勝間和代さんと楽しい乗り物仲間たち、nbikeに乗る
2015.03.18nbikeとは、サドルなし、ペダルを上下させるだけの人力キックボードのような、自転車のような乗り物。大田区の町工場が連携するプロジェクトとして開発、製作しており、現在試作が完成したところです。今回はその試作車に勝間和代さんと楽しい乗り物仲間たちが集まって、ワイワイと試乗してきました。
町工場が生み出した機械式時計のようなモビリティ「nbike」(エヌバイク)とは
町工場が生み出した機械式時計のようなモビリティ「nbike」 - zenmono(ゼンモノ)東京都大田区は未だ4,000社の工場が隣接する工業地域です。それぞれの工場では、その工場ならではの特殊技術が、何代も脈々と受け継がれています。しかし、新しい世代はそれに安住する事を良しとせず、新たな方向性を模索し始めていました。
そこに降って湧いた「下町ボブスレープロジェクト」。このプロジェクトをきっかけにした複数の工場による連携を通じて、町工場の間に昔のような、お互いの技術に対する信頼や深い絆が取り戻されつつあります。その「下町ボブスレー」に携わった町工場経営者の2代目、3代目が再び手を握り、新たな開発に踏み出しました。
そこから生まれたのが、キックスケーターなのか?はたまた自転車なのか?と言う新種の乗り物「nbike(エヌバイク)」です。
参加レポート
参加者のレポートは以下でどうぞ。
よりここ!: キックボード? 自転車? 町工場が生んだ新種の移動ツールnbikeを試してみたよサドルなし。ペダルも回らない。でも、駆動部やハンドルに使っているのは、慣れた雰囲気の自転車のパーツ。削り出しで作ったいろいろなパーツが美しくてうっとりしました。 なんとも不思議な乗り物です。
[N] 「nbike」東京都大田区の町工場発のパーソナルモビリティに試乗してきた!現在「nbike」では様々な試行錯誤が行われています。色々な人に乗ってもらい、意見を貰っているそうですが、経済評論家の勝間和代さんがキックボードフリークで何台も持っているということから、実際に「nbike」に乗って感想を聞かせて欲しいということから、今回の試乗会が行われました。そこに参加させて頂いた次第です。
ペダル部分のクローズアップ動画
論より証拠、自転車のような回転ではなく、上下のストロークで駆動する部分を動画でおさえたのでどうぞ。
漕ぎだす前にまず片足でキックボードを蹴るように助走をつけ、安定したら両足をペダルの上へ。片足で踏みこみ、一番したまできたら逆の足を踏み込むという「だけ」です。
なのですが自転車の回転運動に慣れた脳みそでは最初「ん?」となってしまい漕げなくなるのですが、「そうそう、上下だけだね」とすぐに慣れて走ることができました。
折り畳み機構
折り畳んでも自立可能。ハンドルも折り畳めばさらにフットプリントが小さくなります。
持ち運びのハンドルもついており、10kgオーバーの重さですが意外と持ちやすいです。
開発者にフィードバックをする勝間さん。乗り物フリークだけあって、視点が鋭く、開発者、製作者の方も深くうなずいていました。
パーソナルモビリティの未来
nbikeのpros/consをまとめてみます。
【良いところ】
・メカメカしい、そそられるデザイン
・ひとつひとつ金属削り出しの超高級感あふれる造形
・ペダルを上下させると進むという新しい感覚
【課題】
・最低地上高がひくく、ちょっとした段差や旋回ですってしまう
・今は固定ギアのため、スピードが遅い。坂道は上がれない
・機構が複雑で重量が重い
・その結果、値段が高い
現状では「精緻な面白自転車」というジャンルで、キックボードなどに求められる実用性という点では既存のものに劣るといった印象。キックボードの課題は坂道を登れないことで、ここにパーソナルモビリティのブレイクスルーがあると思います。
自転車のイノベーション
中国、北京では市民の足は自転車でした。2000年代から電池を充電し、モーターで駆動する電動バイクが流行り始め、いまではすっかり市民の足として定着しています。
中国での「運転代行」は電動キックボードで移動、運転代行する車に電動キックボードを折り畳んでのせ、運転代行が終わったら、また電動キックボードで帰ってくるといいます。これのいいところは
・送迎用の自動車をもう1台用意しなくて済む
・ドライバーは1名で済む
ことで、非常にリーズナブルです。つまり現代のモトコンポということです。
それ単体で使うものではなく、他のモビリティとのコンビネーションで考えると、さらに可能性が広がります。
勝間さんがキックボードにこだわるのも、それが折り畳めて持ち運びができる点。軽量小型キックボードであればいざというとき、折り畳んで電車にも持ちこめます。
今はまだ法律や社会の受容性が整ってないことから自転車以外の選択肢は一般的ではないですが、そろそろあのバカでかくて駐車すると場所を食う26インチサイズの自転車、ママチャリにイノベーションがあってもいいのでしょうか。千歳烏山駅周辺の違法駐輪をみていると、いい加減これどうにかしないといかんだろう、とシミジミ思うわけです。
電動アシスト付き自転車は合法的で楽ちんでいいのですけど、自転車の延長線上でしかなく、イノベーティブという点ではまだ伸びシロがあります。
nbikeは人力なので自転車扱い、法律的には問題ありません。ただこの機構で坂道を登って行けるかというと、かなり厳しいというのが実感。自転車だって変速ギアつかってようやくですし、神戸や横浜、長崎といった坂の町では決して自転車が便利というわけではありません。
やはり電動、モーターアシストは今後のキーテクノロジーで、これをうまく使わない手はないのではないでしょうか。
ヤマハでは電動アシスト付き車椅子を出していますが、あんな感じで、キックボードの蹴るのをアシストしてくれるものがあると、坂道も多少ラクにあがっていけそうな気がします。
nbikeが今後どういった進化をみせるのか、楽しみにしています。ペダルを省略して超高級キックボードになっていたりして。
町工場が生み出した機械式時計のようなモビリティ「nbike」(エヌバイク)
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