備車検場でチェックしてから持ち込んだ方が、間違いなく通ります。ただ費用はそれなり(数千円)なので、通ればラッキー、落ちたらその時考えるということで今回は予備車検場の場所だけチェックして通しました。
動画で車検の様子を振り返る
上記の作業は動画でどうぞ。特に車検ラインの様子は動画の方が分かりやすいかと。
・・・
いかがでしたでしょうか。意外と簡単でしょう・・・ってことはなく、非常にややこしい手続きがいっぱいです。もちろん税金もたくさんかかっています。この手続きで、
・市役所(地方自治体)
・法務局(法人の場合、政府)
・自動車税(地方税)
・警察署
・自賠責保険(保険会社)
・自動車保険(保険会社)
・重量税(国税)
・ナンバープレート(国土交通省)
と様々な団体に関わり、費用が発生しています。これが日本における自動車所有の複雑さ、弊害であり、まさに贅沢税、取れるところからガッツリとる図式を体感できます。
また登録費用は代行費用をディーラーがとりますが、この手間を考えるとある程度妥当とも言えます、正直、面倒ですので。
これで晴れて名義変更、ナンバーがついたのでようやくレストア開始です。