カーデザイナーになってみたい! MINE四駆でカーデザインを体験 #mini4wd
2015.05.01クルマ好きなら一度は自分の手でオリジナルのクルマを作りたいと思ったことがあるはず。かくいう私も学生時代からスケッチをラクガキしていて、そのたびに「カーデザイナーっていいなあ」と思っていました。
それから幾星霜。
時代は変わりました。コンピュータの発達のおかげで、3Dスキャン、3Dプリンターを駆使することで、素人でも自由な発想でカーデザインを疑似体験できるというんです。
3Dプリンター出力サービス アイジェットの社長ブログ:MINE四駆ワークショップ開催のお知らせ!
Car Design Academy : "第一弾" 3Dデータを作れなくてもOK!世界にひとつだけのオリジナルミニ四駆を作ろう☆★カーデザイナーになるためには造形力を身に付けることが必須!でもインダストリアルクレイでモデルを造ろうとすると結構大変です。どんな場所でも気軽に造形を学ぶことができるワークショップができないかとあれこれ考えた結果、MINE四駆は生まれました。子供から大人まで楽しめるプロダクトである"ミニ四駆"をベースに、ボディを自由にデザインして、油粘土で造形していきます。出来上がったものを3Dスキャンし、3Dプリントをして、世界にひとつだけのオリジナルボディを作りあげる、という流れとなっています。
では、ここでクルマのデザインプロセスを考えてみましょう!
(1)クルマのデザインコンセプトを決定→(2)アイデアスケッチ→(3)レンダリング→(4)クレイモデルや3Dモデルの制作→(5)試作
つまり、この一連の流れを"MIINE四駆"で擬似体験することができます!
今回MINE四駆に参加して、オリジナルボディを作って来ました。さて私の理想のクルマは現実化(ただし1/32スケール)できるのでしょうか?
作り方の流れ
(1)ラフスケッチ、イメージからクレイモデル、つまりは粘土細工をして造形します
(2)粘土造形を3Dスキャン
(3)左右対称にモデルを加工、ボディキャッチを追加して3Dプリンターで出力
今回は(1)を自分でやります。(2)、(3)は3Dプリントのプロ、アイジェットさんの協力によりお任せ。本当にありがとうございます!
(4)は後日、Fabミニ四駆CUPに参加。
オリジナルって難しい
イメージではS2000のようなカッコイイ、流麗なロングノーズのスポーツカーを作ろうと思ったのですが今回使用するキットはこちら。
こちらはホイールが大きく、相対的にホイールベースが短いタイプのシャーシ。うーんこれはペッタンコの流麗なデザインは作りにくいなあ、、、ということで方針変更。
台座を鏡にはりつけ、粘土を上に盛っていきます。つまり半分作っても鏡を通してみると全体にみえるという仕組み。シンプルですが、効果的です。
キャビンフォワードのスポーツ・シティコミューターをイメージしたものの、これって完全にこんなイメージ。
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あかん、似過ぎや。オリジナリティを出すって、難しいのね。。。
であれば、ショートホイールベースを活かして、スマートみたいなシティ・コミューターにしよう。
ゴードン・マーレイ氏デザインのYAMAHAの4輪にも似てますけどね。とりあえず気にせず粘土をもってみるも・・・
象さん象さんお鼻が長いのね
えっ・・・象?
そうなんです。ラフに描いた枠に粘土を持っていったら、なぜか象になってしまったんです。仕方ないので耳をつけてみたら、完璧に象。どうしてこうなったんだろう。
ところがこれが意外にも回りに好評、ならまあ象でもいっか、と象をモチーフにクルマっぽいデザインに収斂させていくことに。
空力を考え、耳はF1のダンボウィングのように小さくコンパクトに、そしてテールはプリウスのような太刀魚式に切ることに。またリアはオーバーフェンダー化。鼻は垂れるのではなく、空気取り入れ口にするため少し上方向へ。もちろん象っぽくする狙いもあります。
空力の追求
カワイイ象さんなのに、レーシングカー的モチーフを投入し、各所に空力的な造形を入れ込みます。
耳をよりカナードっぽく処理、オーバーフェンダーも膨らみ過ぎたのをスパッっとカット。処理をGTマシンっぽくします。あくまでもぽくね。
フロントにはアイコンとなるヘッドライトを吊り下げ式で追加。昨年のケータハムF1的な処理です。
レギュレーション(法規)への対応
さあ、これでだいたい完成、仕上げへいこうというとき大事なことが発覚。なんとレギュレーションで決められた全高を大幅に超過していることが判明したのです。その高さは黒ペンでひいたところ。え、20mmは高い・・・どうする?
ざっくり!
小手先での調整は無理と判断、もう一気にやり直しをすべくザックリとルーフラインをカット。キャノピー状となっていた前頭部もフラットな造形にしての作り直し。
合わせて耳ウィングの造形をやり直し、全体的に車高を抑えたのでヘッドライトを吊り下げ式から上に載せるように変更。
・・・つまりほぼ全部やり直しです。
3Dスキャンし、モデルデータ化、3Dプリント
アイジェットさんの3Dスキャナーでクレイモデルをスキャン、3Dデータ化します。
モデルデータは左右を反転して全体像を作り、ボディキャッチを追加、ミニ四駆に搭載できる形にしてから3Dプリントして造形します。この作業はすべてアイジェットさんによるもの。アイジェットさん、ありがとうございます!
ボディができた!
粘土でつくられたモデルが、アイジェットさんによりこうなりました。
まさに私だけの(MINE)ミニ四駆!
てゆーか、ほんと、象だわ。
色合いといい、造形といい、湖に浮いているアヒルボートとか、そういうジャンルですよね。レーシングテイスト、エアロダイナミクスが泣いてます...
タイヤがあたっているのでホイールハウスを削り、着色してレース仕様に仕上げていきます。
仕上げ&セッティング
おお、なんかそれっぽくなって、、、きた、きてない?
こうして完成したMINE四駆。お次はレース参加です。
レース
レースはFabCafe主催のFabミニ四駆CUP2015SPRINGにて。
「清水の舞台」と名付けられたダウンヒルストレートは、まさに地獄への一丁目。鬼畜コースのためにコースアウト続出、いや完走者ほぼゼロというサバイバルレースになり、うちの象さん号も1周もできずあえなくリタイア。
レースの模様
マジFABクラスの様子はこちらでどうぞ。
妖怪大戦争? Fabミニ四駆カップのMAKEな世界 : ギズモード・ジャパン
カーデザインとは
今回カーデザインの一部を体験しましたが、想像以上にカーデザインとは難しいものでした。
・どうしても何かに似てしまう
・デザインの制約が多い
・レギュレーション、法規に合わせる必要がある
よくあるのがコンセプトカーはカッコ良かったのに、市販車になると色々手直しされてぼやっとしてしまうケース。ホンダS2000でいえば、SSMとの対比がそれです。
これまでは市販車が「ダサイ」と内心思っていたわけですが、実際に自分がその現場に立ち会うことになるとは、、、いや、寸法って本当に大事です。これからは市販車がカッコ悪くなっても文句いいません。
それにしても本職のカーデザイナーや目指している人は一味違いますね。油粘土なのにちゃんと造形ぴしっと出来てます。
カーデザインを目指している人はぜひ、カーデザインアカデミーをのぞいてみてはいかがでしょうか。
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