997メンテナンス: フロント・トランクリッドスイッチの修理
2015.02.09子供に車の説明をしている時、フロントトランクの開け方を教えたものの、スイッチを引いているのに、作動しないとのこと。その時はおかしいと思いつつ流したのだが、しばらくたって自分であけようとスイッチを触るとやはり動作しない。アレ?
スイッチの接触不良? よくよく触ってみると節度感のあるスイッチなのに根元がグラグラ、これはなにか物理的に壊れたっぽい。ということで分解することに。
分解、原因究明
運転席側の「Door Sill Trunk Switch」を外します。
引き上げるだけで簡単に外れるので、ハーネスを外して分離。
サイドシルとスイッチをまず外します。これもハマっているだけなので、内装はがしを使って分離。
次に、外側と内側のスイッチ部分を外すのですがこれが手強い。爪がかたくて分離しません。で力まかせにやっていたら、、、
爪が割れました(左上)。でもまあ分離できたのでよしとしましょう。
案の定、根元の支点となる部分がありません。多分壊れて欠落、そのためスイッチがずれてテコの原理で白い部分を押せなくなっているのが原因。白いところは下のマイクロスイッチを押すようになってます。
部品を検索
部品番号 997.613.105.00 を検索し、部品交換を検討。
部品はディスコンとなり、後継番号は 99761310502A05。
Porsche Genuine Porsche Tip Switch Module 99761310502A05
Replacement Door Sill Trunk Switch:Suncoast Porsche Parts & Accessories
100ドル?
スイッチの支点が壊れただけで1万円??
あまりに高いので修理することにしました。
プラリペア
プラスティックの補修にはプラリペア。型どりをすることで、欠落した爪も再生することができます。
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欠落した支点部分。スイッチの構造は共通で、他の場所から型どりします。
丁度真ん中に使われていないスイッチの支点部分があったので、これを型どりします。
型どり君をお湯で3分煮て、柔らかくなったところで多少さましてから押しつけます。凄いトロリーンと垂れてくるので、ある程度冷えるまで待つ必要があります。
接合する部分は予め斜めにやすりがけしておきます。こうすることで接合が強くなります。
型どりできました。これをあてて、プラリペアを流しこめばOK。
液体を1滴、パウダーに落として粒を作り、それを型に押し込んで、さらに液を垂らしてほぐしながら形を作っていきます。室温25度だと、5分くらいで固まります。
最初あまりに1粒が大きくてうまく中に入りきらず、支点部分が十分造形できませんでした。
とはいえ、まあ作動するだろうと思いスイッチをいれこもうとしたら、ボキッ!
折れてしまいました。これは外したもの。強度不足です。
仕方ないのでもう一度チャレンジ、今度は液を少なめにして粒を小さくして、穴に押し込むようにして支点を作りこんでいき、さらに広く作って補強します。
今回はちゃんと支点ができました。しかも本物そっくり!
さきほど折れた原因は強度不足の他、たわむ部分が少ないと判断して、しなるようにあえて切れ込みを追加。これで全体でしなるので折れにくくなるはず。左右どちらも切れ込みを5mmほどいれました。
さらに万全を期してドライヤーでスイッチ全体を暖め、しなりやすくさせます。加熱は硬化にも役立ちます。
おそるおそるスイッチを押しこんでみたところ、無事パチンといってはまりました。
スイッチを引いてみるとクリック感のある感触。これで完成です。あとは逆手順で車体にとりつけるのみ。
配線した状態で動作チェック、問題ないことを確認して元に戻しました。
まとめ
スイッチ部品は樹脂とはいえものすごい硬くて、ミニ四駆でいえばガラス繊維強化プラスチックのような樹脂。それだけに可塑性がなく、割れやすいのが欠点。しかも交換を前提としていないため分解もしにくく、ASSY交換が基本のようです。
これだけ硬い樹脂を使うのは、クリック感を出すために剛性をあげる必要があったからでしょうか。それにしても根元からちぎれるような割れ方はいただけません。
型番が新しくなって対策品が出ているようなので、もしかしたら結構このトラブルは多いのか。フロント・トランクリッドのスイッチが反応しなくなったら、ここも要チェックです。
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