この冬一番の寒さでも、自分だけ春がきた。Klan ホットインナージャケットを使ってみる(後編)
2015.02.17前編ではKLANホットインナージャケットの商品について、そして装着方法について解説しました。
寒くないから暖かいへ。Klan ホットインナージャケットを使ってみる(前編)【ワンダードライビング】
今回は実践編、実際に装着してのインプレッションです。
ホットインナージャケットの役割
普通の電熱ヒーター入りウェアの場合、電熱ヒーターをいかに肌に密着させるかがポイントと巷ではなっていますが、このKLANホットインナージャケットはちょっと違います。
ジャケット全体、胸や背中だけではなく腕や首まで這わされた電熱線が加熱するのは「空気」。この暖められた空気がジャケット内に滞留することで暖かさを感じるという仕組みです。
japex.net KLAN ホットインナージャケット従来のシステムは電熱線の直熱で体を暖めるだけでしたが、HADSは電熱線周りに部屋分けされた空間を設け、この空間で暖められたホットエアーを循環させることにより、ウエア全体を暖める画期的なシステムです。さらにメッシュ素材の裏地でホットエアーを体に送り込み、より快適な暖かさを実感できます。
ですから着方も相応にしなければなりません。
これまでの防寒用装備は、
0) 素肌
1) アンダーウェア(Tシャツ、綿100%)
2) 長袖アンダーシャツ(ヒートテック)
3) タートルネックセーター(毛100%)
4) HYODジャケット(インナー)(5)の内側に標準装着
5) HYODジャケット(アウター)
の組み合わせ。素肌に直接電熱線を密着させる必要がない仕組みなので、ここは(4)のインナージャケットの置き換えとして着こむことにします。
ホットインナージャケットの着方
こちらがHYODジャケットの内側についているインナージャケット。これを今回取り外します。
取り外すとメッシュの通気性のよい裏地となります。
こちらがインナージェット単体。防風と保温が考えられたもので、袖口がぎゅっと絞りこまれておりここから風が入らないようになっています。ただし前はアウタージャケットにつく関係で空いたまま。ここが多少弱点で、高速走行時には防風性能は十分あるものの、ジワジワと冷気が伝わってくるポイントでもあります。
KLAN インナージャケットは袖に親指を通して羽織ります。多少この穴が狭く、つっぱった印象がありますが、この萌え袖の上にグローブをする関係で袖口からの冷気進入は皆無。
この状態でHYODジャケット(アウターのみ)を羽織ります。あとはコードを接続するだけ。
コードはコントローラの長さを考え、リアシート裏から出してシート前まで回しています。
もはや小春日和
天気がよく、青空が広がる日中。写真では暖かかそうに見えますが、寒波の影響でこの日の冷え込みはマイナス1度。日中は日あたりの関係で10度近くまで上がりますけど、風は相当冷たいです。
そんな中、この装備で走るとまさに写真のイメージ通り、春うらら。まったく寒さを感じさせません。
いわゆる電熱系と違い、直接ヒーターが素肌を暖めるわけではなく、その間にはTシャツ、長袖アンダーウェア、毛セーターとかなり層があります。ヒーターで暖められた空気は本来毛セーターに期待される「断熱・保温性能」とあいまって、「加熱・保温」ができているためポカポカ。
熱いではなく、ポカポカなんです。
特定の部位が熱くて、どこかが寒い、というのもなく、上半身はまんべんなくあったかい、というイメージ。街中ではMIDでも十分なパワーでした。
高速道路ではどうかというと、これまで速度を出すとそれにつれて寒さもアップ、風がツライというよりも寒風が浸み入ってくるという感覚があり、速度を出すのを控える傾向にありましたがそれが皆無。
100km/h巡航でも上半身はまったく気になりません。今日は暖かい日なのかな、と錯覚するくらいですが、その錯覚を打ち消すように下半身、ズボンの冷え込みを感じます。風速27m/sで冷やされているのは間違いない事実でした。
高速道路ではパワーはMIDからHIGHにしたほうがよさそうでしたが、スイッチ操作ができずMIDのまま。それでもこれまでの寒さを考えると、十分でした。
これは手放せない
一度これを体験すると、これナシでは考えられない、という噂どおりでした。電熱をONにしない、ただのインナージャケットとしても十分防風性と保温性をもっているので、バイクから降りても普通に暖かく、しかもこれだけ羽織っていてもおかしくないシンプルなデザインは、非常に好感が持てます。
まだまだ寒い日が続きますが、KLANホットインナージャケットがあれば、気軽に冬ツーリングに出かけられますね。
(終わり)
※ Klan ホットインナージャケットは ジャペックスさんにご提供いただき、試用しています。