笹子トンネル崩落事故で奇跡の生還を果たしたインプレッサが完全復活へ
2014.05.31あの大事故から生き延びただけでも奇跡。
次々と崩落するコンクリートの壁の追撃を見事にかわし、満身創痍で生き延びたインプレッサとその乗員。
それができたのも、インプレッサWRXの持つ堅牢なボディと、加速性能、そしてドライバーの咄嗟の判断によるもの。
ただしインプレッサの屋根、フェンダーは大きなダメージを受け、その後どうなったかは不明でした。
ところが。
インプレッサは蘇った。 : 中津スバルの濃いスバリストに贈る情報事故の後、
このクルマをどのように直すか思案した。
途中まで、レプリカとして残せれば上出来だと考えていた。
皆で知恵を出し合ううちに、
元に戻せる可能性が出てきた。ならば安全性能を一切犠牲にせず、
以前のように全開走行をさせたい。目標さえ決まれば、
後は執念を持つだけだ。
なんと奇跡再び、完全復活していたのです。
通常考えればこれだけダメージを負っていれば普通は廃車です。
ただ、そうしなかった。
それにはオーナーの思いがあったことでしょう。
廃車にして、もう一度同じWRXを買うことはできたはずです。金銭的なことや手間を考えれば、こちらの方が得策。
でもそれはまったく意味がないのです。
なぜならば、このインプレッサWRXによって命を救われた、という歴史が消えてしまうから。
単なる大量生産の1つの製品ではないのです。いわばペット、家族といっていいでしょう。
買っていたペットのトイプードルが重病となって、もう助からない。じゃあ捨てて、新しいトイプードルを買ってこよう、とはなりません。その子の代わりになる子なんていやしません。ならば重病であっても最後まで闘病するのがやはり人の心というもの。
ましてや全快する可能性があるとすれば。
もう選択の余地はありませんよね。もちろんその方がお金がかかっても、です。
私自身も、普通廃車でしょ、という事故をした経験があり、色々考えた結果時間もお金もかけて直してもらった経験があります。だからこそ、非常に共感するのです。
インプレッサは蘇った。 : 中津スバルの濃いスバリストに贈る情報使える物は全て活かしたので、 ルーフトリムの傷も生々しく残っている。 フロントシートもそのままだ。
全部新品にするのではなく、傷跡を少し残しているところも、すごくわかります。傷跡は記憶であり、勲章なのです。