F-16デザイナーが語るF-35がイケていない理由
2014.06.20日本の次期主力戦闘機FXに決定したF-35ですが、開発が遅れているほか、様々な問題点が浮かび上がっています。
The designer of the F-16 explains why the F-35 is such a crappy plane
F-35に巨額な予算を投資していますが、失敗を余儀なくされる、というのが大方の見方です。その理由を簡単にF-16のコデザイナー Pierre Sprey氏が解説していました。
かいつまんでいうと、すでに指摘されていることですが、
・陸海空、それぞれ異なる飛行機を開発するとお金がかかる
・じゃあ3つの要求を満たすマルチロール機を作ろう、そうすると予算削減になる
・イイね、それやろう!
・実際にやってみたら、そもそもまったく異なる要求を1機にまとめようとするとムリがある
・例えば海兵隊はハリアーの後継となる垂直離着陸機が欲しい、必須。
・それを満たすためにはでかいエンジンを内蔵しなければならないので、ずんぐりむっくりに
・さらに垂直に飛ぶときにでかい羽(主翼)は邪魔だから、小さくなる
・でも主翼を小さくすると旋回性能が落ち、空戦に弱くなる
・その他にも色々
ということを延々と。結局マルチロール機なんて幻想だったんだ、と改めて思わされます。
すでにマルチロール機の先鞭であるF-111の失敗と同様の失敗になるだろうとの見方。
F-35 (戦闘機) - WikipediaJSFの名の通り、ほぼ同一の機体構造を用いながら、基本型の通常離着陸(CTOL)機であるF-35A、短距離離陸・垂直着陸(STOVL)機のF-35B、艦載機(CV)型のF-35Cという3つの派生型を製造する野心的なプロジェクトである。戦闘機のマルチロール機化は、現代の戦闘機開発の主流となっているが、1960年代には空軍の戦闘爆撃機と海軍の艦隊防空戦闘機を兼務するF-111の開発において、機体が大型化し想定した任務の全てを果たせず、失敗している。
F-111 (航空機) - Wikipediaこうしてジェネラル・ダイナミクス案が採用され実際に製作されることとなったが、空軍と海軍の異なる二つの要求を同時に満たそうとしたため、機体重量は予定をはるかに超えてしまった。海軍はテストを実施したものの、既にこの時点で採用の意思を失っていた。ジェネラル・ダイナミクス側はたびたび重量軽減を行ったが要求仕様を満たすに至らず、一方の海軍側は一切の妥協を行わなかった。1968年に予算が認められなかったことで、F-111B計画は最終的にキャンセルされた。
大は小を兼ねないのが、戦闘機の世界ですね。
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将来この本にのってしまうのか心配です。